第14号(No.43) 平成23年9月30日




  今年度2回目の臨床研究推進室Newsです。1面には、山内副薬剤科長から治験業務経験者としての立場からの寄稿です。4面には新メンバーからの挨拶も掲載しております。どうぞご覧下さい。  
p2 知ってる?!治験のこと:治験特有の検査オーダーについて
p3 速報:ポスター演題の受賞の報告
近畿ブロック治験実務担当者会議の報告
実習生受け入れのお知らせ
p4 セミナーのお知らせ/人事異動


恩 返 し

副薬剤科長  山内 一恭
 平成12年10月、近畿中央病院の治験主任であった私と京都病院の土井薬剤師(現当院治験主任)は、日本薬剤師研究センター治験コーディネータ養成研修を当院の治験管理センター(現臨床研究推進室)で3週間に亘り受講した。そのあとの各種会議や研修会などで、臨床研究推進室のお世話になった。6年間、治験主任を務められたのも治験管理センター各位のお力添えがあってのことと思っている。
 時を経て平成20年4月、当院副薬剤科長の職を拝命した。受託研究審査委員会第2委員会の副委員長を仰せつかっていることもあり、臨床研究推進室の歓迎会に招いて頂いた。その席で「長年、臨床研究推進室のお世話になったので、少しでも恩返しがしたい。」と言ったことを記憶している。
 臨床研究推進室専従の薬剤師業務は、多忙を極めている。少なくとも治験薬管理については、薬剤科で全うさせる必要があると認識しており、それが負担軽減につながるものと思うが、多分それだけでは不十分であると感じている。
 現在、近畿ブロックには、施設を問わず「治験業務に就きたい」という薬剤師は少ない。後継者が育ってこないという点は、初代の治験主任としても責任を痛感しているところである。
 多くの施設では、治験管理部門は、薬剤科と別組織であり、そこに勤務する薬剤師の業務内容は、見えにくく、「治験=煩雑・面倒・難しい」というイメージかと思う。
 確かにGCP、各種手順書、複雑なプロトコールを理解し、また被験者へのIC補助、ケア、CRFの記載は、煩雑で面倒である。しかし、本来の薬剤師業務においても法的な規制の差はあるものの、薬事委員会既定の下、委員会を運営し、会計規則に則った薬品管理により、必要書類を作成保管し、薬剤管理指導で入院患者の服薬指導や情報提供を行なっている。また、薬剤師主導の臨床研究も実施している。薬剤師業務を的確に行える者は、治験業務を行う礎は、出来ていると思われる。
 近年、がん専門薬剤師等々、スペシャリストを目指す薬剤師は多いが、重要なのが初期のジェネラル教育である。近年度以降の教育システムを検討する上で、治験薬剤師の業務をより見えやすくし、また治験業務へのハードルを下げるためにも、ジェネラルな現任教育に治験業務を組み込めないかと推敲しているところである。
 一人でも多くの薬剤師が、「治験業務に就きたい」と思い、また後継者の裾野が広がったときこそ、「少し恩返しが出来たのではないか」と思う。



 治験中には治験課題により、様々な検査が実施されます。通常診療と同じ検査で良いものもありますが、中には治験特有の検査オーダーが必要となるものもあるのをご存知ですか?今回はその一例をご紹介します。

 【採血・採尿検査】

 各施設で採取された検体は、測定値のバラつきをなくすため中央測定に機関収集され、一括測定されることがあります。 通常とは異なる検査キットを使用するため、「治験用」の採血・採尿であることがわかるように、「治験採血あり」・「治験採尿あり」のオーダーが必要です。

 【CT・MRI検査】

 画像検査が必要な治験の場合、撮影した画像データを中央判定機関等に提出することがあります。画像データは個人情報を匿名化し、CD-Rに入れて提出したり、Web上でデータ送信したりしています。放射線診断科でCD-R焼きが必要であることがわかるように、検査オーダー時のフリーコメントに「○○治験のため、CD-R焼きをお願いします。」と入力します。

 【心電図検査】

 通常の心電計ではなく、治験依頼者から貸与された心電計を使用する場合があります。「治験用」の心電計を使用することがわかるように「心電図(治験専用機)」のオーダーが必要です。
また、治験課題毎に使用する心電計が異なりますので、該当治験課題を選択します。



 平成23年9月24、25日に「第11回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011in岡山」が開催され、ポスター演題全195題の中、当室からの「適切な原資料作成のための工夫−有害事象シートの活用−」(発表者:石山薫)が優秀演題賞を受賞しました!!(投票により最優秀演題賞1題、優秀演題賞2題が選ばれました。)
 近年、国際共同治験が増加し、海外からの監査を受けた際に、原資料の信頼性基準が厳しく求められます。他施設でもこの点に苦労しており、演題発表、シンポジウムでも品質管理についてのテーマが多く取り上げられていました。



閉会式では表彰式が行われ、会議代表より表彰状が授与されました。

 なお、ポスター演題内容については、
 次号の臨床研究推進室NEWSで詳しくご紹介します!




