医療関係者のかたへ
Greeting from Director of Department of Anesthesiology

当科の特色

1.症例の量と多様性

当センターは692床の総合病院であり、小児外科を除いてすべての外科系各科が充実しています。年間約3000~3500例の麻酔科管理症例があり、外科・整形外科・形成外科・脳神経外科・呼吸器外科・心臓血管外科・皮膚科・泌尿器科・産科婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・放射線科・歯科口腔外科および救命救急センターの手術に対応しています。外科・整形外科・脳神経外科は専門化され、多様な症例に対応できますし、心臓血管外科手術症例(年間約100例)や小児症例(整形外科、耳鼻咽喉科など)も経験できます。さらに、大動脈瘤に対するステント留置術や、脳動脈瘤に対するコイリング留置術などの血管内治療、あるいは組織内照射用小線源カテーテル留置手術や骨系統疾患症例、形成外科手術を伴う歯科口腔外科領域腫瘍手術など、比較的特殊な麻酔管理も経験することができます。

2.指導体制

基本的に、標榜医を有する常勤スタッフが、後期臨床研修医(専修医)・初期研修医と、man-to-manの形で各症例を担当しています。

3.勤務体制の柔軟な対応:フレックス制の導入

週38.75時間の勤務は義務付けられていますが、その中で、勤務時間を割り振りし時間を有効に活用することができます。

また、当麻酔科は、上級スタッフとスタッフもしくは後期臨床研修医(専修医)の2名で、当直ないしはオンコール制を確立し、夜間や休日の緊急手術にも対応しています。しかし、スタッフ全員の権利として、当直明けは基本的にduty freeとなります。夜中に働いて疲れていれば、翌日ゆっくりとした時間を過ごせますし、元気ならプライベートライフを楽しむことができます。お互いに少しずつ気遣いさえすれば、快適な仕事場を維持できると思います。

4.外科系医師との良好な関係

麻酔科医は、時に外科医との対応で苦労することがあり、そのストレスで麻酔科医をやめてしまう例もあると聞きます。ところが、当センターの麻酔科医はそのような苦労とは無縁です。礼儀正しく、麻酔科医に対して少し気を使いすぎるのではないかというような外科医に溢れています。私たち麻酔科医もそれに甘えることなく、自己に厳しくせねばと言い聞かせている毎日です。このような良好な関係を維持すべく、安全で快適な周術期管理を心がけています。

5.術直後はICUへ

全身麻酔終了後は、患者の状態にかかわらず、同フロアのICUへ搬送されます。多くの患者は、全身状態や疼痛管理が安定していることを確認して、2~3時間後には病棟に帰室します。すなわち、Post-Anesthetic Care Unit として機能しています。これは私たち麻酔科医にとって非常にありがたいことです。無理に抜管する必要もありませんし、術後の呼吸循環状態を容易に確認・加療でき、術後急性期の痛みにも対応できます。もちろん、大手術であれば、そのままICUとして機能してくれます。ICUの看護師との関係もきわめて良好です。いずれにしても、術後急性期をしっかり見ることができるというのは、安心なだけでなく、大いに勉強にもなると思います。  

6.術後疼痛管理

硬膜外鎮痛法を中心に、投与薬剤の選択、至適投与量の決定に力を注いできました。

開胸開腹手術に対しては、十分な成果を上げることができ、外科医師や患者様から強い支持を得ています。しかしながら、比較的痛みの軽い腹腔鏡手術や四肢の手術に対しては、副作用とのバランスが難しく、今後もさらに検討を重ねていきたいと考えています。特に整形外科手術においては、超音波ガイド下神経ブロックを、徐々に導入しています。

7.循環体液管理

近年、従来の中心静脈圧や肺動脈楔入圧など静的な指標よりも、動的な指標のほうが、より正確な循環体液管理をおこなうことができるといわれています。現在、その臨床的な位置づけを評価しつつ、臨床業務に臨んでおります。

8.HIV感染者/エイズ患者管理

当センターは、エイズ治療の近畿地方ブロック拠点病院です。麻酔科においても、米国でのHIV研修を受けた医師を中心に、HIV感染者/エイズ患者の手術麻酔を積極的に受け入れ、今後も引き続き症例の検討を重ねて情報発信していく予定です。

9.抄読会・勉強会

抄読会は週に一回程度おこなっています。

各種勉強会も必要に応じて開いています。

10.研究発表および論文執筆

特に後期臨床研修医(専修医)には、大いに奨励指導しています。