救命救急センター・総合救急部

定光大海

 総合救急部は交通事故や労働・自然災害などに起因する重症外傷の他、急性中毒、 熱傷、ショック、重症呼吸不全など三次救急患者の治療を任務として、平成12年度に 開設された。以来、患者数も増加傾向で、平成13年度入院患者数は360名を超えた。 国立大阪病院は市の中心部にあり、市内、市外を問わず救急患者搬送に適した立地条 件を有しているため、受け入れ体制を充実すれば今後もさらに入院患者数の増加が見 込まれる。
 現在、日本救急医学会認定医指定施設になっているが、本年度はさらに指導医指定 施設の申請をする予定である。重症入院患者数の増加に伴ってスタッフの充実が図れ れば高度救命救急センターの申請も可能になる。本院は災害拠点病院でもあるが、日 常的な救命救急センター業務が機能していないと拠点病院としての役目は果たせな い。今後さらにステップアップを図っていきたい。
 救急医療にはプレホスピタルケア、病診あるいは病々連携などのネットワークが重 要になり、広域災害ネットワークもこれに連動している。これらを基盤にした広域救 急医療体制の一翼を担う施設になるうえで救急医学教育や臨床研究も重要になる。侵 襲期の呼吸・循環・代謝動態の変動、外傷急性期の重症度評価法、重症度別の治療成 績、化学災害への対応策、脳蘇生法などの臨床研究を今後の目標にしている。これら を推し進めることで政策医療のひとつの柱である災害医療に貢献したい。

【平成13年度研究業績発表】
−著述発表−
A-0
SADAMITSU D, KURODA Y, NAGAMITSU T, TSURUTA R, INOUE T, UEDA T, NAKASHIMA K, ITO H, MAEKAWA T. Cerebrospinal fluid and plasma concentrations of nitric oxide metabolites in postoperative patients with subarachnoid hemorrhage, Critical Care Medicine 29(1): 77-79, 2001

UEMURA K, HARADA K, SADAMITSU D, TSURUTA R, TAKAHASHI M, AKI T, YASUHARA M, MAEKAWA T, YOSHIDA K. Apoptotic and necrotic brain lesions in a fetal case of carbon monoxide poisoning, Forensic Science International116(2-3): 213-219, 2001

OGA A, SADAMITSU D, HATTORI Y, NAKAMURA Y, KOHNO M, KAWAUCHI S, SASAKI K. Imported malaria in a Japanese male: An autopsy report. Patholog International 51(5): 371-375, 2001

OGINO K, KODAMA N, NAKAJIMA M, YAMADA A, NAKAMURA H, NAGASE H, SADAMITSU D, MAEKAWA T. Catalase catalyzes nitrotyrosine formation from sodium azide and hydrogen peroxide, Free Radical Research 35(6): 735-747, 2001年12月

KASAOKA S, KAWAMURA Y, INOUE T, TSURUTA R, SADAMITSU D, MAEKAWA T. Evaluation of peripheral circulation in critically III patients by pulsed Doppler ultrasonography, Critical Care & Shock 4(4): 194-198, 2001年12月

OHNISHI M, KIRKMAN E, GUY RJ. WATKINS PE. Reflex nature of the cardiorespiratory responseto primary thoracic blast injury in the anaesthetised rat. Experimental Physiology 86(3): 357-364, 2001

UEDA T, HIDA S, TANAKA H, KUMAGAI Y, KUDOU T, SHIMAZU T, SUGIMOTO H: Telemedical support using real-time ultrasonography and endoscopy images. Computer Methods and Programs in Biomed 66(1): 55-61, 2001

KAZUKI K, DENNO K, HIROSHIMA K, EGI T: Digital flap for cleft haand with severe syndactyly of the thumb and index finger:case report. Congenital Diferences of the Upper Limb 81-83

KAZUKI K, DENNO K, HIROSHIMA K, EGI T: Clinical aspects and outcomes of enchondroma in the hand. J Jpn Soc Surg Hand 18

KAMANO M, HONDA Y, KAZUKI K: Palmar lunate transscaphoid fracture-dislocation caused by palmar flexion injury. J Orthop Trauma1 5: 225-227

