第15号(No.44) 平成23年12月22日




 今年度3回目の臨床研究推進室Newsをお届けします。今回は、医療技術部放射線科 岩井康典照射主任にご寄稿いただきました。
p2〜3 平成23年度学会報告
p3 EFPIA意見交換会
p4 電子カルテシステムへの移行にあたって
新メンバー紹介

治験と言えば…

医療技術部 放射線科
照射主任 岩井 康典
 治験という言葉の意味を知っていらっしゃる方が治験と聞けば、薬と薬剤師もしくは医療としてとらえられれば、一番接点のある医師ならびに看護師を連想されると思います。私たち放射線科、まして診療放射線技師としてどうして関係があるのか?と考える方が多いと思います。私たちの仕事の主な仕事の1つとして、体の情報を画像にして提供することであり治験に関してデバイスの1つとして利用されています。要するに治験薬の効果判定等のために画像評価が用いられています。画像評価といっても色々な方法(モダリティ)があり、その中でもCT(Computed Tomography)がもっとも多く利用されています。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、近年の放射線関連医療機器の進歩はめざましく、その中でもCTはその筆頭にあがるくらいです。複雑な撮影方法が今まで以上に簡単にできるようになり、その上国際共同治験や複雑な治験の増加により撮影方法がより複雑になってきています。また、複数人で撮影を分担して行うので統一した撮影方法を徹底させることが難しく、患者さまの体調が変化しても常に均一な画質および統一した画像提供をおこなうことに苦労しています。
 また、治験の意義・効用の知識がほとんど皆無、スタートアップミーティングに参加しても撮影方法と評価対象となる画像作成方法については詳しく説明を受けたり、求められたりするのですが、どのような薬で何に効いているのか?また、使用対象はどのような状態の患者なのか等の核心にふれる情報がほとんど得られていない状態(積極的に知る必要もないと考えている部分が大きい?)であり、積極的な情報の入手と関心を持つことが必要であると痛感しています。そのためにはチームに参加といかないまでも理解して協力を行い、その上でもっと効率的・効果的な貢献ができるよう考えていきたいと思います。
 最近では、追跡のために定期的に撮影を実施することで患者さんとは自然と顔見知りになり、人によっては世間話を交えた会話も弾み、その端々から現在の体調・精神状態に触れることが多くなり、医療の質・意義を考えさせられることが多くなりました。私にしてみれば写真を通して人を診るではなく、一人の人間として人に触れているようで新しい発見をしています。
 最後になりますが、他の一般診療の患者さまと同様の扱いで撮影業務支障を来さないように配慮したスケジューリングには、主治医の先生方ならびにCRCのスタッフの皆様方に感謝しています。今後ともよろしくお願いします。(心のつぶやき…この場を借りてのお願いですが、撮影依頼の内容に必ず何治験なのか?もう少し記載をしていただきたいと思います。)



今年度も学会で演題発表を行いました。3演題の発表内容をご紹介します。
第11回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011in岡山
2011年9月24〜25日 岡山コンベンションセンター(岡山県岡山市)発表者:石山薫
「適切な原資料作成のための工夫〜有害事象シートの活用〜
治験期間中の有害事象(AE)の発現状況を記録できるシート(図1)を作成、使用し、このシートが記録の信頼性基準を満たしているか評価しました。近年、国際共同治験が増加し、海外からの監査を付けることも増え、原資料の信頼性が厳しく求められています。信頼性基準は、@正確に記録されているか、A読み易いか、B記録すべきことが生じた時点で記録されているか、C原本であるか、Dだれがいつ記録したかがわかるか、Eもれなく記録しているか、F他の資料と矛盾がないか、G記憶媒体は耐久性・普遍性があるか、H必要な時に迅速に取り出せるか、の9項目です。AEシートは、概ね基準を満たしていましたが、@とFでカルテ記録との整合性が取れていないことがありました。被験者にかかわる様々な職種が記録した全ての情報から、治験に必要な情報を集め、それを治験責任医師・分担医師がどう判断したか、という記録を残すことが治験では求められます。信頼性の高い記録となるように今後も検討していきたいと思っています。






第32回 日本臨床薬理学会年会
2011年12月1〜3日 アクトシティ浜松(静岡県浜松市)発表者:北川智子
「治験を効率的に進めるために考えられること
−2010年度「国立病院機構近畿ブロック内治験実務担当者会議・EFPIA臨床部会意見交換会」から−」

