センタ−ニュ−ス
治験管理ニュース 第17号
平成16年10月21日

秋もたけなわ、みなさん、秋を満喫しておられますか。
今回のセンターニュースは北村副薬剤科長、西8階石山副看護師長の寄稿、受託研究の9月30日現在での補正実施率、治験コーディネーター養成研修、被験者負担軽減について等掲載しています。どうぞご覧ください!


治験に想うこと
副薬剤科長 北村良雄
 私が治験に直接関わったのは、平成7年4月に当時の大阪病院から国療近畿中央病院へ転勤した時からでした。呼吸器専門病院でしたので、肺ガン化学療法における治験が数多く実施されていましたが、患者同意については当時としては珍しく(?)必ず文書にて行っていましたし、治験薬の管理についても全て薬剤科で行っていました。これは、当時の内科部長が海外の治験にも関わっておられたためで、FDAからの査察にもパスしたくらい整備されていました。平成9年3月省令GCPが施行されると共に、治験が国立病院の政策医療の中に組み込まれ、国内での治験の実施を促進することとなりました。この様な流れの中で、治験事務局ならびに治験審査委員会事務局を担当することとなり、院内の治験実務担当者として院内各部署の調整と、開発メーカーの窓口という役割を背負うこととなりました。当時は、「治験」という言葉が周知されておらず、治験申請書を契約担当官に提出するたび「この忙しい時に・・・」と返ってくる言葉から、関係する職員の中では治験は「余計な仕事」という認識であったように思います。また、厚生省独自の研究費の算定様式や単年度契約に限るなど事務手続きが煩雑で、開発メーカーから幾度と無く問い合わせがありましたが、前例が無いためその返答に苦慮したものでした。この様な中、各施設で起こっている様々な問題を検証するため、楠岡先生の呼びかけで臨床研究部を持つ国立病院7施設が集まり「治験実務担当者の会」がつくられ、定期的に検討会を開催しました。この会のおかげで、各施設で共通の問題が起こっていることが分かり、またその対応策が検討されたため、事務処理に係る時間がかなり縮減できるようになりました。今ではこの様な事務手続き上の問題はほとんど解決され、治験管理センターにおいても治験に協力して頂く患者様の安全を如何に確保するかということを最重要課題として検討されるようになってきたと思います。新薬の開発には関係者の多大な労力と時間が必要ですが、治験を支援する職員の1人として、次の世代に必ず役立つものができるのだと信じて取り組んでいきたいと思います。

9月30日現在の受託研究補正実施率は以下の通りです。7月1日〜9月30日の期間で新しく患者様にご参加いただいた研究あり、終了した研究や新規の受託研究あり・・・。参考にご覧ください。

9月30日付
研究課題数
9月30日付
実施症例数
9月30日付
補正実施率
T相 0件 0例 0%
U相 9件 24例 67.9%
V相 17件 79例 81.9%
市販後臨床試験 12件 141例 96.9%
機器治験 1件 14例 93.3%




平成15年6月のGCP改正に伴い、平成16年7月に「医薬品の臨床試験の実施の基準の運用について」が改訂されました。
これは省令のGCPについて運用の細部を定めたものです。
今回の主な改正点は@医師主導の治験に関する項目の追加、A治験施設支援機関(SMO)に関する項目の追加、B治験審査委員会の成立要件の明確化です。
この改訂に伴い、当院でも受託研究諸規程を改正しています。


日本臨床薬理学会認定CRC
 2年目を迎えた認定制度は、今年の11月に第1回の認定試験が行われ、本格的に始動します。この第1回認定試験に先立ち、昨年に続き今年も過渡的措置で97名のCRCが認定を受け、当院では政道治験主任が認定を受けています。当院では森下治験コーディネーター主任も併せ、2名の認定CRCが誕生しました。

 GCPに基づいた倫理性・科学性が確保された治験の実施に、治験コーディネーターは大きな役割を果たしています。平成10年以降、厚生労働省、文部科学省、日本薬剤師会、日本看護協会等が主催した治験コーディネーター養成研修が行われています。今年は独立行政法人医薬品医療機器総合機構主催の治験コーディネーター養成研修に西8階石山副看護師長、櫻井・中島両治験コーディネーターが参加しています。

