放射線科
御供政紀

画像診断の各種臨床モダリティーはX線、超音波、ラジオアイソトープ、電磁波など、広い意味での「放射線」を用いる。近年の最新機器の話題は3tesla以上のMRI、16多列検出器型のMDCT(multi-detector CT)、血管造影とCTの連結装置などである。血管造影?CT連結装置の2002年度導入は決定したが、いずれも当院では現実化していない。
最新鋭機器ではないが、臨床最先端の研究を目指して取り組んでいるのは、MRIを用いた胆管/膵管系の dynamic MRCP と、 MDCTを用いるCT perfusionやMR diffusionを用いた頭部急性期疾患の早期診断である。これらは次年度にさらに大きな成果となろう。
放射線治療の分野の最先端治療は粒子線、重粒子線、陽子線治療などで、国立がんセンターや放射線医学研究所、一部の大学に限られる。多くの大学や地方がんセンターでは、正常組織を温存して病巣を集中的に治療する定位(または原体)照射や、イリジウム線源を用いた組織内小線源治療が一般化しつつあり、当院でも昨年度リニアックに定位脳照射装置が導入され、今年度は小線源治療装置が腔内照射装置ラルストロンからイリジウムを用いるマイクロセレクトロンに更新される。これらにより政策医療として掲げられる高度の癌治療の前線基地としての機器が整備される。放射線治療専門医師は1名のみであるが、上記の先進治療を推進するための研究を大阪大学、府立成人病センターなどと共同で行ってきた。
診療放射線技師は単純X線検査、機器特性や精度、画像処理、情報システムなど日常診療に密着した広い分野での研究を推進し発表をおこなっている。同時に厚生労働省近畿放射線技師会の共同研究に参加して成果を挙げている。
診療科としての面と、画像診断を中心とした中央部門としての面をもつ放射線科は、診療と教育に多くの時間を費やし広い領域をカバーしなければならない。従って研究面では各専門領域の一部に限定せざるを得ないし、各診療科の協力が不可欠である。そのような中で以下のテーマを掲げて邁進している。
1. 侵襲的診断と集学的治療の融合
2. 合画像診断の構築とディジタル画像情報管理
3. IVRの推進
4. 形態、動態、機能画像の合成複合画像による新診断法の開発
5. QOL重視の放射線治療推進
6. 放射線治療精度管理と治療計画システム整備

【平成14年度研究業績発表】
A-0
WATANABE Y, MITOMO M, TOKUDA Y, YOSHIDA K, CHOI S, HOSOKI T, BAN C. Eclamptic encephalopathy. Neuroradiology 44:981-985

A-2
御供政紀:頭部外傷「Emergency Radiology?救急画像診断とIVR?」救急放射線研究会・ERセミナー運営委員会:4-15、南江堂、東京

渡邉嘉之、下野太郎:子癇脳症「これでわかる拡散MRI」青木茂樹:244-245、秀潤社、東京 2002

A-3
吉田 謙、能勢隆之、小泉雅彦、御供政紀、西山謹司、吉田岑雄:組織内照射における金属マーカーの有用性?CTV-based Dose Prescriptionへの応用?。日本放射線腫瘍学会誌 13:256-260

能勢隆之、小泉雅彦、西山謹司、吉田 謙、井上俊彦:中咽頭における組織内照射。日本放射線腫瘍学会誌 28:198-204

柿本直也、村上秀明、古川惣平、田中英一、吉田 謙、山崎秀哉、井上武宏、井上俊彦、清水谷公成:二面もしくは立体刺入法による舌癌T3症例の低線量率および高線量率組織内照射。臨床放射線47:1715-1720

蓮池康徳、武田 裕、上田創平、辻仲利政、吉田 謙:肝カルチノイド術後、肝、リンパ節転移に対し局所療法を施行した1例。癌と化学療法29:2433-2436

A-6
御供政紀:卒後・卒前の医学教育改革と放射線科の将来。日本放射線科専門医会・医会誌 130:10-11

B-2
NOSE T, YOSHIDA K, KOIZUMI M, NISHIYAMA K, INOUE T. High dose rate interstitial brachytherapy for oropharynx cancer. 21st Annual ESTRO Meeting, Praha