A-2
定光大海:救急治療 血気胸「今日の治療指針」pp.23、医学書院、東京、 2001年1月

定光大海:治療手技 電解質異常補正法「今日の治療指針」pp.69-70、医学書 院、東京、2001年1月

A-3
笠岡俊志、定光大海、前川剛志:心肺蘇生後の内頸静脈球部血酸素飽和度と 神経学的予後。ICUとCCU 25(8):626-628、2001年8月

定光大海:パネルディスカッションI。急性中毒初期治テの再評価―強制利 尿―。中毒研究14:39−41、2001

田村栄稔林 亨、習田 龍、沢村敏郎稲葉 修岡崎太郎、吉田純一、阪本紀子、安岡良典、内藤丈詞、橋本克次 陳 若富是恒之宏:気道閉塞の原因が遺伝性血管神経性浮腫 であったまれな1例。救急医学25(12):1764−1767、2001

大西光雄中田康城若井聡智田村栄稔林  亨、田伏久之、塩野 茂、当麻美樹、高岡 諒、松坂正訓、尾中敦彦:COSHHア セスメントを用いた化学薬品災害対策ム東大阪市の取り組み。日本救急医学会雑 誌12(10):575、2001

香月憲一、田野確郎、大園健二廣島和夫:Dupuytren拘縮に 対する拡大手掌腱膜切除およびY−V形成法の治療成績。中部整災誌44:941− 942

香月憲一、田野確郎、廣島和夫:拡大手掌腱膜切除およびY−V形成法 を用いて治療したDupuytren拘縮の治療成績。臨床整形外科36:89‐91、 2001年1月

香月憲一、田野確郎、廣島和夫、釜野雅行、岸本正文、河野 浩: Galeazzi骨折における遠位橈尺関節脱臼の治療。骨折23:298―301

香月憲一、H. Kirk Watson:Kienbock病に対する治療−部分手関節固定術 −。臨床整形外科36:1353−1357

恵木 丈、香月憲一:Double thread screwを用いた舟状骨骨折の治療経験。 骨折23:306-308

田野確郎、香月憲一:肘部管症候群に対する肘部管形成術の術後成績。日 本肘関節研究会雑誌8:19-20

A-4
笠岡俊志、定光大海、前川剛志:救命治療医学を中心とした卒後教育。救 急医学25:35−38、2001

小田泰崇、定光大海:めまい。救急医学25:415−419、2001

中田康城:熱傷。臨床看護27:966-971、2001

香月憲一:部分手関節固定術の適応−その変遷について−特集:手関節固定 術の適応と術後成績。関節外科20:22‐28、2001

A-6
中田康城:私の体験談・失敗談「スタンスが悪い!」。レジデントノート 3:125、2001

中田康城:どうしても創からの出血がとまらない。レジデントノート 3:25-27、2001

大西光雄:異物摘出のいろいろ―刺さった針、抜けなくなった指輪、など  特集・当直時に役に立つ小外科のコツ。レジデントノート3(3):60-64、 2001

田伏久之、中井健仁、大西光雄:よみがえった命(心停止からの生還)。 ファーストエイドファイル(実例に学ぶ応急手当の実際)9-14、2001

田伏久之、大西光雄:火災からの救出(火災から命を守るには)。ファー ストエイドファイル(実例に学ぶ応急手当の実際)19-22、2001

若井聡智中田康城林 亨:車と衝突、10m飛ばされた (バイク事故を目撃したら)。ファーストエイドファイル(実例に学ぶ応急手当 の実際)61-65、2001

―口演発表―
B-2
TAMURA H, HAYASI T, OKAZAKI T, YOSIDA J, SHUTTA R, SAKAMOTO N, YASUOKA Y, NAITOH J, HASHIMOTO K, WAKATOMI C, KORETSUNE Y: Significance of measurements of PaCO2 and serum K concentration during cardiopulmonary resuscitation in cardiogenic cardiopulmonary arrest on arrival, The 65thAnnual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society.

KAZUKI K, IEGUCHI M, MATSUMINE A, DENNO K, HIROSHIMA K: Clinical findings of Glomus tumor. The 8th Congress of the IFSSH, Istanbul, June 2001

KAZUKI K, KAMANO K, EGI T, DENNO K, HIROSHIMA K: New concept of the treatment for Galeazzi lesions. The 8th Congress of the IFSSH, Istanbul, June 2001

KAZUKI K, SHIMADA N, DENNO K, HIROSHIMA K: Scaphoid fractures in athletes. The 8th Congress of the IFSSH, Istanbul, June 2001

KAMANO K, HONDA Y, KAZUKI K, YASUDA M:Palmar plating for the dorsally displaced fractures of the distal radius. The 8th Congress of the IFSSH, Istanbul, June 2001

DENNO K, KAZUKI K, OHZONO K, HIROSHIMA K:Results of cubital tunnel plasty for ulnar neuropathy. The 8th Congress of the IFSSH, Istanbul, June 2001

