皮膚科・アレルギー科・形成外科
羽白 誠

 当科はアレルギー性皮膚疾患や皮膚腫瘍などはじめさまざまな皮膚疾患を扱っております。なかでも専門性のある特色としてアトピー性皮膚炎や慢性蕁麻疹、円形脱毛症、尋常性乾癬、尋常性ざ瘡、多汗症、抜毛癖などの心身医学的・心療内科的診断と治療を行っております。ストレス社会といわれる昨今、身体疾患のみの診療ではなく患者さん個人の病状に影響するストレスを無視することはできない時代ではないかと思います。またアトピー性皮膚炎のような慢性皮膚疾患は患者さんの日常生活に大きく影響を及ぼします。こういった疾患では疾患とうまく付き合うことができないケースもしばしばみられます。患者さん個人の心理社会的な背景をふまえた診療を常に心がけ、患者さんのQOLの改善、治療に関するコンプライアンスの向上を目指した医療をしております。特にアトピー性皮膚炎に関しては社会の与える影響は大きく、今でも患者さんの混乱を招いているケースをみかけます。こういった患者さんたちの誤った認識を解くことも行っております。
 そのほか下肢静脈瘤などの血流障害、膠原病も専門外来を設けております。また皮膚皮下腫瘍に関しましては、形成外科と皮膚科協同で外科的治療、化学療法などを中心に積極的に行うほか、放射線科のご協力により放射線療法も行っております。形成外科は腫瘍の他、各科の術後の再建や顔面外傷、整容的な手術も行っております。
 このような分野において当科では学会発表、論文投稿、正書の執筆などを積極的に行っております。学問的な発展のみにこだわらず、日常診療のちょっとした工夫なども行って発表しております。
 臨床研究としてはアトピー性皮膚炎などの皮膚科疾患における心身医学的研究を単独あるいは他施設との協同などで行っております。特にアトピー性皮膚炎における掻破に関する行動医学的な解析や、疫学的手法を用いて心身医学的治療の有効性の検討・経済学的な有用性の評価、アトピー性皮膚炎における心身医学的治療のガイドライン作成などにも力を入れております。

【平成14年度研究業績発表】
A-0
YOSHITATSU S, TAKAGI T: A New Tie-over Method Improves Cosmetic Results. Dermatol Surg 28: 542-545

A-2
安藤哲也、羽白 誠、野田啓史、寺尾 浩ほか:アトピー性皮膚炎の心身症としての診断・治療ガイドラインの作成。「厚生労働省精神神経疾患委託研究費 心身症としての診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究総括研究報告書(平成11年度〜平成13年度)」、48-53

安藤哲也、野田啓史、羽白 誠、寺尾 浩:アトピー性皮膚炎「心身症診断・治療ガイドライン2002」、125-150、西間三馨 監修、協和企画、東京

羽白 誠:アトピー性皮膚炎。「抗不安薬と睡眠薬の使い方」、上島国利・久保木富房監修、66-70、アルタ出版、東京

羽白 誠:皮膚そう痒症。「抗不安薬と睡眠薬の使い方」、上島国利・久保木富房 監修、206-209、アルタ出版、東京

羽白 誠:アトピー性皮膚炎にともなう不安・抑うつ。「症例に学ぶ身体疾患と不安・抑うつ」、久保木富房 編、105-110、ヴァンメディカル、東京

A-3
羽白 誠:ストレスと皮膚病。臨牀看護28:389-393

羽白 誠:皮膚科と心理テスト。MB Derma 58:41-44

足立 準、庄田裕紀子、羽白 誠:腱鞘巨細胞腫。皮膚の科学1:89-90

大黒奈津子、樋口昌則、宮川幸子:出生直後から観察したincontinentia pigmentiの1例。皮膚の科学3:190-193

B-1
HASHIRO M: Quality of life in atopic eczema and urticaria patients. Workshop: Quality of life issues and treatment compliance in dermatology, The 20th World Congress of Dermatology Paris 2002, Paris France, July 2002

B-2
HASHIRO M: A case of dysesthesia in Japan. The Association for Psychocutaneous Medicine of North America, Annual Meeting, New Orleans U.S., February 2002.

