第17号(No.46) 平成24年7月5日



4月に着任された皆様には、初めての臨床研究推進室NEWSになります。年に4回、治験や臨床研究に関する話題や情報を記事にしてお届けしています。どうぞよろしくお願いいたします。今回の1面には、「満を持して」の感がありますが、統括診療部長の中森正二先生よりの寄稿です。どうぞご覧ください。

目次
P2 H23年度の活動報告
P3 注目 臨床研究の支援を開始します
P4 セミナーのお知らせ/新メンバーの紹介



 先日(6月の中頃)の夕方、CRCのKさんが、今行っている膵癌の治験の施設研究責任者である私の部屋へ、有害事象報告だったか詳しくは忘れてしまいましたが、「報告書に印鑑を押してください」と言って来られた時 のことです。本当にすまなさそうに(Kさんはいつも遠慮がちですが)、「臨床研究推進室ニュースで何か書い ていただけませんか?」とのこと、「実は、先生には、臨床試験や治験もいくつか申請していただき、受託研究 審査委員会の委員を何年もやっていただいているのに、まだ、一度も記事を書いていただいていないんです」と。こちらは、「うむ、ばれてしまいましたか・・・」と、結局、今回の記事を引き受けることになりました。記事を引き受けてから、締め切りは今月末とのこと、あたふたとなにを書いたらよいか参考にさせていただくため にKさんに頂いたバックナンバーをつらつら拝見しました。しかし、皆さんが書かれているような立派な文章は思いつかず、だらだらと字数を埋めようという作戦にしました。したがって、今回の記事は、日頃、診療をして感じていることを書いたらと思い、「臨床試験」と「治験」というタイトルにしました。なぜ、このタイトル かと言うと、外来や病棟で医師や看護師の方々の会話やカルテ記載を拝見していると、「臨床試験」と「治験」 という言葉が、同一語に使われていることを良く感じるからです。おそらく「チケン」という言葉の方が短く て言いやすいでしょうし、「シケン」という言葉からくる「試している」と言う印象が良くないからかと思い ます。「治験」というのは当然「臨床試験」に含まれてはいますが、同じものではないことを認識して、言葉を 使い分けることで、行われている臨床試験の意義や意味が理解できているかどうかが判断できるのではないか と思います。「臨床試験」の中には、患者さんにアンケートをして解析するものもありますし、院内だけで行う 医師が疑問に思うところを確かめようとする研究もあります。また、国内外を含めた多施設で臨床上の疑問を 研究解決しようとするものもあります。しかし、「治験」と言うことになると、新しい薬や器具の開発や適応の 拡大など企業や研究機関が中心となって行っていくものが多く、企業や研究機関と病院との契約が行われ、病 院にはインセンティブも得られます。したがって、その治験をきっちり行うかどうかで病院の評価が決まります。研究計画書通りの運用ができない場合は、病院の評価が落ち、病院の信用が得られず二度と新しい治験には参加させてもらえない場合もあります。「治験」以外の臨床試験でも研究計画書通りの運用を行うのは当然ですが、研究責任者への信用と病院への信用とでその重みが全く違うと言うことを認識する必要があります。そのためには、やはり、今自分が手伝っている「チケン」がどのようなものか理解して参加することは重要なことでは ないでしょうか。このあたりで、目標の字数にも到達したようです。今回の担当を終了させていただきます。 今後とも「チケン」へのご協力をよろしくお願いします。



平 成 23 年 度 の 活 動 報 告

 昨年度の当院の治験実施状況を報告します。受託研究の請求金額は、5年連続で目標の2億円を超えましたが、国立病院機構内では第4位と順位を下げてしまいました。当院ではここ数年治験実施件数や実施症例数は増加した状態を維持していますが、実施率やエントリースピードの改善が課題になっています。


 ・昨年9月に設立されたNPO法人大阪共同治験ネットワークに登録し、ネットワーク体制確立事業(治験紹介等)、CRC養成事業(研修の受け入れ等)などに参加しています。



 治験のみでなく、臨床研究を推進することは国立病院機構の使命であり、当院でも臨床研究が多数実施されています。平成23年度の受託研究審査委員会第2委員会(第2 IRB)で承認された自主臨床研究は、106件ありました。より質の高い臨床研究が実施できることを目的に、これまでは治験の支援業務に専念していたCRCの活動範囲を臨床研究の支援へも拡大することを検討しております。しかし、年間65件の治験(実施症例数391例)をCRC 7名で支援している現状から、すべての臨床研究支援は難しいため、以下の基準で支援を開始しますので、ご理解のほどよろしくお願いします。