B- 4
渡邉嘉之、御供政紀:子癇のMRI所見。第31回日本神経放射線学会、秋田、2002年2月

細木拓野、徳田由紀子、渡辺嘉之、崔 秀美、御供政紀、蓮池康徳、武田 裕:セクレチン刺激下dynamic MRCPを用いた膵液胆管逆流の描出。第61回日本医学放射線学会、神戸、2002年4月

吉田 謙、能勢隆之、小泉雅彦、吉田岑雄、西山謹司、御供政紀:CTV-based Dose Prescription における金属マーカーの有用性。第61回日本医学放射線学会、神戸、2002年4月

吉田 謙、能勢隆之、小泉雅彦、西山謹司、御供政紀:骨盤腫瘍に対する組織内照射における留置アプリケ?タの動きの検討。第15回日本放射線腫瘍学会、東京、2002年11月

樋口孝次:X線骨撮影待ち時間の検討。第57回国立病院療養所総合医学会、福岡市、2002年10月

藤崎 宏、山本明秀、松永桂典、佐野敏也、福本芳人、藤本豊、御供政紀:マルチスライス(Dual Detector)CTにおける基礎的物理特性の評価。第57回国立病院療養所総合医学会、福岡市、2002年10月

佐野敏也、伊藤譲一、小林美三男、福本芳人、藤本 豊、渡邉嘉之、御供政紀:患者ID入力の誤入力について。第57回国立病院療養所総合医学会、福岡市、2002年10月

B- 6
渡邉嘉之、御供政紀、徳田由紀子、藤見克之、吉田 謙、崔 秀美、細木拓野、恵谷秀紀:CT perfusionによる急性期脳血管障害の評価。第271回日本医学放射線学会関西地方会、大阪、2002年6月

渡邉嘉之、御供政紀:腫瘍との鑑別が困難であった出血性梗塞の1症例。第21回神経放射線ワークショップ、鳥取、2002年7月

吉田 謙、能勢隆之、川辺清人、大西剛史、佐々木潤一、小泉雅彦、御供政紀、西山謹司:骨盤組織内照射におけるテンプレート改善の試み。第4回日本放射線腫瘍学会小線源治療部会、広島、2002年6月

能勢隆之、小泉雅彦、大西剛史、佐々木潤一、川辺清人、西山謹司、吉田 謙:組織内照射における線量投与線の精度の検討?ガラス線量計による測定?。第4回日本放射線腫瘍学会小線源治療部会、広島、2002年6月

大西剛史、能勢隆之、川辺清人、佐々木潤一、熊谷洋司、山根康彦、福島英治、松井 等、小泉雅彦、佐々木靖廣、西山謹司、吉田 謙:頭頚部組織内照射における鉛ブロックの有効性について。第4回日本放射線腫瘍学会小線源治療部会、広島、2002年6月

藤崎 宏、山本明秀、松永桂典、佐野敏也、福本芳人、藤本豊、御供政紀:マルチスライス(Dual Detector)CTにおける基礎的物理特性の評価。第10回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、堺、2002年10月

松永桂典、佐野敏也、福本芳人、藤本豊、御供政紀:複数台を有するCT装置の基礎データ比較について。第10回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、堺、2002年10月

加古亜由美、樽井利明、福本芳人、藤本豊、御供政紀:当院の乳房撮影装置におけるAOPの検討。第10回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、堺、2002年10月

片倉和雄、佐野敏也、西野恵悟、米田 茂、大竹野浩史、中山智司、山ロ美穂子、山中早苗、亀村清輝:BRH評価法による胸部画像評価について。第10回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、堺、2002年10月

B- 8
御供政紀:急性意識障害の原因と診断・治療?後遺症を防げるか?。大阪府医師会/医学の進歩シリーズ、大阪、2002年4月

御供政紀:急性意識障害の診断と治療。国立病院療養所近畿放射線技師会学術講演会、大阪、2002年6月

御供政紀:急性頭部疾患の診断と治療。第47回香川画像診断懇談会、高松、2002年7月