B-3
笠岡俊志、定光大海、前川剛志:心肺蘇生後の内頸静脈球部血酸素飽和度と 神経学的予後。第10回組織酸素代謝研究会、東京、2001年3月

香月憲一、田野確郎、廣島和夫、H. Kirk Watson:Kienbock病の治テ−部分手関節固定術−。第74回日本整形外科学会、千葉、2001年4月

香月憲一:手根骨の脱臼と骨折(日整会認定教育研修会)。第44回日本手の 外科学会春期教育研修会、大阪、2001年5月

香月憲一、田野確郎:手舟状骨の無腐性壊死(Preiser病)に対する血管柄付 き橈骨移植術の治療経験。第45回日本リウマチ学会、東京、2001年5月

B-4
山下 進、松野容子、鶴田良介、川本 覚、富士岡章、藤田 基、山下久幾、小田泰 崇、河村宜克、若月 準、井上 健、藤田雄司、笠岡俊志、定光大海、前川 剛志:救命センター内ICUへの自動血液培養装置導入の背景。第28回日本集中治療 医学会総会、東京、2001年3月

河村宜克、定光大海、笠岡俊志、鶴田良介、井上 健、小田泰崇、山下  進、若月 準、川本 覚、前川剛志:ポータブル血液ガス分析器IRMAの有用性の検 討。第4回日本臨床救急医学会総会、名古屋市、2001年4月

鶴田良介、定光大海、前川剛志:救命救急センターにおける非侵襲的陽圧換 気法(NPPV)の役割。第23回日本呼吸療法医学会学術総会、大阪市、2001年 8月

鶴田良介、金子 唯、小田泰崇、河村宜克、山下 進、若月 準、金田浩太郎、井上  健、笠岡俊志、定光大海、前川剛志:高ホモシステイン血症は心臓突然死 の危険因子の一つである。第29回日本救急医学医学会総会、東京、2001年 11月

笠岡俊志、河村宜克、山下 進、小田泰崇、若月 準、原田一樹、森景則保、井上  健、鶴田良介、定光大海、前川剛志:救急患者の心筋傷害の診断および予後 予測における心筋トロポニンT迅速測定法の有用性。第29回日本救急医学医学会 総会、東京、2001年11月

笠岡俊志、金田浩太郎、河村宜克、山下 進、小田泰崇、若月 準、原田一樹、森景 則保、井上 健、鶴田良介、定光大海、前川剛志:重症患者における心拍・ 血圧変動の検討。第29回日本集中治療医学会総会、岡山市、2002年2月

井上 健、鶴田良介、笠岡俊志、定光大海、前川剛志:骨盤骨折を伴う外傷 患者の検討。第11回組織酸素代謝研究会、岡山市、2002年3月

田村栄稔林 亨奥田和功若井聡智大西光 雄中田康城定光大海:肝硬変合併せる肝切除症例のケトン体 の変化について。第29回日本救急医学会総会学術集会、東京、2001年11月

田村栄稔林 亨安岡良典廣岡慶治陳 若 富是恒之宏:搬入時の血液および心電図所見からみた来院時心肺停止 患者の心拍再開予知に関する検討。第49回日本心臓病学会学術集会、広島、 2001年9月

植田俊夫、福嶋靖人、田中 博、井上通敏、杉本 壽:在宅癌緩和ケアにお けるCATV回線を使用した遠隔医療支援。第21回医療情報学連合大会、2001年 11月

香月憲一、田野確郎、廣島和夫:弾発指に対する腱鞘外ステロイド注 射の治療成績。第74回日本整形外科学会、千葉、2001年4月

香月憲一、田野確郎、廣島和夫、惠木 丈:手に発生した内軟骨腫の 治療成績。第44回日本手の外科学会、大阪、2001年5月

香月憲一、田野確郎、廣島和夫:人工骨併用Intra-focal pinning法 で治療した高齢者橈骨遠位端骨折の臨床成績。第27回日本骨折治療学会、東 京、2001年7月

香月憲一、田野確郎、廣島和夫、惠木 丈:病的骨折を伴った手指内 軟骨腫の治療。第27回日本骨折治療学会、東京、2001年7月

田野確郎、香月憲一大園健二廣島和夫:肘部管症候群に 対する肘部管形成術の術後成績。第13回日本肘関節研究会、浜松、2001年2月

惠木 丈、香月憲一、田野確郎、坂中秀樹、杉本 武:舟状骨骨折に対する cannulated headless compression screw。第44回日本手の外科学会、大阪、 2001年5月

