センタ−ニュ−ス
 
   
第14号
平成16年1月30日
  治験管理センターニュース第14号
 
平成16年申年がはじまり、いよいよ独法化が間近に迫りました。見ざる・聞かざる・言わざる・・・いえいえ見たい・聞きたい・言いたいの積極性と受け入れる寛容性を大切にしたいものです。治験においては、契約形態が大きく変わることが予測され、実施状況に応じた経費納入ということになるでしょう。今までにも増して、治験の契約件数と実施率が向上することを期待しています。
 
―治験を支えるスタッフ紹介―
 
  今回は、IRB外部委員として、平成12年5月からご活躍いただいている小野郁子さんへ
  インタビューさせていただきました。
 
小野さんとIRBの出会い
 小野さんは、30年余り環境保健局に在職され、公衆衛生に携わられていました。市民の生活に目を配り、病気を持つ方などが、社会で生活する中で困っていることを敏感に感じ取り問題抽出する事など、数多くの市民を支えてこられたと伺いました。そんな豊富な経験を持って、IRBの外部委員にご参加いただいています。ご参加いただく前に一度委員会を見学された際には、一瞬緊張を覚えましたが、真剣に討議されている委員会であり、勉強させていただこうと思われたようです。
 小野さんは、施設外委員は、市民の目、患者サイドからの代表というお考えで、ご参加して下さっています。治験を審査するにあたって、過去の経験から、医学的に見るのではなく、患者サイドの代表となり、病気を持ちながらどのように生活を送るかを思い巡らせることを一番大切にされています。IRBに患者の目を持つ委員がいてくださることは、倫理性と透明性を担保するためにも、とても大切なことです。
 
小野さんがIRB委員に参加して
 まず、一番に大変勉強になり楽しみにしていますとお話いただきました。そんな中で、討議の厳しさを知り、自分自身に対して規律を持たないといけないと反省されたそうです。このような厳しい審査を受けて、有効性と安全性を確かめられたくすりを、患者はもっと大切にしないといけないという思いが、小野さんのなかにあるようです。もし、IRBを患者が見学する機会があればどんな印象を持たれると思われますか?というこちらからの問いかけには、治療を受けるまでにどれほど研究された結果により、今の自分の病気を治して下さっているのかが分かり、1錠のくすりも大切にするように変わるのではとお答えをいただきました。また、くすりは、厚生労働省に承認を得るための治験にとどまらず、市販後も追跡調査されていることを知り、驚かれたそうです。
 IRBは、全委員が患者の立場で様々な課題に取り組み、意思統一を計りながら審査されていて、厳しさのなかに優しさを持って研究者へ指導されている暖かさも感じるすばらしい委員会ですと、意気揚々とお話いただきました。
 また、近頃、新聞報道やテレビ・ラジオなど医療のミスばかり報道していますが、各行政機関の窓口などにちらしを置くなど、一般市民に真実を浸透させる方法も大切ではと、日頃気づかずに通り過ぎていることにも小野さんは視線を向けられていることに、感銘しました。小野さんのお知り合いの方に、治験をご存じの方は少ないと伺いました。私達医療者も、真実を患者さまや一般市民の方へ情報提供できるように心がけなければと思います。
 
とてもにこやかに温かみを持って、インタビューにご対応頂きました。ありがとうございます。小野さんのお答えの中には、くすりや現在の医療へのメッセージが多く含まれていました。患者さまへも医療者へも心に響くお言葉ばかりです。改めて、開発から市販後においてもくすりの良さと恐さをよく見つめ、真実を患者さまや一般市民の方へ情報提供できるように心がけたいと思います。CRCの活動が、くすりの成り立ちを社会に伝える一助になることを願います。小野さんには、より一層IRBの質の向上が計れるよう、目を光らせていただきたいと思います。時には、熱い討議が進められ、開催時間が3時間以上に及ぶこともあります。日頃の労に深く感謝致します。
 
新IRB施設外委員の紹介
平成15年11月のIRBより、佐川孝博さんの後任として、弁護士の土居幹夫さんに加わって頂いています。佐川さんには平成10年4月より長期間に渡りお世話になりました。深く感謝して、お礼申し上げます。
 
日本臨床薬理学会認定CRC認定制度
この制度は、医薬品の臨床試験の支援スタッフとして広い知識と錬磨された技能をそなえた優れたCRCを育成し、社会一般の人々がより有効でかつ安全な薬物治療の恩恵を受けられるよう貢献できることを目指して定められました。この目的を達成するために、日本臨床薬理学会は認定CRC制度を制定し、医薬品の臨床試験の実施に際してCRCとして専門家と呼ばれるにふさわしい実力を持つ者を、日本臨床薬理学会CRCとして認定することになりました。認定試験の受験資格には、十分な実務経験、活動実績、学会が指定する研修会や学会への参加実績が求められています。第1回認定試験は、本年夏に開始予定です。それに先立ち、過渡的措置によるCRC認定が、2003年と2004年に行われます。2003年の過渡的措置で27名のCRCが認定を受け、当院ではCRC主任の森下典子さんが認定されました。
 
