臨床検査科
福原良典

1.部門構成
医師 4名(うち2名は兼務) 臨床検査技師 35名  検査補助 2名

2.臨床検査技師配置
臨床検査技師長,副臨床検査技師長   3名
外来検査室              5名
総合検査室              7名
輸血管理室              2名
生理検査室              7名
微生物遺伝子検査室          5名
感染情報室              1名
病理細胞検査室            4名
検体集積室              1名

3.各部門の紹介
 平成12年4月から第2次オーダリングシステムが本格稼働し,検体検査部門を中心に一層の自動化と省力化が推進されてきた.生理機能検査もオーダリング対象となり,心電図検査が端末で参照可能,各種エコー検査もオーダリングによる予約が可能となった.今年度も血液ガス分析装置の更新,自動分析機器の更新に伴い検体処理の迅速化が一層推進されつつある.外来での診察前検査の拡充,平成12年6月から開設された総合救急部門を支援すべく24時間体制での緊急検査業務の拡大充実化が図られ,診療支援に貢献している.
 一方,先端技術の導入にも積極的に取り組み,PCR法による感染症の迅速診断(ウイルスや抗酸菌の検出同定,耐性遺伝子の検出など)が日常検査として行われている.
1)検査・時間外緊急検査の充実拡大
平成10年3月に患者サービスの一環として集約開設された外来検査室では,採血・採尿と同時に診察前検査や緊急検査を行ってきたが,年々診察前検査・緊急検査数の伸びがみられ,対応できる検査項目も増えてきた.平成12年6月から開設された総合救急部門の取り扱い患者数増加につれ,時間外緊急検査数も急増してきた.
2)院内感染防止対策の強化
微生物遺伝子検査室では,院内感染のモニターおよび防止のため感染対策委員会に協力してメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の感染・保菌情報の発信,ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)の動向調査,バンコマイシン耐性腸球菌(VRE),レジオネラ属菌の監視培養などを行っている.院内感染対策強化の一環としてinfection control team(ICT)が設置され活動を始めたが,臨床検査科からも構成員を派遣するとともに,情報発信の拠点としてMRSA週報,感染分離菌・薬剤感受性情報の4半期毎の集計報告を行っている.
3)遺伝子検査の充実
ガン,HIV・HBV・HCV感染症診療を支えるため平成10年3月に遺伝子検査室が開設され,それぞれの診療科の要望に応えるべく,より特異性が高く高感度の検査法を導入してきた.ウイルス感染症の診断・治療に必要なウイルス量の定量検査や,抗ウイルス薬に対する薬剤耐性遺伝子の解析を日常検査として処理している.
4)毒劇物中毒関連検査
平成12年6月開設の総合救急部門への毒劇物中毒患者受け入れ増加に伴い,原因物質究明に関連した血中薬物濃度測定装置と高速液体クロマトグラフィーによる迅速定量検査数も増加の一途をたどっている.毒劇物のスクリーニング検査のためのライブラリーも数・内容とも充実を遂げている.


4.エコーセンターの充実
エコー機器の有効利用を図る目的で,平成10年8月に臨床検査科生理検査室内にエコーセンターが設置された.これ以降専門医による精度の高いエコー検査とエコー下治療,臨床検査技師によるスクリーニング検査が平行して効率よく行われてきている.エコー検査のオーダリング端末からの予約も可能となり,検査成績も参照可能となった.検査に携わる臨床検査技師3名が,超音波学会の認定を受けるに至っている.

5.病理検査
病理検査室は日本病理学会認定医師2名と技師4名で運営している.診療内容は組織診,細胞診,剖検からなっている.組織診の対象は当院の診療内容を反映して多岐にわたり,ガン手術材料から心・腎などの針生検材料まで良性・悪性様々な疾患を扱っている.特に当院では婦人科悪性腫瘍,大腸ガンをはじめとする消化器ガン,乳ガン,小児骨軟部悪性腫瘍,血液系腫瘍が多い.これらの適切な診断には,免疫染色(酵素抗体法)が併用され,診断率の向上,治療法の選択に寄与している.細胞診の対象も広い領域におよんでいる.術中の迅速組織診の際にも,迅速細胞診として全例に併用され,強力な補助診断となっている.