釜野雅行、香月憲一、安田匡孝:手関節鏡を併用した橈骨遠位端関節内骨折 の治療成績。第44回日本手の外科学会、大阪、2001年5月

田野確郎、香月憲一大園健二廣島和夫:正常アライメン トを有する肘部管症候群に対する肘部管形成術の術後成績。第44回日本手の外科 学会、大阪、

大西光雄中田康城若井聡智田村栄稔林  亨、田伏久之、塩野 茂、当麻美樹、高岡 諒、松坂正訓、尾中敦彦:COSHHア セスメントを用いた化学薬品災害対策―東大阪市の取り組み―。第29回日本救急 医学会総会・学術集会、東京、2001年11月

大西光雄、岡田直巳、都築 貴、尾中敦彦、中村達也、当麻美樹、塩野  茂、田伏久之:腹部鈍的外傷に合併した腎動脈損傷の一治験例。第15回日本外傷 学会、東京、2001年5月

奥田和功、内田直樹、小泉雅典、植木浜一、中野雅行:うっ血性心不全の経 過観察中に腹腔内大量出血にて死亡した肝血管肉腫の一例。肝胆膵外科関連会議 (第13回日本肝胆膵外科学会、第30回日本胆道外科研究会、第28回日本膵切研究会) 、仙台、2001年6月

B-5
香月憲一、田野確郎、廣島和夫、安田匡孝:Kienbock病に対する一時 的舟状小菱形骨関節固定術の治療成績。第18回中部日本手の外科研究会、大 阪、2001年1月

香月憲一:部分手関節固定術(日整会認定教育研修会)。第67回近畿手の 外科症例検討会、大阪、2001年11月

惠木 丈、坂中秀樹、香月憲一、日高典昭:橈骨遠位端骨折に合併する関節 内軟部組織損傷。第18回中部日本手の外科研究会、大阪、2001年1月

釜野雅行、香月憲一、安田匡孝:橈骨遠位端関節内骨折に対する鏡視下掌側 プレート固定法の治療成績。第18回中部日本手の外科研究会、大阪、2001年 1月

B-6
松崎由美子、河村宜克、鶴田良介、富士岡章、山下 進、井上 健、藤田雄司、 定光大海、前川剛志:意識障害,肺障害,心筋障害を呈した急性薬物中毒の 1例。第18回日本集中治療医学会中国四国地方会、米子市、2001年2月

川本 覚、原田 力、若月 準、藤田 基、小田泰崇、原田一樹、笠岡俊志、定 光大海、前川剛志:熱中症を合併した非ケトン性高浸透圧性糖尿病性昏睡の1救 命例。第18回日本集中治療医学会中国四国地方会、米子市、2001年2月

山下 進、吉富 郁、鶴田良介、藤田 基、山下久幾、小田泰崇、原田一樹、河村宜 克、若月 準、今井一彰、井上 健、笠岡俊志、定光大海、前川剛志:脾摘 後重症感染症(OPSI: Overwhelming Post Splenectomy Syndrome)の一例。第 17回日本救急医学会中国四国地方会、松山市、2001年6月

原田一樹、鶴田良介、小田泰崇、井上 健、山下 進、河村宜克、若月 準、笠岡俊 志、定光大海、前川剛志:潜在性誤嚥から急激に発症した膿胸・ARDSの一 例。第17回日本救急医学会中国四国地方会、松山市、2001年6月

山下和範、植田俊夫、緒方良治、他:救急車内蘇生遠隔支援の模擬体験-救命 士特定行為内容の拡大は可能か-。第5回遠隔医療研究会、2001年6月

香月憲一、田野確郎、廣島和夫:Dupuytren拘縮に対する拡大手掌腱 膜切除およびY-V形成法の治療成績。第96回中部日本整形外科災害外科学会、 大阪、2001年5月

香月憲一、釜野雅行、岸本正文:Galeazzi骨折後の手関節障害、第31回南 大阪リウマチ関節外科研究会、大阪、2001年7月

木村一隆、中田康城若井聡智、岩井江美子、田村栄稔林 亨: メトヘモグロビン血症を呈した DCPA+NAC 合剤による急性農薬中 毒の一例。第83回近畿救急医学研究会、滋賀、2001年3月

B-8
香月憲一:舟状骨骨折の診断と治療(日整会認定教育研修会)。なみはや 整形外傷21世紀フォーラム、大阪、2001年6月

香月憲一:手根骨の脱臼と骨折。大阪市大整形外科夏期セミナー、大 阪、2001年8月