放射線科

御供政紀

 マルチディテクターCT(MDCT 別称マルチスライスCT)、二検出器型SPECTの導入に より、画像診断は形態診断は言うに及ばず動態診断や機能診断においても進歩が著し い。既にMRIによる拡散強調画像で、脳梗塞など急性疾患の発症数時間以内の早期診 断が可能になっているが、梗塞以前の血流状態を把握できるCT Perfusion機能が加わ り、Strokeの早期治療に寄与する研究が可能になってきた。
 X線、超音波、ラジオアイソトープ、電磁波などによる種々の臨床モダリティー (CT、MR、血管造影、エコー、核医学)を用いた画像診断は、動態診断や機能診断さ らには Interventional Radiology(IVR)に応用され、発展し続けているが、当放 射線科における診断分野の研究もこれらの臨床に密着したものである。診療と教育に おいては非常に広い領域をカバーしなければならないが、研究面では各専門領域の一 部に限定せざるを得ない。それらはまた各診療科の協力に負うところが大きい。
 正常組織被曝を回避して病巣を集中的に治療する定位照射機構(stereotactic radiotherapy SRT)を搭載した直線加速放射線治療装置が稼動し始め、頭頚部領域の 放射線治療精度向上のための研究や、治療精度管理に関する研究を開始している。
 将来の悪性腫瘍の放射線治療は粒子線治療と小線源治療が主流になると予想されて いるが、全国がん協議会加盟施設として速やかな小線源治療装置の更新が望まれ、さ らなる治療法研究の推進に役立てたい。
 非侵襲的診断と治療の融合や集学的治療などの臨床研究に加えて、将来の全ディジ タル化、フィルムレス、遠隔画像診断などの画像情報改革に向けての研究にも積極的 に取り組んでいる。

主な研究テーマ
1.総合画像診断(DR、CT、MR、RI、US、AG)の構築とディジタ ル画像情報管理
2.IVR(Interventional Radiology)の推進
3.CT、MRによる Dynamic study(MR angiography、 MR cholangiography、MR cisternography、CT perfusion 、MR perfusion)と Diffusion study
4.MRやRIなどの動態、機能画像の開発と合成画像作成による新 診断法の開発
5.QOLを重視した効率的治療成績向上に関する研究
6.放射線治療計画システム構築と精度管理

【平成13年度研究業績発表】
―著述発表―
A-0
YOSHIDA K, YAMAZAKI H, OZEKI S, INOUE T, YOSHIOKA Y, YONEDA M, FUJIWARA Y, INOUE T. Mitochondrial genotypes and radiation induced micronucleus formation in human osteosarcoma cells in vitro. Oncol Rep 8:615-619, 2001

YOSHIOKA Y, YOSHIDA K, SHIMIZUTANI K, FURUKAWA S, INOUE T, TESHIMA T, YAMAZAKI H, TANAKA E, INOUE T. Proposal of a new grading system for evaluation of tongue hemiatrophy as a late effect of brachytherapy for oral tongue cancer. Radiother Oncol 61:87-92, 2001

INOUE T, YOSHIDA K, YOSHIOKA Y, SHIMAMOTO S, TANAKA E, YAMAZAKI H, SHIMIZUTANI K, TESHIMA T, FURUKAWA S. Phase III trial of high- vs low-dose-rate interstitial radiotherapy for early mobile tongue cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 51: 171-175, 2001

YAMAZAKI H, INOUE T, YOSHIDA K, IMAI A, YOSHIOKA Y, TANAKA E, SHIMAMOTO S, NAKAMURA S, INOUE T, NAKAMURA H, FURUKAWA S, SHIMIZUTANI K. Influence of age on the results of brachytherapy for early tongue cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 49:931-936, 2001

KOIZUMI M, YAMAZAKI H, TOYOKAWA H, YOSHIOKA Y, SUZUKI K, ITO M, SHINKAWA K, NISHINO K, WATANABE Y, INOUE T, OZEKI S, MATSUMURA S, INOUE T. Influence of thoracic radiotherapy on exhaled nitricoxide levels in patients with lung Cancer. Jpn J Clin Oncol 31(4):142-146, 2001

TAKANASHI M, ABE K, YANAGIHARA T, OSHIRO Y, WATANABE Y, TANAKA H, HIRABUKI N, NAKAMURA H, FUJITA N. Effect of stimulus presentation rate on the activity of primary somatosensory cortex: A functional magnetic resonance imaging study in human. Brain Res Bull 54:125-129, 2001

