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治験管理ニュース 第22号
平成18年4月26日
 春たけなわ新年度がスタートしました。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今回は山田看護部長の寄稿、特集として機構本部治験推進室の和泉室長に平成17年度の機構本部の取り組みについて聞きました。また、平成17年度受託研究実施率についても掲載しています。どうぞご覧下さい。

CRCの専門性と横断的活動への期待
看護部長 山田 泰子
 新GCPとなり日本の新薬開発は従来に比して速くなったものの、諸外国において決して満足できるものではなく、倫理委員会では未承認薬の使用に関する申し出が後を絶たないのが現状である。そのためにも、治験等の受託研究を推進していくことが重要であり、国立病院機構の4本柱の一つである臨床研究に位置づけされている。当院は、その中でも確実な実績を持ち、常にリーダーとしての役割を担ってきた。その結果、昨年から看護職のCRCを3人配置とし、副看護師長ポストの処遇ができることとなった。しかし、昨年は、森下CRCの国立病院機構本部への異動やCRC養成研修終了者不在等の問題から充足できていなかったが、この4月から副看護師長ポストで3名のCRCを配置できた。ますます受託研究推進に活躍していただくものと期待している。
 CRCで活躍する職種は、薬剤師、看護師だけでなく、最近は臨床検査技師の方も増えてきている。受託研究の内容により十分な説明や疑問点の解決等、患者が納得して参加できるように、それぞれの専門性を生かした活動が不可欠であり、様々な職種のCRCの存在の意義であると考える。
 また、計画通り治験が終了するには、CRCだけでなく患者とかかわるすべての職員が、治験について正しい認識を持ち、患者の声に耳を傾け対応できなければ達成できない。特に、患者の最も近くにいる現場の看護師の関わりは重要である。CRCには積極的に病棟や外来に出向き、患者が不安なく治験に参加できるように支援し、啓発活動を強化していただきたいと思う。
 そして、CRCを目指す人材育成につなげていきたい。

〔特集〕機構本部治験推進室長へのインタビュー・・・・・・・・・・・・・・・ P2
機構本部一括契約と当院の経費算定の相違について・・・・・・・・・・ P3
平成17年度治験管理センター活動報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P4

 
 機構本部に「治験推進室」があるのをご存知でしょうか?全国の国立病院機構で効率よく質の高い治験等受託研究の実施を推進することを目的に、平成16年4月に国立病院機構本部医療部に「中央治験支援室」が設置されました。その後平成17年4月より医療部研究課「治験推進室」と改名しています。その活動は多岐にわたり、特にこれまで「遅い」「高い」「質が悪い」といわれてきた日本の治験を改善するために様々なサービスを提供しています。今回、この「治験推進室」の和泉啓司郎室長に、昨年度の機構本部の治験への取り組みについてたずねました.(平成18年3月13日)

Q1.治験推進室の業務、役割を教えてください。
和泉室長: 治験を推進するために大規模かつ多様な病院ネットワークを活用して、依頼者のニーズに対応したサービスを提供するとともに、各病院と依頼者との調整業務、治験実施病院への支援業務を行っております。また、職員に対しての治験研修会を実施して、治験担当者の教育研修も行っております。

Q2. 大規模な病院ネットワークを活用し、迅速で質の高い症例を提供し、治験を積極的に実施していますが、本年度、国立病院機構本部に依頼者から打診があった治験の件数はどのくらいですか?そのうち、契約に至った件数はどのくらいありましたか?
和泉室長: 依頼治験プロトコル数は33件、そのうち契約に至ったプロトコル数は24件、現在選定中(調査中)が9件です。選定結果についてはHOSPネットの掲示板に公開しています。

Q3. 治験推進室では、様々な研修・教育を実施してますが、本年度特に力をいれて取り組んだ教育、研修はどういった内容ですか?
和泉室長: 今年度は初心者用の治験研修会、医療機器対象治験研修会(循環器領域、感覚器領域(眼科))、医師対象研修会(10回)、アドバンスド研修会の4つの研修会を行いました。特に医療機器対象研修会、アドバンスド研修会(CRCの経験が3年以上の方を対象)及び医師対象研修会を重点的に行い、参加者からも良い評価を得ております。今後も様々な研修会を開催し、治験の推進に少しでも貢献できればと考えております。

Q4. 次年度の課題や、特に取り組みたいと考えていることがあれば聞かせてください。
和泉室長: より治験を円滑に推進するために、省令の改正を踏まえて共同IRB等を設置して治験の質を確保しつつ、スピードアップを図かるとともに、事務処理の合理化、各施設の進捗状況を把握してきめ細かい対応をしていきたいと考えております。また、特に医師についての研修会は今後も実施していきたいと思っております。

 皆様いかがでしょう。機構本部「治験推進室」の取り組みが少しはご理解いただけましたか?
 またこのような機会を設け、機構本部の治験推進への活動を掲載したいと思います。
   和泉室長、お忙しい中、協力ありがとうございました。





 臨床研究費はポイント数×6,000円×症例数で算出します。本部一括契約による治験の費用算定は臨床研究費をベースに算定され、CRCの人件費として@の50%、施設管理費として@の50%が当てられます。また@の20%が治験管理経費とされ、治験薬管理経費、IRB事務費、事務費用に当てられます。そのため実施症例数が0の場合、経費として入るのは初期費用の10万円のみということになります。当院の費用算定では臨床研究費+治験薬管理費(ポイント数×1,000円×症例数)の30%が人件費、そして謝金、旅費、臨床研究費、治験薬管理費、人件費の合計の10%が管理費となっています。旅費に対する規定がないため、旅費次第で治験の費用が大きく変わります。症例数が0の場合でも、B+Dの30%、C+Eの50%は経費が入ります。

 ★当院と本部一括契約の臨床研究費の経費算定の比較
   8例契約で6例実施した場合の臨床研究費の算定

 ▽ 第1、第2、第3四半期に2例ずつ組み入れた場合(図1)  ▽ 第3、第4四半期に3例ずつ組み入れた場合(図2)

四半期ごとの目標実施症例数は2例であり、第3四半期までコンスタントに2例ずつ組み入れた場合、第4四半期のみ実施率が6/8例=75%となり、最終的に第4四半期の25%分(着手金を除く70%分を100%として)の経費が入らないことになります。(図1)
また図2の場合、第3四半期までの目標実施症例数は6例で、3例実施で第3四半期の実施率は50%となります。前四半期の実施率との差をさかのぼって算定できるため、この第3四半期に第2四半期の 部分=50%についても算定ができます。(修正実施率)
次の第4四半期では目標実施症例数8例、トータル6例実施で第4四半期の実施率は75%となり、前四半期との差 部分=25%をさかのぼって算定できます。同じ実施率であっても症例の組み入れが遅れると、本来算定できるはずの金額が算定できなくなるため、早い時期のエントリーが望まれます。

 本部一括契約の場合、症例の組み入れ時期に関係なく実施症例数に応じた経費が入ります。しかし、実施率が低ければ臨床研究費がおさえられ、その他の経費についても臨床研究費をベースに算定されるため、極端に経費が少なくなります。
契約例数の100%実施は当然のことですが、特に本部一括契約の場合は、実施率に注意してください。

実施率による臨床研究費の算定
*実施率100%で200万円の臨床研究費が入るとすると・・・・

実施率 0% 25% 50% 75% 100%
当 院 60万 95万 130万 165万 200万
本部一括契約 0 50万 100万 150万 200万



 

発行:独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター
    治験管理センター


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