 当院も参加している「国立病院機構近畿ブロック内治験実務担当者会議」と「欧州製薬団体連合会(EFPIA)臨床部会」では、臨床試験の推進を図るため、2005年度より年1回ワークショップを開催しています。2010年度は2011年3月に開催し、「治験の効率化」をテーマとしたグループワークを行いました。治験を効率的に進めるにあたり問題となっていること、その問題点に対する対策について、「医療機関が対応すべき内容」、「依頼者が対応すべき内容」、「医療機関・依頼者双方が対応すべき内容」の3つに分類した結果、治験の効率化のためにはそれぞれに対し、上図のような事項が求められていることがわかりました。
 治験を効率的に進める為には医療機関と依頼者双方が問題点を共有しながらその対策に向けて積極的に取り組んでいくことが必要です。当院でもワークショップ開催以降、対応が不十分であった事項への取り組みを開始し、より効率的な治験の実施を目指しています。



第65回 国立病院総合医学会
2011年10月7〜8日 岡山コンベンションセンター(岡山県岡山市)発表者:木島かおり
「当院における臨床研究推進室ニュースの認知度調査」
平成11年度から年4回発行している臨床研究推進室ニュースについて、昨年12月に認知度調査をしました。1079名の職員の皆様に質問紙調査をお願いし、656名から回答をいただきました(回収率60.8%)。
以下に結果の一部をご報告します。



 平成23年11月5日(土) 13:30〜17:30  宝塚大学 大阪梅田キャンパス 7階会議室

 今年度はEFPIAより16名、国立病院機構近畿ブロック治験実務担当者会議より21名(9施設)の参加がありました。
 昨年度の本会で「治験の効率化」に伴う問題点の洗い出しをしたことを受け、今年度はその後の取り組みを中心にEFPIAより「原資料の残し方(ALCOA)」について、医療機関からは「被験者の集積性の取り組み」についてCRC、事務局各々の立場からの発表がありました。また、治験適正化作業班より「治験プロセスにおける効率化について」情報提供がありました。これらのことを受け「ALCOAの問題事例及び運用事例について」「治験プロセスにおける効率化」についてグループワークをし、今後の取り組みについて話し合いました。
 グループワークでは、日々業務をする中での疑問点、問題点を出すことで双方の情報交換ができ、より現実的な取り組み内容がピックアップできました。やはり情報交換することでお互いの考え方がわかる機会となり年1階の開催ですが大変有意義なワークショップとなりました。
 来年度も引き続き開催する予定にしています。
*EFPIA(European Federation Pharmaceutical Industries and Association)とは、欧州に本社を有する、研究開発型製薬企業を代表する団体で、1978年に設立され、欧州各国の製薬業界団体18団体と医薬品の研究開発・製造に携わる44社から構成されています。



電子カルテが新システムに移行する際に、治験に関与する変更があります。
1.治験アイコンが変わります。
 現在治験にご参加いただいている患者さまのカルテの氏名の右側に表示されていた水色のカプセルのアイコンが変更になります。
 
2.掲示板の表示内容を確認してください
現在掲示板に、その方が参加されている治験に関して以下の情報が記載されています。
・治験課題名
・併用禁止薬があることへの注意の促し
・治験責任医師名、担当CRC名
・入院した際に必要な治験依頼者(製薬会社)への連絡方法
 (祝休日などCRCが不在中は、医師が直接連絡する必要があります)
記載内容は、現行と変わりませんが、新システムでは掲示板は常時起動しません
治験参加中の患者さまの掲示板を常時起動できるよう、CRCで設定しますが、その設定は他のスタッフが外すことも可能なため、必ず起動するとは限りません。
1.の治験アイコンがある場合は、必ず掲示板を参照するようにしてください。
 *特に夜間・祝休日(年末年始も)の緊急入院時は要注意です!
 *年末年始は、例年通り、事務当直と二次救急外来に、治験参加中の患者一覧や
  併用禁止薬のリストが入ったファイルを設置しますので、診療の参考にしてください。


3.注射の治験薬の認証、実施入力が可能になりました。
現行システムでは、注射の治験薬もオーダ上は内服薬の区分に入っていたため、通常の注射薬のような認証、実施入力ができませんでした。新システムでは、注射の治験薬は他の注射薬と同じ扱いになりますので、認証、実施入力をお願いします。



向井 杏子(CRC)
 来年1月1日よりCRC業務をさせていただくことになりましたNPO法人大阪共同治験ネットワークの向井杏子です。
12月1日から1か月間は研修期間として、勉強中です。
 このたび臨床研究推進室でお世話になる機会に恵まれて嬉しく思っております。現在は研修中ですが一日でも早く業務になれて患者様のお役に立てるよう頑張りたいと思います。
今後ともご指導よろしくお願いいたします。

もうすぐ★クリスマス★ですね。そして今年も残りわずかとなりました。みなさまにとって今年一年はどんな年だったのでしょうか…。臨床研究推進室ではみなさまからのご協力のもと治験参加に伴う患者さまの不安や負担を少しでも軽減できるようサポートしてまいりました。来年もまた今年同様ご協力とご指導賜りますようよろしくお願い致します。


発行:独立行政法人 国立病院機構  大阪医療センター 臨床研究推進室




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