MIYAGAWA Y, OKA T, TAKANO Y, TAKAHA M, CHOI S, ISOBE F. Renal artery aneurysm causing hydronephrosis. Int J Uro 8:463-466, 2001

A-2
渡邉嘉之御供政紀:MRA, Dynamic MRI.「CLINT21 No3. 画像診断」 飯沼壽孝、60-67、中山書店、東京、2001年

渡邉嘉之:頭頚部の画像診断−咽頭−「UPPER 放射線医学 画像診断学」、 中村仁信、190-191、南山堂、東京、2001年

渡邉嘉之:脊髄腔、脳槽シンチグラフィー、腫瘍シンチグラフィー、神経伝 達機能測定「UPPER放射線医学 核医学」、西村恒彦、138-141、150-153、南山堂、 東京、2001年

御供政紀:頭頚部の画像診断−眼窩、副鼻腔−「UPPER放射線医学 画像診断 学」、中村仁信 164-190、南山堂、東京、2001年

A-3
川崎芳春、金光正志、御供政紀、難波俊司、杉木光三郎:アンケート調査に よる大阪府内における放射線診療関連の看護教育に関する研究。大阪医学 35:189、2001年

能勢隆之、小泉雅彦、西山謹司、吉田 謙:ガラス線量計を用いた組織内照 射線量の実測―直腸前壁の線量について。日医放会誌 61:540-542、2001年

山崎秀哉、井上武宏、吉田 謙、今井 敦、吉岡靖生、田中英一、島本茂 利、中村聡明、山田優二、中村仁信、荒木 裕、井上俊彦:Changes in Performance status of elderly patients after radiotherapy. Radiat Med19:9-18、2001年

能勢隆之、小泉雅彦、西山謹司、吉岡靖生、井上俊彦、吉田 謙:前立腺癌 に対する高線量率組織内照射。Radiology Frontier4:246-248、2001年

A-5
佐野敏也中山智司、近藤和也、大竹野浩史、中尾博司、萩原 守、 下井睦男:(共同研究)緊急作業に対応したサーベイメータの取り扱いについて。 平成12年度(財)政策医療振興財団助成研究課題、研究助成金事業報告書、 201-230、2001年

佐野敏也中山智司、近藤和也、大竹野浩史、中尾博司、萩原 守、 下井睦男:(共同研究)緊急作業に対応したサーベイメータの取り扱いについて。 国立病院療養所近畿放射線技師会学術部、2001年

佐野敏也:循環器撮影領域の被曝現状とガイダンスレベル、循環器被曝低減 技術セミナーテキスト、全国循環器撮影研究会、1-20、2001年

―口演発表―
B-2
WATANABE Y, MITOMO M, OHNISHI T, NISHIKAWA M, TANAKA H, FUJITA F, HIRABUKI N, NAKAMURA H. Complete agenesis of corpus callosum: Its morphological features and patients outcome. 39th Annual Meeting of AmericanSociety of Neuroradiology Boston, April 2001

B-3
渡邉嘉之御供政紀:小児代謝性疾患。第20回神経放射線ワーク ショップ、兵庫、2001年7月

吉田 謙、能勢隆之、小泉雅彦、吉田岑雄、西山謹司、御供政紀: CTV-based Dose Prescriptionにおける金属マーカーの有用性。第14回日本放射線 腫瘍学会シンポジウム、大阪、2001年11月

佐野敏也:循環器撮影領域の被曝現状とガイダンスレベル。全国循環器撮 影研究会循環器被曝低減セミナー、大阪、2001年11月

B-4
渡邉嘉之御供政紀、大西田津美、西川正則、田中寿、藤田典彦、平 吹度夫、中村仁信:脳梁欠損症例の形態学的特徴と発達予後について。第60回日 本医学放射線学会、神戸、2001年4月

渡邉嘉之御供政紀:Merosin-deficient congenital muscular dystrophyの1例。第20回神経放射線ワークショップ、兵庫、2001年7月

渡邉嘉之徳田由紀子吉田 謙崔 秀美細 木拓野御供政紀東 将浩:DICOMネットワークの構築と放射 線読影レポーティングシステムについて。第56回国立病院療養所総合医学会 、宮城、2001年11月

吉田 謙御供政紀、能勢隆之、清水谷公成、吉岡靖生、井上俊彦: Intraoral USを用いた舌癌の高線量率分割組織内照射。第25回日本頭頚部腫瘍学 会、札幌、2001年6月