 平成23年7月22日(金)に、「平成23年度第1回近畿ブロック内治験実務担当者会議」を開催し、近畿ブロック内の機構施設12施設と国立循環器病研究センターから、計22名の出席がありました。今回は、@「機構内医師主導治験実施に向けての準備」、A「自然災害時の対応について」をテーマとしました。
 テーマ@では、昨年度より国立病院機構内8施設で実施している医師主導治験の調整事務局を担う宇多野病院から、国立病院機構内で行う医師主導治験の準備から実施までの取り組み内容に関する講演と、それに対する質疑応答を行いました。当院でも機構内医師主導治験実施の予定があるため、今後に向けて参考となりました。
 テーマAでは、3月11日に発生した東日本大震災による各施設での治験への影響について、情報交換を行いました。近畿ブロック内では、治験薬の施設への搬入遅れや、治験依頼者モニターの自宅待機による施設訪問キャンセル等はありましたが、被験者の被災や治験実施上の大きな問題はなかったことがわかりました。
 当院では毎年、CRCの養成研修等で実施される施設実習の実習生を受け入れています。9月には国立機構本部主催の初任者CRC養成研修の実習生(1週間)とNPO法人大阪共同治験ネットワークからCRCとして派遣される予定の実習生(2週間)を受け入れました。
 今後CRCの業務に就く予定ということで実習を行っていますが、元々は医療職の経験があります。診察前後に被験者さんの対応をする場面や、医師の診察に同席する場面の見学の後には、多くの質問を受けます。
 実習生の受け入れに際しては、患者様や医師をはじめとする院内関連部署の職員の方々に多くの協力をお願いしています。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
 10月にも、機構本部主催の初任者CRC養成研修の実習生を1週間受け入れる予定です。
 よろしくお願いいたします。





 
臨床研究セミナー(第3回目):10/3(月) 18:00〜19:30 災害医療棟2階 研修室
 臨床研究の倫理指針と利益相反についての講義です。臨床研究を行う方は、職種を問わずぜひ受講してください
治験セミナー(第3回目):10/14(金) 18:00〜19:30 災害医療棟2階 視聴覚室
 治験責任医師・分担医師を担う方は受講が必須です。受講証の有効期間は3年間です。更新が必要な方、未受講の方は今年度、最後のセミナーとなりますので、受講をお願いします。医師以外の方々の受講も可能です。

看護師向け治験セミナー:11/1(火) 災害医療棟2階 研修室
 被験者に直接かかわる機会の多い看護師を対象に、主に抗がん剤治験の特徴と抗がん剤投与の基本について講義をします。多くの方の出席をお願いします。



辻本 有希恵(CRC)
8月1日付で臨床研究推進室の一員となりました、看護師の辻本有希恵です。7月末までは東6階(整形外科)病棟で6年4か月働いておりました。整形外科病棟勤務の経験しかなく、治験やCRCについて何もわからない状態での異動で不安いっぱいの出発でしたが、CRCの先輩方から手取り足取り指導をもらい毎日学ばせて頂いております。今までの病棟勤務とは全く異なる業務内容で戸惑うことばかりですが、先輩方のように明るく楽しく働けるように頑張りたいと思います。今は研修中ですが、被験者さんとじっくり向き合えるCRCを目指したいと思います。まだまだ慣れないことが多く大変ご迷惑をおかけすると思いますが、これからご指導の程よろしくお願いいたします。
山下 美由貴(事務員)
9月20日付で入職いたしました山下美由貴です。前職で市販後調査の入力に携わる機会があり、医薬品について関心がありました。このたび臨床研究に携わる機会に恵まれ嬉しく思うのと同時に、初めてのことも多々ありご迷惑をかけることもあると思いますが、早く慣れて皆さんのお役に立てるよう精一杯努めていきますので、今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします。
退職のご挨拶
樋口 早映子(CRC)
7月31日付で退職することになりました樋口早映子です。平成22年1月から治験業務に携わらせていただきましたが、毎日が驚きと戸惑いの連続であっという間の1年7か月でした。臨床研究推進室をはじめ、治験に関わる職員の皆様には大変お世話になりました。短い間でしたが、本当にありがとうございました。
林 悦子(事務員)
8月31日付で退職しました。



編集後記
 ようやく暑さがやわらぎ、秋の気配を感じるようになりました。夏の疲れで体調を崩されてはいないでしょうか。これからは行楽に勉学にとよい季節になります。気分転換をしながら、さらに業務に励んでいきたいと思います。当ニュースに対するご意見・ご要望や感想がありましたら、是非当室までお知らせください。


発行:独立行政法人 国立病院機構  大阪医療センター 臨床研究推進室




臨床研究センター 臨床研究推進室 トップページへ 臨床研究推進室News目次ページへ