第5号 平成21年5月19日


■ p2 特集〜活動報告
■ p3 臨床研究推進室のご紹介
トピックス
〜IRBの情報公開について
■ p4 治験のABC
今年度セミナーの予定
第2 IRB日程の予定
院内治験担当者会議の報告
治験Quiz


 今年度最初の臨床研究推進室Newsをお届けします。4月に当院に着任し、初めてご覧になる方もいらっしゃるかと思います。このニュースでは治験や臨床研究の最新情報や当院での取り組みなどを紹介しています。どうぞよろしくお願いします。本号では、1面に徳永副院長・看護部長からの寄稿を掲載しています。また、年度初めということもあり、昨年度の実績や今年度の予定を掲載しております。
どうぞご覧下さい。


副院長・看護部長  徳永 尚美
 国立病院機構の役割の一つに「政策医療ネットワークを活用して、EBM推進の基礎となる医療の科学的根拠を構築し、我が国の医療の向上に資するため情報発信すること」が掲げられ、治験を含め積極的に臨床研究が進められています。当大阪医療センターにおいても2008年4月より臨床研究部から 臨床研究センターに格上げとなり、CRC8名が、患者に寄り添い、質の高い治験実施にむけサポートしています。特筆すべきは、全国でも初めてCRCの内1名が看護師長でついたことです。医療の進歩は本当にめざましいものがあります。私が看護師として就職した数十年前には考えられなかったことが現在では一般診療で行われております。現在、治療困難だったりする病気も、将来においては新しい治療法や、薬が開発されているかもわかりません。身近な例では、男女の性差を踏まえた治療の研究もなされています。これは一重に、治験に協力していただいた多くの患者さんのお陰だと思います。時には、治験に協力していただいても期待する効果が現れなかった患者さんや、途中で治験に参加できなくなった患者さんを目にすることもあります。一方、時間に追われる採血等のわずらわしさに悲鳴をあげる現場の声をきくこともあります。しかし、この治験の成果が新しい治療法の開発や、新薬の開発に繋がっていることを実感しています。それだけに、患者さんの期待や、不安に寄り添いつつ、倫理的、科学的に治験が正しく実施されているかサポートするCRCの役割は大きなものがあると期待しています。移植コーディネーターやCRC等、看護職に求められる役割が拡大している中、CRCの役割についてはPRが不足しているのか、新しいCRCの誕生が少ないのが管理者としての悩みです。治験の重要性を理解し、医学の発展に寄与するという使命感や、情熱のあるCRCを育てることが管理者としての課題でもあると思い、ペンをとりました。皆さん、一緒にがんばりましょう。

治験実績CRC年間活動(延べ件数)


18年度 19年度 20年度



治験   (件)
(医師主導は除く)
39 53 53
製造販売後臨床試験(件) 12 9 9
 計       (件) 51 62 62


契約症例数  (例) 360 479 473
実施症例数  (例) 305 296 316
補正実施率  (%) 78.4 77.6 82.3





被験者延べ対応数(件) 1852 2866 4349
インフォームド・コンセント(件) 126 156 162
有害事象の対応(件) 31 22 57
電話相談   (件) 185 239 283


調
他部門との調整(件) 7 13 63
スタートアップミーティング(件) 22 38 24
薬剤科説明会(件) 10 22 9




ヒアリング  (件) 64 50 32
モニタリング (件) 314 329 533
監査     (件) 6 2 3
実地調査   (件) 0 1 0
依頼者の来訪 (件) 843 1255 1050




 平成20年度の契約件数は治験の数が53件、製造販売後臨床試験は9件、W相やその他受託研究を合わせると総件数は183件でした。契約額は約2億4800万円、請求金額は約2億1000万円となり、過去最高の約2憶4000万円の請求金額だった平成19年度と比べるとやや減少しましたが、国立病院機構145施設中では3位の成績となっています。
 治験と製造販売後臨床試験の数は昨年度と変わっていませんが、週3回の注射来院が規定されている治験があったり、契約症例数を追加していることから、被験者の延べ対応数は大きく増えています。治験を多く実施している科は外科(がん領域)、消化器科(C型肝炎)、循環器科(心房細動)であり、ここ数年変わらない傾向です。
また、入院が必須の治験や有害事象による入院が増えていることから、病棟との連携の機会も増えています。また、特に国際共同治験において、検体の処理方法や外部測定機関への検体送付の手順が複雑になってきており、臨床検査科や放射線科との打ち合わせの機会も多くなってきました。
CRCはさまざまな部門の方と連携をとり、さらに質の高い治験を円滑に実施するための支援を行っていきますので、どんなささいなことでも結構ですので、分からないこと、知りたいことがあればお気軽にたずねてください。


臨床研究推進室のご紹介
臨床研究推進室では治験等の臨床研究が円滑に実施できるよう支援しています。 CRCは8名です。被験者が治験に参加する際、適格性の確認や同意説明の補助を行います。治験参加中は被験者の診察に立ち合い、症状の確認を行ったり、治験で規定されているスケジュール管理を行い、被験者が安心して参加できるよう援助しています。また、質の高いデータを提供するため、治験依頼者のカルテ閲覧時の問い合わせにも対応します。 事務員は6名です。治験で必要な書類の作成・管理や研究費の管理を行っています。