吉田 謙、能勢隆之、渡邉嘉之御供政紀:Color histogramを用いた舌癌の組織内照射後の粘膜反応評価。第14回日本放射線腫瘍学 会、大阪、2001年11月

能勢隆之、小泉雅彦、西山謹司、吉田 謙:ガラス線量計を用いた高線量率 組織内照射の線量実測。第60回日本医学放射線学会、神戸、2001年4月

能勢隆之、小泉雅彦、西山謹司、吉田 謙、井上俊彦:中咽頭癌に対する高 線量率組織内照射。第25回日本頭頚部腫瘍学会、札幌、2001年6月

能勢隆之、小泉雅彦、西山謹司、吉田 謙:ガラス線量計`Dose Ace' を用 いた組織内照射線量の測定。第3回日本放射線腫瘍学会小線源治療部会、札 幌、2001年6月

山本明秀藤崎 宏伊藤譲一佐野敏也御供 政紀:Multidetector-Row CTの性能評価(1)。第10回国立病院療養所近畿 放射線技師会学術大会、和歌山、2001年10月

徳 俊成佐野敏也伊藤譲一加藤敦子藤崎  宏山本明秀福本芳人矢木史昌徳田由紀子 渡邉嘉之崔 秀美細木拓野御供政紀:マ ルチスライスCT3D画像処理システムの検討。第10回国立病院療養所近畿放射 線技師会学術大会、和歌山、2001年10月

樋口孝次原田 稔岡本 誉中山智司矢木 史昌吉田 謙御供政紀:直線加速器を用いた定位放射線治療 (STI)について。第10回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、和 歌山、2001年10月

藤崎 宏伊藤譲一佐野敏也福本芳人矢木 史昌御供政紀:原子力災害時における診療放射線技師の役割。第 10回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、和歌山、2001年10月

樽井利明:プロテクタの品質管理10年後について。第10回国立病院療養 所近畿放射線技師会学術大会、和歌山、2001年10月

佐野敏也:緊急作業に対応したサーベイメータの取り扱いについて。第 10回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、和歌山、2001年10月

佐野敏也中山智司、近藤和也、大竹野浩史、中尾博司、萩原 守、 下井睦男:(共同研究)緊急作業に対応したサーベイメータの取り扱いについて。平 成12年度(財)政策医療振興財団助成研究課題。第56回国立病院療養所総合医 学会、宮城、2001年11月

伊藤譲一藤崎 宏佐野敏也福本芳人矢木 史昌御供政紀:二次被曝医療施設における原子力災害時に対応できる 設備と機器管理。第56回国立病院療養所総合医学会、宮城、2001年11月

原田 稔樋口孝次岡本 誉中山智司矢木 史昌吉田 謙御供政紀:新しく導入した放射線治療システム について(二報)―直線加速器を用いた定位放射線照射(STI)。第56回国立 病院療養所総合医学会、宮城、2001年11月

徳 俊成佐野敏也伊藤譲一加藤敦子藤崎  宏山本明秀福本芳人矢木史昌徳田由紀子 渡邉嘉之崔 秀美細木拓野御供政紀:マ ルチスライスCT3D画像処理システムの検討。第56回国立病院療養所総合医学 会、宮城、2001年11月

樽井利明:(共同研究)近畿管内国立病院療養所におけるプロテクタの品質 管理―10年後について。第56回国立病院療養所総合医学会、宮城、2001年 11月

B-5
御供政紀:救急頭部疾患診断のknow-how。第17回なにわ臨床画像研究会 、大阪、2001年9月

能勢隆之、小泉雅彦、西山謹司、吉岡靖生、井上俊彦、吉田 謙:前立腺癌 に対する高線量率組織内照射。第12回大阪UroRadiology研究会、大阪、 2001年1月

B-6
吉田 謙、能勢隆之、小泉雅彦、吉田岑雄、西山謹司、御供政紀: CTV-based Dose Prescriptionにおける金属マーカーの有効性。第3回日本放射線 腫瘍学会小線源治療部会、札幌、2001年6月

藤見克之渡邉嘉之徳田由紀子吉田 謙崔  秀美細木拓野御供政紀、河原邦光、倉田明彦:悪性黒色腫 ―肝転移の2症例。第269回日本医学放射線学会関西地方会、大阪、2001年 10月