ISHIDA Y, HASHIRO M, SAKANO Y: Self-monitoring for scratching behavior of adult atopic dermatitis. The 7th International Congress of Behavioral Medicine, Helsinki Finland, August 2002

B-4
吉龍澄子、高木 正:当科における眼窩内腫瘍の経験。第45回日本形成外科学会総会学術大会、長崎市、2002年4月

羽白 誠:アトピー性皮膚炎および慢性蕁麻疹患者の職場・学校不適応について。第43回日本心身医学会総会、東京都、2002年5月

安藤哲也、羽白 誠、野田啓史、寺尾 浩、志村 翠、佐久間正寛、古江増隆、横田欣児、西間三馨、石川俊男、小牧 元:アトピー性皮膚炎患者の心身医学的な診断基準と評価尺度の作成。第43回日本心身医学会総会、東京都、2002年5月

石田有希、羽白 誠、坂野雄二:成人型アトピー性皮膚炎患者の掻破行動に対するセルフモニタリングについて。第43回日本心身医学会総会、東京都、2002年5月

大黒奈津子、樋口昌則、宮川幸子、朴永東、市島國雄:卵巣杯細胞腫瘍に合併した皮膚肥満細胞症。第101回日本皮膚科学会総会、熊本市、2002年6月

吉龍澄子、高木 正:眼瞼脂腺癌の3例。第20回日本臨床皮膚外科学会学術大会、金沢市、2002年11月

高木 正、大野正浩、見目和崇、谷 守、吉龍澄子:Wheatley法による鼻尖部再建。第20回日本臨床皮膚外科学会学術大会、金沢市、2002年11月

B-5
羽白 誠:皮膚科におけるプライマリケアと心身医療。第33回日本心身医学会近畿地方会シンポジウム「各科におけるプライマリケアと心身医療」大阪市、2002年2月

羽白 誠:心身医学から見た皮膚アレルギー疾患。第54回日本皮膚科学会西部支部学術大会シンポジウム「皮膚アレルギー学の今日的理解」、松江市、2002年11月

B-6
羽白 誠:アトピー性皮膚炎患者のストレスと掻破、第7回アトピー性皮膚炎治療研究会、京都市、2002年1月

高木 正、吉龍澄子:Wheatley法による鼻尖部皮膚欠損の再建。第5回和歌山clinical derma研究会、和歌山市、2002年1月

坂井浩志、西川泰章、中森 綾、南 宏典、吉龍澄子、羽白 誠:モンドール病と考えられた1例。第157回大阪皮膚科症例検討会、大阪市、2002年1月

斉藤麻美子、小林信彦、梅川俊樹、大黒奈津子、福本隆也、宮川幸子:関節部や臀部に血疱や潰瘍を生じた1例。皮膚脈管・膠原病研究会、指宿市、2002年1月

吉龍澄子、高木 正:眼窩内腫瘍の経験?経頭蓋的アプローチにて摘出した3例?。第13回義眼床研究会、大阪市、2002年2月

大黒奈津子、樋口昌則、白井利彦、宮川幸子:優性栄養障害型表皮水疱症の1例。第370回日本皮膚科学会大阪地方会、天理市、2002年3月

樋口昌則、大黒奈津子、白井利彦、宮川幸子:単純型表皮水疱症の1例。第370回日本皮膚科学会大阪地方会、天理市、2002年3月

吉龍澄子、高木 正:眼瞼脂腺癌の3例?Pitfall in diagnosis?。第78回日本形成外科学会関西支部学術集会、大阪市、2002年6月

羽白 誠:非定型抗精神病薬で心身医学的治療を行った皮膚感覚異常症の3例。第53回日本皮膚科学会中部支部学術大会、岐阜市、2002年9月

横井祥子、小林信彦、大黒奈津子、山科幸夫、宮川幸子、桑原理充、波床光男:脱色素斑の臨床的意義を再認識し得たdouble Paget's diseaseの1例。第373回日本皮膚科学会大阪地方会、神戸市、2002年9月

吉龍澄子:整容的な植皮のための工夫。大阪府医師会医学会総会、2002年11月

高木 正、大野正浩、見目和崇、吉龍澄子:下眼瞼縁腫瘍切除の工夫(Kuhnt-Szymanowski変法)。大阪府医師会医学会総会、大阪市、2002年11月

B-8
羽白 誠:皮膚のアレルギー疾患と心身医学。大阪府保険医協会、大阪市、2002年10月

B-9
羽白 誠:皮膚疾患に伴う抑うつ症状。ラジオたんぱ メディカルコーナー、大阪市、2002年12月