第18号(No.47) 平成24年9月27日



 今年度2回目の臨床研究推進室NEWSをお届けします。今回は研究費の取り扱いについて、臨床研究活動実績評価、近畿ブロック治験実務担当者会議の報告を中心にお届けします。1面には、今年度からIRB第2委員会の副委員長である廣畑和弘副薬剤科長よりの寄稿です。どうぞご覧ください。
目次
P2 研究費取扱いの変更について
P3 臨床研究活動における実績評価第一位!
   近畿ブロック治験実務担当者会議の報告
P4 セミナーのお知らせ/新メンバーの紹介





臨床研究と受託研究審査委員会
薬剤科 副薬剤科長 廣畑 和弘
 このたび、受託研究審査委員会(第2委員会)の副委員長に指名されました廣畑です。現在は、その責任の重大さに身の引き締まる思いです。私は、以前の勤務施設では臨床研究コーディネーター(CRC)として治験管理室に勤務しておりました。その間、治験・臨床研究分野の日本の最先端である当センター臨床研究推進室の皆様から多くのご指導を賜り、治験・臨床研究の活性化への情熱に深く感動すると共に、確実な牽引力に常々驚きを隠せませんでした。今後は、是恒臨床研究センター長はじめ臨床研究推進室の皆様のお力添えもいただきながら、非力ながらも受託研究審査委員会の運営のサポートを行い、ご恩返しして行きたいと考えております。
 今回は紙面をお借りして、受託研究審査委員会での臨床研究の審議のポイントについてご紹介したいと思います。臨床研究の目的は、臨床の現場で行われている医療が本当に患者の利益になっているのかどうかを、科学的な視点で評価し、有効な医療を追求することです。しかし、ヒトを対象とする臨床研究で最も重要なことは臨床研究の「倫理性」です。臨床研究は、研究者からの十分な説明と患者の自己決定権が尊重されなければなりません。受託研究審査委員会では、説明文書に患者の視点に立った専門用語を避けた表現や理解しやすい図表を求めます。
 また、臨床研究に参加するメリット(標準治療と異なる治療法を受けられる事など)とデメリット(リスク、副作用、経費についてなど)について正しく記載されている事を確認します。強制ではなく、人々の意思こそが臨床研究の推進には必須で、研究者と参加する患者さんとの信頼関係こそが重要なのです。また、受託研究審査委員会では臨床研究の「科学性」についての審議を行います。「根拠に基づく医療Evidence-based Medicine(EBM)」の考え方では、「研究結果」(=エビデンス)が真実である可能性が高い(結果の質が高い)ものは、「バイアス」が入りにくい研究デザインで行われた研究であるとされています。受託研究審査委員会は、研究実施計画書の中の科学的な問題点を確認しています。
 臨床研究に対する社会からの要請は日増しに高まってきています。受託研究審査委員会では、10名の委員が各々の専門能力を生かし、研究者が臨床研究に効率よく取り組んでいただけるように努力をしています。各方面からの皆様のご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。



1)研究費の執行管理について
 この度、治験等受託研究に係る会計事務が見直され、研究費の取り扱いが一部変更になりました。変更された方法は平成24年度以降に契約された課題に適用されます。平成23年度以前に契約された課題は従来どおりの方法です。

平成23年度契約分まで 平成24年度契約分から



 今後は、この2つの方法が並行して運用されますので留意ください。尚、使用期限の時点で残額があった場合は原則、研究費として使用できなくなります。研究費の残額を臨床研究推進室の事務員より四半期ごとに通知致しますので、残額が生じることのないよう計画的に使用ください。

2)W相試験(製造販売後調査)における研究費請求方法について
 従来当院では、製造販売後に行われる使用成績調査・特定使用成績調査においては、実施の有無に関わらず研究費を請求する全額前納制としていましたが、平成24年度以降に契約された課題では、実施状況に応じて研究費を請求する出来高払い制に変更となっています。



 平成24年度以降に契約された課題に関しては、報告書の提出をもって研究費の請求を行います。遅滞なく報告書を作成ください。



国立病院機構「臨床研究活動における実績評価」
平成23年度も当院が第1位を獲得!