@ CRCが支援する課題は以下です
@高度医療等の制度下で実施される研究
ANHO EBM推進研究
B公的研究費(厚生労働科学研究、文部科学研究等)で実施される研究のうち、治療介入のある試験(新規開始分のみ)

A 支援の内容は次のようにいたしました


*CRCの支援内容の詳細について
●支援はスケジュール管理を中心とします。ただし、直接的な被験者ケア(診察に同席する等)ではなく、ツール(カルテ掲示板やファイル等)を利用した間接的支援とします。
●CRF(症例報告書)作成補助では、カルテから転記可能な部分の作成を補助します。ただし、医学的判断を伴う有害事象等は従来通り実施者で作成をお願いします。
*今後、第2 IRBで承認された課題の結果通知書には、CRC支援の有無と支援内容がわかるように書面を添付します。具体的な支援手順は、承認以降に担当CRCと協議いたします。

開催日は毎月第4火曜日、また新規申請受付の締め切りは、審議希望月の前月のIRBの翌日(水曜日)です。以下について、ご了承ください。
・新規課題の申請は先着順で月に10件までとなっており、申請数が越えた場合は次回になります。
・新規課題の申請件数が6件以上の時は、お一人につき申請は2件までとなります。



セ ミ ナ ー の お 知 ら せ

 治験や臨床研究を実施される場合には、それぞれのセミナーにおいて3年に1回の受講を義務づけております。平成22、23年度に受講済みの方は今年度の受講は必要ありません。3年に1回の受講を義務づけております。平成22、23年度に受講済みの方は今年度の受講は必要ありません。それ以外の方で今年度まだ未受講の場合、下記のように予定しております、あと1回の機会で必ず受講をお願いします。

★治験セミナー  3回目:10/2(火)18:00〜19:30
治験を実施するうえで必ず知っておかなければならないGCPや当院における治験の実施手順、CRCの業務内容などについて説明しています。
現在すでに治験責任医師・分担医師をされている方は、最終の受講年度をご確認のうえ、平成22年度以降で受講がない場合は、必ず10月のセミナーにご出席ください。

★臨床研究セミナー  3回目:10/9(火)18:00〜19:30
臨床研究の倫理指針と利益相反についての講義に加え、4月と5月のセミナーではIRB申請時の注意事項を説明しました。IRBで指摘が多い事項をまとめてあり、申請される場合には役に立つ内容です。3回目もトピックスを企画しております。




新 メ ン バ ー を 紹 介 し ま す
三賀森 美央(CRC)
6月1日付で臨床研究推進室の一員となりました看護師の三賀森美央です。5月まで東9階(外科)病棟で4年2ヶ月勤務していました。5月に国立病院機構本部で行われた初級者臨床研究コーディネーター養成研修を受講しました。研修で治験の厳密さ、CRCの業務の多さ、CRCとしてのやりがいを知り、不安と期待で異動してきました。今は研修中でCRCの先輩方から毎日ご指導いただいています。CRCの仕事は被験者さんへの対応や他部門との調整など多岐にわたります。その多くの業務を行いながらも被験者さんの立場に立っている先輩方の姿を見て、私も先輩方のようなCRCになりたいと思っています。まだまだ慣れないことが多く、ご迷惑をおかけすると思いますが、これからご指導のほどよろしくお願いします。

発行:独立行政法人 国立病院機構
   大阪医療センター 臨床研究推進室
斉藤 孝子(事務員)
4月から臨床研究推進室に事務で配属になりました斉藤孝子です。初めての事ばかりで戸惑うことも多く1日1日があっという間に過ぎていきます。臨床研究センターでも3年ほどお世話になっておりましたのでその経験を活かし、1日も早く仕事に慣れお役に立てるよう頑張りたいと思っております。どうか温かいご指導のほどよろしくお願いいたします。



編集後記
 7月になり、節電の夏に突入しました。夏休みの計画はされていますか。次号は、暑い夏が一段落した9月下旬の予定になります。清涼グッズで夏を乗り切りましょう。




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