耳鼻咽喉科

牟田 弘

 耳鼻咽喉科の象徴である額帯反射鏡に頼った臨床から脱却して、耳鼻咽喉科用電子 内視鏡をはじめとする各種内視鏡と手術用顕微鏡を積極的に活用し、肉眼では対応が 不可能な微細な異常所見に対する他覚的かつ定量的な診療をめざしている。
 臨床面では、頭頚部悪性腫瘍疾患を対象とした頭頚部外科に主力を置いており、各 診療科の協力のもとに最先端のチーム医療を行なっている。QOLの改善をはかりなが らの治療成績の向上をめざすとともに、EBMにもとづく標準的治療を代表的な頭頸部 悪性腫瘍疾患に対して確立することをめざしている。
 また、耳鼻咽喉科特有の聴覚や平衡機能から音声機能までの、視覚を除いた主な感 覚器に対する機能改善医学に力を注いでいる。中でも手術により声の改善をはかる音 声外科の症例は年間約170例と多く、特にプロ歌手に対する音声外科に関しては、当 院麻酔科の高い診療レベルでの協力もあり、多くの音楽系大学からの紹介を受けてい る。さらに嚥下障害に対しては、林伊吹医師を中心として、病態生理学の詳細な検索 や外科的治療の適応の検討や術式の改良などを行っている。今後は嚥下障害に対する 病態生理に関する電気生理学的な臨床研究を続けることにより、外科的な治療成績の 向上を計るととともに、嚥下障害症例に対する普遍的な治療体系を、当院独自のもの として確立していくように目指している。
 研究面では、デジタル信号処理を応用した音声の音響分析や喉頭ストロボスコープ 下の動的画像診断や、電子内視鏡による喉頭ストロボスコピーを開発している。ま た、機能的内視鏡下鼻内開放術においてマイクロデブリッターを使用したPowered FESS手術症例は、年間数十例と順調に増加している。公的病院として最初に導入され た先端技術であるため、機能面での臨床研究を含めて今後も症例数をのばしていきた い。

【平成13年度研究業績発表】
―口演発表―
B-2
WATANABE Y, MUTA H, ONO J, SASAI H, KUBO T: A new surgical treatment for spasmodic dysphonia. The 3rd East Asian Conference on phonosurgery, Taipei, Dec 2001

B-4
渡邊雄介、牟田 弘、望月隆一、小野淳二、久保 武:難治性喉頭肉芽腫に 対する声帯内脂肪注入術について。第13回日本喉頭科学会、大津、2001年3月

加藤 崇、渡邊雄介、坂田義治、牟田 弘、久保 武:LPRD(Laryngo Pharyngeal Reflux Disease)における難治例の検討。第13回日本喉頭科学会 、大津、2001年3月

林 伊吹、河田 了、辻 雄一郎、山本有実子、李 昊哲、今中政支、牟 田 弘、竹中 洋:エコーによる頭頚部扁平上皮癌転移リンパ節の診断の有用性 と問題点(第2報)。第25回日本頭頚部腫瘍学会、札幌、

辻 雄一郎、牟田 弘、林 伊吹、李 昊哲、山本有実子:晩発性放射線障 害と考えられた鼻腔T細胞リンパ腫の一例。第25回日本頭頚部腫瘍学会、札 幌、2001年6月

山本有実子、林 伊吹、辻 雄一郎、牟田 弘河原邦光倉田明彦:稀な組織型を示した甲状腺癌の一例。第63回日本耳鼻咽喉科臨 床学会、那覇、2001年6月

渡邊雄介、錦織吉郎、笹井久徳、望月隆一、牟田 弘、久保 武:当科にお ける喉頭肉芽腫の取り扱い。第63回日本耳鼻咽喉科臨床学会、那覇、2001年 6月

笹井久徳、渡邊雄介、牟田 弘、久保 武:内転型痙攣性発声障害に対する 内筋切除におけるレーザー使用について。第63回日本耳鼻咽喉科臨床学会、 那覇、2001年6月

笹井久徳、渡邊雄介、牟田 弘、久保 武:痙攣性発声障害の患者の治療実 態。第46回日本音声言語医学会、東京、2001年11月

渡邊雄介、牟田 弘、望月隆一、久保 武:痙攣性発声障害に対する甲状被 裂筋切除術の長期成績。第46回日本音声言語医学会、東京、2001年11月

B-6
望月隆一、和泉直樹、藤井直美、渡邊雄介、牟田 弘:喉頭肉芽腫に対する トラニラストの効果。第276回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、 2001年3月

牟田 弘林 伊吹、辻 雄一郎、山本有実子、渡邊雄介:喉頭肉芽 腫の術後再発防止を目的とした声帯膜様部脂肪注入術の試み。第276回日本耳鼻咽 喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年3月

加藤 崇、坂田義治、牟田 弘、渡邊雄介、久保 武:LPRDにおける難治例の検討。 第276回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年3月

渡邊雄介、牟田 弘、久保 武:上部食道でのpHモニターについて。第 276回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年3月

山本有実子、林 伊吹、辻 雄一郎、牟田 弘:組織診断に苦慮した甲状腺 癌の一例。第277回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年6月

牟田 弘、林 伊吹、辻 雄一郎、山本有実子:扁桃周囲膿瘍への矢型に整 形したペンローズドレーンの試み。第277回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会 、大阪、2001年6月

渡邊雄介、牟田 弘、望月隆一、久保 武:当科における喉頭肉芽腫の取り 扱い。第277回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年6月

林 伊吹、山本有実子、辻 雄一郎、牟田 弘、河田 了、李 昊 哲、今中政支、竹中 洋:頭頚部扁平上皮癌の転移リンパ節に対する頚部エコーの有 用性と問題点。第278回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年 9月

山本有実子、林 伊吹、辻 雄一郎、牟田 弘:上顎洞転移をきたし た大腸癌の一例。第278回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年 9月

牟田 弘林 伊吹、辻 雄一郎、山本有実子:喉頭披裂部に生じた 嚢胞症例。第278回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年9月

渡邊雄介、松永 敦、牟田 弘、久保 武:詩吟歌手の音声障害の取り扱いについ て。第278回日本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年9月

林 伊吹:嚥下障害の検査と対応について。日本リハビリテーション医学 会認定臨床医生涯教育研修会、大阪、2001年9月

林 伊吹、愛宕利英、山本有実子、牟田 弘、李 昊哲、荒木南都 子、竹中 洋、林 与志子:外科的治療を主体とした嚥下障害の対応。第279回日 本耳鼻咽喉科学会大阪地方連合会、大阪、2001年12月

山本有実子、林 伊吹、愛宕利英、牟田 弘、辻 雄一郎:血管造影 で確認し得た気管切開後の腕頭動脈破裂の一例。第279回日本耳鼻咽喉科学会大阪 地方連合会、大阪、2001年12月