国立病院機構では毎年、臨床研究機関(臨床研究センター、臨床研究部及び院内標榜臨床研究部)を有する各病院を対象とし、臨床研究活動の実績評価が行われています。当院は平成19年度以降連続で第1位の実績評価を得てきていますが、平成23年度においても第1位を獲得しましたのでご報告します。
 臨床研究活動実績の評価項目は右図のとおりで、項目毎に定められているポイント数を実績に乗じた合計数により、各病院の研究実績が評価されます。
 なお本内容により、機構本部から各病院への助成金(運営経費)、運営費交付金(運営経費)の交付額が決定されています。当院では、業績に応じて各科・部門への研究費配分を行っています。


 近畿ブロック治験実務担当者会議の報告
  
 平成24年7月20日(金)に、「平成24年度第1回近畿ブロック内治験実務担当者会議」を開催し、近畿ブロック内の機構施設10施設と国立循環器病研究センターから、計26名の出席がありました。今回のテーマは、@「臨床研究支援」(事務局支援)、A「臨床研究支援」(CRC支援)で、当室でも今年度から臨床研究支援を開始しているため、興味深い内容となりました。
 まず、会議前に各施設から臨床研究支援の現状と支援の基準の有無とその内容について調査し、それを元に話し合いました。
 テーマ@では、各施設の臨床研究課題数、審査委員会の名称、事務局の担当部署、具体的な支援内容、臨床研究に関する講習・教育を実施しているかについて、意見交換しました。支援は、施設の実情に合わせて実施されていました。珍しいところでは、web申請システムを用いて研究申請を行い、簡便化を図っている施設もありました。是恒之宏室長より、「倫理指針改定に伴い、研究者は教育を受ける必要性がある。現在、臨床研究に関する講習・教育を実施していない施設は、今後検討が必要である。」、との指導がありました。
 テーマAでは、CRCの介入について、すべての施設で一定の基準が設けられていました。EBM研究・NHO主導試験・プロトコールでCRCの関与が義務づけられている、等が主なものでした。支援内容は、スケジュール管理・CRF作成補助が主な内容でした。
 どの施設も治験とのバランスが大切であり、相談しながら他のスタッフと連携して進めていくことが大切であるとの意見が出ていました。


臨床研究セミナー・治験セミナーの報告
今年度すでに実施された臨床研究セミナー
1回目 4月27日(金)18:00〜19:30  参加者 19名
2回目 5月14日(月)18:00〜19:30  参加者 61名
内容は、「利益相反」「倫理指針」「IRB申請時の注意事項(第1弾)(第2弾)」でした。

今年度すでに実施された治験セミナー
1回目 5月14日(月)18:00〜19:30 参加者 10名
2回目 6月13日(水)18:00〜19:30 参加者 15名
内容は、「GCPについて」「CRC業務について」「治験にかかわる診療費と被験者負担軽減費」と、「知って得する!治験の豆知識」(1回目)「研究費の使い方」(2回目)でした。

*臨床研究セミナーと治験セミナーは内容が異なる別のセミナーです。研究者は、それぞれのセミナーを受講することが必要です。

★次回の臨床研究セミナー
3回目:10/9(火)18:00〜19:30
 
臨床研究の倫理指針と利益相反についての講義に加え、研究を実施されるうえでのトピックスを企画しております。
今年度から臨床研セミナーの受講番号には、番号の前に「R」をつけています。治験セミナーの受講番号と区別していますので、確認ください。
★次回の治験セミナー
3回目:10/2(火)18:00〜19:30

 治験を実施するうえで必ず知っておかなければならないGCPや当院における治験の実施手順、CRCの業務内容などについて説明しています。

現在すでに治験責任医師・分担医師をされている方は、最終の受講年度を確認の上、平成22年度以降で受講がない場合は必ず10月のセミナーに出席してください。


新 メ ン バ ー の ご 挨 拶
小森 弘未(CRC)
 6月末から約2ヵ月間研修をさせていただき、9月から非常勤職員として勤務することになりました看護師の小森弘未です。こちらでは抗癌剤の治験も多く、きめ細やかな患者様への配慮や、幅広い知識が必要となること、それと共に、とてもやりがいのある大切な仕事であることを、先輩の姿を見ながら日々感じています。
 少しブランクがあり、初めは不安もありましたが、研修の中で、やはりここで勤務し、そんな先輩方のようなCRCになりたいと思い、引き続き勤務させていただくことになりました。一日も早く臨床研究推進室の一員として、業務を担っていけるよう努力しますので、これからもご指導のほどよろしくお願いいたします。

編集後記
 9月に入り、日ごとに秋らしくなり、読書にスポーツにいい季節となりました。皆様お出かけのご予定等はおありでしょうか。
次号は、12月の発行予定となっております。楽しいクリスマス・お正月前頃にお会いしましょう。
発行:独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター 臨床研究推進室




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