婦人科
鈴木 瞭

婦人科の診療の中心は「がん」であり、入院患者の45%が悪性腫瘍患者である。年間の症例数は200例に及ぶ。ちなみに2002年度の症例数は209例(子宮頸癌110例、内膜癌55例、卵巣癌41例、その他13例)であった。症例数の多さから岡山大学、熊本大学、長崎大学、北里大学とともにわが国における世界産婦人科連合(FIGO)の悪性腫瘍登録機関の1つに選ばれて治療成績の報告をおこなっており、1995-1998年どの全世界の治療成績が平成15年度に刊行される予定となっている。
このような現状から、婦人科では「がん」の集学的治療に関する臨床研究を精力的に行っており、主に
1. 婦人科悪性腫瘍に対する傍大動脈リンパ節郭清を含む広汎性手術の安全性と診断的・治療的意義
2. 進行子宮頸癌に対する術前化学療法の効果
3. 子宮頸癌、内膜癌のハイリスク例に対する術後補助療法としての放射線治療と化学療法の比較検討
4. 初期子宮頸癌に対する保存的治療
などをテーマとしてその成績を論文として公表し、全国学会、地方部会で発表している。
さらに、国立病院の有志の10施設で卵巣癌の化学療法の共同研究を当婦人科内に事務局をおいて行っており、今年度中には新たに子宮内膜癌に対する化学療法に関する研究も開始する予定である。

【平成14年度研究発表業績】
A-0
KOSHIYAMA M, SUZUKI A, OZAWA M, HUZITA K, SAKAKIBARA A, KAWAMURA M, TAKAHASHI S, FUZII H, HIRANO T, OKAGAKI A, NAGANO T, BAN C: Adenocarcinomas Arising from Uterine Adenomyosis: A Report of Four Cases. International Journal of Gynecological Pathology 21(3): 239-245

A-3
藤井治子、永野忠義、榊原敦子、川村真、平野剛、越山雅文、岡垣篤彦、伴千秋、鈴木瞭、小澤満:子宮頚癌合併妊娠の取り扱いに関する検討。産婦人科の進歩54(1):31-34

川村真、鈴木瞭、永野忠義、岡垣篤彦、平野剛、越山雅文、藤井治子、榊原敦子、伴千秋、小澤満:子宮体癌の治療におけるリンパ節郭清の意義に関する検討。産婦人科の実際51(4):511-516

高橋秀元、永野忠義、藤田浩平、榊原敦子、藤井治子、平野剛、岡垣篤彦、伴千秋、鈴木瞭、倉田明彦、河原邦光:妊娠中に合併した分類不能の卵巣腫瘍の1例。産婦人科の進歩54(5):390-391

A-4
永野忠義、鈴木瞭、小澤満、平野剛、藤田浩平、榊原敦子、高橋秀元、藤井治子、岡垣篤彦、伴千秋:子宮体癌の手術療法-基靭帯切除の必要性とその程度-2期症例および再発例の検討から。日本婦人科腫瘍学会雑誌20(3):421-427

永野忠義、鈴木瞭、小澤満、平野剛、藤田浩平、榊原敦子、高橋秀元、藤井治子、岡垣篤彦、伴千秋:われわれの行う排尿機能温存手術手技。産婦人科手術13:69-75

B-4
藤田浩平、永野忠義、鈴木瞭、高橋秀元、榊原敦子、藤井治子、平野剛、岡垣篤彦、伴千秋:腸閉塞を中心とした傍大動脈リンパ節(PAN)郭清の合併症に関する検討。第54回日本産科婦人科学会学術講演会、東京、2002年4月

鈴木瞭、永野忠義、伴千秋、小澤満:子宮頚癌の治療における傍大動脈リンパ節郭清の評価。日本癌治療学会、東京、2002年10月

B-6
榊原敦子、永野忠義、藤田浩平、藤井治子、高橋秀元、平野剛、岡垣篤彦、伴千秋、鈴木瞭、河原邦光、倉田明彦:初回手術より9年後に再発をみた子宮間葉性腫瘍の一例。近畿産婦人科学会、大阪、2002年6月

高橋秀元、永野忠義、藤田浩平、榊原敦子、明坂治子、平野剛、岡垣篤彦、伴千秋、鈴木瞭:傍大動脈リンパ節郭清術における後腹膜無縫合の術後経過に及ぼす影響。近畿産婦人科学会、大阪、2002年6月

藤田浩平、永野忠義、榊原敦子、高橋秀元、藤井治子、平野剛、岡垣篤彦、伴千秋、鈴木瞭、河原邦光、倉田明彦、神先芳江:術前化学療法(TC療法)が著効し根治術を施行できた子宮体癌(4b期)の一例。平成13年度大阪産婦人科医会集談会、大阪、2002年3月

榊原敦子、永野忠義、荒川奈央子、藤田浩平、高橋秀元、平野剛、岡垣篤彦、伴千秋、鈴木瞭、河原邦光、倉田明彦:進行子宮体癌に対する取り組み?子宮体癌リンパ節転移症例についての検討?。近畿産婦人科学会、大阪、2002年11月

藤田浩平、永野忠義、荒川奈央子、榊原敦子、高橋秀元、平野剛、岡垣篤彦、伴千秋、鈴木瞭:子宮体癌に対するTXL(Paclitaxel)CBDCA(Carboplatin)併用療法(TC療法)の検討。近畿産婦人科学会、大阪、2002年11月

B-7
永野忠義、鈴木瞭、小澤満、平野剛、藤田浩平、榊原敦子、高橋秀元、藤井治子、岡垣篤彦、伴千秋:われわれの行っている広汎性子宮全摘術における排尿機能温存手技。大阪温知会総会、大阪、2002年3月

平野剛、永野忠義、荒川奈央子、藤田浩平、榊原敦子、高橋秀元、岡垣篤彦、伴千秋、 鈴木暸:当科における進行子宮頚癌の取り扱い。第3回産婦人科医療問題研究会、京都、2002年7月