平成15年度治験コーディネーター研修を終えて
国立療養所刀根山病院
治験主任 玉田 太志
 私はこの度、主催:医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構、実施:(財)日本薬剤師研修センターによる平成15年度治験コーディネーター養成研修を受講する機会を得られましたので、ここに若干の感想を述べさせていただきます。この研修は、1週間の講義(平成15年9月8日〜9月12日:北里大学薬学部)と3週間の実習(個々により期間、実習施設の違いはありますが私の場合は、平成15年11月10日〜11月28日:国立病院 大阪医療センター)からなるもので、全国から薬剤師、看護師、臨床検査技師などの様々な職種の方々が毎年数多く研修をされています。研修受講生も年々増加傾向にあるようで、近年の治験への関心の高さが伺われます。今回、私の実習は国立病院大阪医療センター治験管理センターで行われました。今だからお話をさせていただきますが、実は当初、実習先の施設として他の施設での研修を希望しておりました。(実習病院はあらかじめ主催者側で決定されるので、希望はできないシステムとなっています)なぜなら、この大阪医療センターの実習カリキュラムは、全国の受け入れ施設の中でも、最も緻密で厳しいものであるように思えたからです。実際、研修が始まってからの3週間は瞬く間にすぎたように思えました。毎日朝のミーティングに始まり、被験者来院準備・対応、モニタリング準備・対応、依頼者対応、治験審査員会準備・開催、院内での啓発セミナーの開催、学会発表準備、その隙間を縫うように私たち研修生のための講義など、治験管理センターのスタッフの方々の活躍ぶりには目を見張るものがありました。この実習を終えた今、大阪医療センターで研修できたことを本当によかったと感謝しております。平成15年10月より治験管理室専任とはなったものの、何一つ専門的な知識のない私を、丁寧に基礎から教えていただきありがとうございました。この場をお借りして、あらためて治験管理センターのスタッフの皆様に感謝するとともに、業務ご多忙の中、研修を受け入れていただきました、大阪医療センター副院長、治験管理センター長の楠岡英雄先生にお礼申し上げます。今後自施設に戻り、治験管理室の充実に努力し、さらに自己研鑽にも励んでいく所存でございますので、ご指導の程お願いいたします。
 
 
日本医師会治験促進センター開設
  画期的な医薬品等の創製に資するため治験に関連する環境を整備し、質の高い治験を速やかに実施するための体制を作り上げるため、厚生労働科学研究費補助金により「治験推進研究事業」が実施されることになった。社団法人日本医師会では、本治験推進研究事業及びその推進事業を実施するにあたり、日本医師会内に治験促進センターを開設している。
1.治験推進研究事業
  医療上必須又は画期的な医薬品等を国民に速やかに提供するため、複数の医療機関によるネットワークを形成し、治験実施基盤の整備をめざすモデル研究の実施
2.治験推進研究推進事業
  上記事業の実施にあたり、下記の必要な事業の実施
  • 治験促進センターの整備、治験ネットワークの整備
  • 各疾患ネットワークと共同して治験にかかる業務、申請にかかる業務
  • その他必要な関連業務
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    治験薬の選択方法
    治験薬の候補は、日本医学会を通じて各分科会からの推薦を受け、日本医師会治験促進センターが決定する予定で、まず、がん疾患・小児疾患・循環器疾患領域の治験が予定されています。海外で標準的に使用されていながら国内未承認や適応外使用が一般的な医薬品、臨床の現場で少しでも早く適切な利用が可能となるよう強く望まれている医薬品が推薦基準とされています。治験薬決定後、大規模治験ネットワーク参加の医療機関に対して疾患別実施医療機関の施設基準の通知と、当該医薬品の治験参加の意思確認を行い、疾患別ネットワークができるようです。
     
    治験推進事業における大規模治験ネットワークとは
    近年我が国における治験実施件数は減少傾向にあり、その原因の1つに、基盤となる治験実施施設、治験に関わる人材等の不足が上げられる。そのため、治験推進事業において、治験に協力していただける医療機関を広く募集し、治験ネットワークを立ち上げることになり、参加施設に対しては様々な支援を行い、質の高い治験が実施できる体制整備を目指している。
    大規模というのは、将来的に大規模臨床試験ができるような基盤整備をするための、全国規模のネットワークということである。治験実施体制の強化のために、各地で既にネットワークが活動中であるが、これは、症例が集まり意欲のある医師のいる施設を中心に治験審査委員会等を共有して企業主導型治験のコーディネートを行っていると考え、今回の大規模治験ネットワークは、全国から広く実施医療機関を募るもので、既にあるネットワークの活動を妨げるものではなく、各地のネットワークで本ネットワークへの参加という形も考えられる。
     
    発行:国立病院 大阪医療センター 治験管理センター
    作成:堀川 裕子
     


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