治験審査委員会の情報公開について   
「GCPの一部を改正する省令」(平成20年厚生労働省令第24号)により、治験審査委員会の設置者は、治験審査委員会の会議の記録及びその概要を作成し、治験審査委員会の手順書、委員名簿とともに「会議の記録の概要」を公表することになりました。また、「会議の記録の概要」の作成及び公表に当たり留意すべき事項について、「GCPの運用について」(平成20年10月1日付け、厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)において示され、治験審査委員会の設置者は、第28条<第2項>の6および第28条<第3項>の5を踏まえて会議の記録の概要を作成することになりました。

<第28条<第2項>の6>
(1)「会議の記録の概要」には、開催日時、開催場所、出席委員名、議題及び審議結果を含む主な議論の概要が含まれること。
(2)上記(1)の議題には、成分記号(一般名が付されている場合にはその名称を含む)、治験依頼者名又は自ら治験を実施する者の氏名、開発の相及び対象疾患名(第V相試験に限る)が含まれること。 なお、議題の例としては、「○○○株式会社の依頼による肺がん患者を対象としたABC-123(一般名)の第V相試験」などが考えられること。
(3)上記(1)の審議結果を含む主な議論の概要については、単に審議結果のみを記載するのではなく、質疑、応答などの主な内容を簡潔に記載すること。なお、特に議論がなかった場合には、審議結果のみ記載することで差し支えないこと。

<第28条<第3項>の5>
治験審査委員会の設置者は、治験依頼者又は自ら治験を実施する者(以下「治験依頼者等」という)より、上記<第2項>6の会議の記録の概要に治験依頼者等の知的財産権を侵害する内容が含まれていないか事前に確認したい旨の求めがあった場合には、求めに応じるとともに、必要があればマスキングなどの措置を講じた上で公表すること。
当院においても、平成21年4月開催の委員会の会議録からホームページ上で公表しています。議題名は、治験依頼者に事前に了承を得た名称で掲載しています。

 治験の依頼を受けた病院が、治験を実施するにあたりその治験に参加する人の人権、安全、福祉が守られているか、治験実施計画が適正かどうか、また、治験が始まった後は、治験が計画どおりに正しく行われているかどうかを審査するための組織です。当院では受託研究審査委員会という名称で、月に2回開催しています。第2木曜日には治験等の受託研究の審議を、第4火曜日には自主研究の審議を行います。
 委員は病院の職員だけではなく、病院とは利害関係のない人も構成要件となっており、当院でも院外の人は2つの委員会で合わせて6名にお願いしています。また、病院内でも医学の専門家(医師、薬剤師、看護師など)だけでなく、専門外(事務)の人からも選出され、あらゆる側面から審議されるようになっています。専門外や病院外の委員は、被験者の視点で審議します。例えば、同意説明文書について、専門用語で分かりにくい箇所をやわらかい表現にしたり、治験に参加することのメリット(新薬を使う機会が得られる)だけでなくデメリット(予想される副作用、検査や診察のための来院が増えること)もきちんと説明されているか、などについて鋭い意見を下さっています。


今年度のセミナーの予定
●臨床研究セミナー:第3回目 5/27(水)、第4回目 6/15(月)
           いずれも18:00〜19:30 災害医療棟2階研修室

「臨床研究に関する倫理指針」が改正され4/1に施行されたことをふまえ、是恒臨床研究センター長が「臨床研究に関する倫理指針の改正〜全ての研究者が知っておくこと〜」というテーマで講義をしています。今年3/13に第1回目、4/27に第2回目を開催しました。引き続き同じテーマで開催予定です。指針では、研究者は今回のセミナーのような講習を受けることが求められています。臨床研究を実施する、あるいは実施する予定のある先生方やコメディカルの方は必ず1回は出席をお願いします。
●治験セミナー:第2回目 7/1(水)18:00〜19:30 災害医療棟2階研修室
年3回実施しており、5/11に第1回目を開催しました。治験の責任医師・分担医師は受講が必須となっており、3年間有効の修了証を発行しています。3年間受講のない先生や新しく赴任した先生でこれまでに未受講の方は7/1(水)に出席をお願いします


H21年度 第2 IRB 開催日程
開催予定日
第4火曜日
申請締切日
5/26(火) 4/29(水)
6/23(火) 5/27(水)
7/28(火) 6/24(水)
8/25(火) 7/29(水)
9/29(火) 8/26(水)
10/27(火) 9/30(水)
11/24(火) 10/28(水)
12/22(火) 11/25(水)
1/26(火) 12/23(水)
2/23(火) 1/27(水)
3/23(火) 2/24(水)

院内治験担当者会議の報告
 この会議は、当室の運営状況や治験の実施状況について年1回開催し報告を行っており、各診療科の治験責任医師を初めとして、看護部、薬剤科、検査科、放射線科、事務部の代表が出席しています。今年は5/8(金)に開催し、7名の出席がありました。日頃治験の実施に協力いただいている部門への研究協力費についても、この場でお知らせしています。



治験Quiz??〜今年も続けます
IRBで審議するもののうち1つだけ違うものは、@〜Cのうちどれでしょうか。
@ 治験の計画内容
A 担当する医師の治験経験
B 個々の被験者の報告書の内容
C 被験者に渡す同意説明文書の内容
編集後記
さわやかな新緑の季節真っ只中ですね。でも巷では新型インフルエンザが流行し始めました。皆様どうぞお気を付け下さい。次号は7月にお会いしましょう。

治験Quiz解答:B


発行:独立行政法人 国立病院機構
大阪医療センター臨床研究センター臨床研究推進室




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