治験コーディネーターについて思うこと
西8階副看護師長 石山 薫

 私は、9月に今年度の治験コーディネーター養成研修を受講しました。これまで院内講演等で治験についての話は聞いたことがありましたが、そう身近なものとは感じていませんでした。その私がなぜ治験に関わろうと思ったのか、それは看護師でありCRCである先輩の存在です。
 最初は、CRCの仕事は看護とは遠いものと感じていました。考えようによっては治験に参加してもらうために患者さんを説得する「製薬会社の回し者」みたいなところもあるし・・・(CRCの方々ゴメンナサイ!今はそんなこと思ってもいませんのでお許しを)。そんな考えを払拭してくれたのが、先輩の話の中から垣間見える、CRCとして患者さんを支援する役割です。治験に参加される患者さんは、自らの意思もあれば医師に勧められるままにという方もいます。しかし、全ての方にきちんと良いことも有害なことも隠さずに情報を提供し、理解された上で選択ができるように支援することが重要です。このインフォームドコンセントは、何も治験だけに関わらず、医療全体に必要なことですが、治験においては法律の規定として明確にされています。なんとなくオブラートに包んでという日本の文化特有の「配慮」や、全てを言わなくても「察する」という概念では通じません。かといって事務的に書類を読み上げてサインをしてもらうわけではありません。そこに、これまでの看護師の経験を生かし、患者さんに安心してもらえ安全に治験が進められるようにするのが、CRCの役割だと思うのです。
 そのために、治験に関することを研修で学んできましたが、初めて聞くことが多く、とても1週間の研修で身につくものではありません。まだ3週間の実習も残っていますが、自己研鑽を積んで先輩のようにCRCとしての役割が果たせるようになりたいと思います。

 独立行政法人医薬品医療機器総合機構主催の治験コーディネーター養成研修は当院でも実習を受け入れており、早速10月12日から研修生が実習に来ています。研修生は治験コーディネーターと行動を共にします。関係部署の皆様、どうぞよろしくお願い致します。

*独立行政法人医薬品医療機器総合機構 (総合機構) とは・・
  平成16年4月1日にこれまでの医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(医薬品機構)と国立医薬品食品衛生研究所の医薬品医療機器審査センター及び財団法人医療機器センターの一部が統合され設立されました。この総合機構は新医薬品の審査を行い、その結果を厚生労働省に提出しています。その他に国内で実施を計画している治験の相談業務、新医薬品に関する情報の提供を行っています。
 厚生労働省主催の治験コーディネーター養成研修も平成13年度から総合機構の前身である医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構が引き継いで主催するようになっています。




 治験に参加すると、治験薬の有効性・安全性の観察のため、より多くの来院・検査が必要となり、被験者にとって時間的な拘束、交通費の負担増等の様々な負担が発生します。
 このような負担に対しては被験者負担軽減費として、治験のための外来受診1回につき、7000円をお支払いしています。治験のための入院については、1回の入院につき、7000円をお支払いしています。(注;入院1日につきではありません。)
 こうした負担軽減のあり方は平成11年の「治験を円滑に推進するための検討会」の『治験審査委員会の承認を得た上で、社会的常識の範囲内で適切な金銭の支払いが考慮されることが適当である』との見解を受け、国立病院、国立療養所及び国立高度専門医療センターの受託研究の算定(当時)で取り決められたものです。(市販後臨床試験は原則として対象外になります。)
 この被験者負担軽減費の支払いについては、文書により患者様に説明し、ご同意を得て実施しています。

治験管理センターニューフェース
 9月1日付けで治験管理センター事務主任に配置換になりました。今までの職場と少し違うので戸惑っておりますが、一日も早く慣れるよう頑張っています。よろしくお願いします。
 はじめまして。平成16年8月より、治験コーディネーターとして大阪医療センターに戻ってきました。コーディネーターとして歩み出したばかりですが、早く一人前になれるようにがんばっていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。

 
発行:独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター
    治験管理センター



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