【平成14年度研究業績発表】
A-0
OHATA C, KAWAHARA K: CD34-reactive myxoid dermal dendrocytoma. Am J Dermatopathol 24: 50-3

SHIMIZU K, MICHIDA T, NISHIMURA Y, SATOMI E, KAWAHARA K, KURATA A, IKEDA M: Endoscopic resection of gastric plasmacytoma. Digestive Endoscopy 14:119-122

KURATA A, KAWAHARA K: Chondromyxoid fibroma of the ilium. Arch Histopathol DD(9): 30-32

A-3
河原邦光、木村明、岡垣篤彦、藤田幸久、河野明、林輝子、大橋澄子、東堂龍平、倉田明彦、楠岡英雄:国立大阪病院内オーダリングシステムにおける細胞診検査のオンライン化。臨床病理50:630-634

向出裕美、蓮池康徳、武田裕、辛栄成、三嶋秀行、西庄勇、辻仲利政、河原邦光、倉田明彦:チロシンキナーゼインヒビターSTI571が有効であったGISTの一例。癌と化学療法29:2329-2332

福原吉典、今井宣子:尿検査・腎機能検査の新しい流れ。臨床病理50補冊:83

河原邦光、大畑千佳:頬に発生した副耳の一例-病理診断のpitfall-。岡山外科病理雑誌39:5-9

A-4
福原吉典:読む総合病院 なんでも健康相談 「腎嚢胞」について教えてください。きょうの健康8:140

A-6
井上信正、河原邦光:症例U MDSより急性白血病に移行し、末期に原因不明の呼吸障害を発症し、死亡した1例。阪神合同C.P.C抄録集、第125回:16-20

福原吉典、今井宣子:尿検査・腎機能検査の新しい流れ。The Medical & Test Journal (834):12

福原吉典、今井宣子:尿検査・腎機能検査の新しい流れ。Medical Academy News (845):7

B-3
福原吉典、今井宣子:(シンポジウム)尿検査・腎機能検査の新しい流れ。第49回日本臨床検査医学会総会、大阪、2002年11月

河原邦光、木村明、岡垣篤彦、藤田幸久、河野明、林輝子、大橋澄子、東堂龍平、倉田明彦、楠岡英雄:タスクフォース3 院内オーダリングシステムにおける細胞診検査のオンライン化。第43回日本臨床細胞学会、大阪、2002年6月

溝上泰司、松永加奈江、常松裕子、佐子肇、山下保喜、吉崎悦郎、福原吉典、白阪琢磨:HIV治療遂行のためのモニタリングシステムの進展 − 薬剤耐性変異の推移−。57回国立病院療養所総合医学会、福岡、2002年10月

B-4
三上聡司、杉浦寿央、和田 晃、福原吉典:甲状腺機能が腎機能に与える影響の検討。第45回日本腎臓学会学術総会、大阪、2002年5月

三上聡司、杉浦寿央、和田 晃、福原吉典:MRSAトンネル感染を発症した抗リン脂質抗体症候群(APS)の2症例。第47回日本透析医学会学術集会、東京、2002年7月

河原邦光、上平朝子、藤純一郎、上田千里、白阪琢磨、木村明、林輝子、藤田幸久、藤田幸久、大橋輝子、倉田明彦:BALにて診断されたAIDS合併カリニ肺炎5例の細胞診学的検討。第41回日本臨床細胞学会秋期大会、下関、2002年11月

河原邦光、上平朝子、藤純一郎、上田千里、大谷成人、白阪琢磨:BALにて診断されたAIDS合併カリニ肺炎5例の細胞診学的検討。第16回日本エイズ学会学術集会、下関、2002年11月

長倉俊明、丸尾昭二、道田知樹、河原邦光、山田憲嗣、楠岡英雄、生田幸士:医学と工学の融合型医用デバイス。第16回日本エム・イー学会秋季大会、福岡、2002年11月

常松裕子、溝上泰司、松永加奈江、佐子肇、山下保喜、吉崎悦郎、福原吉典、加藤道夫:アンプリコアHBVモニターを用いたHBV DNA定量について。第57回国立病院療養所総合医学会、福岡、2002年10月

新田幸一、渡邉清司、小野利枝、磯村和正、古屋晃子、古都志津香、吉崎悦郎、福原吉典:汎用自動分析機によるCRP高感度測定法の基礎的検討。第57回国立病院療養所総合医学会、福岡、2002年10月

道田知樹、津田南都子、清水健吾、岡成光、西村善也、金子晃、結城暢一、山本佳司、黒澤和平、加藤道夫、池田昌弘、藤谷和正、辻仲利政、河原邦光、倉田明彦:胃腫瘍の内視鏡生検診断の精度に関する検討-EMRの適応拡大に向けて。第57回国立病院療養所総合医学会、福岡、2002年10月

B-5
渡邉清司:検査室における職業感染対策。第42回近畿医学検査学会、和歌山、2002年10月

B-6
古都志津香、新田幸一、渡邉清司、吉崎悦郎、福原吉典:汎用自動分析装置によるCRP高感度測定法の基礎的検討。第29回国立病院臨床検査技師協会近畿支部学会、京都、2002年6月

松永加奈江、溝上泰司、常松裕子、佐子肇、山下保喜、吉崎悦郎、福原吉典:アンプリコアHBVモニターを用いたHBV DNA定量について。第29回国立病院臨床検査技師協会近畿支部学会、京都、2002年6月

河野明、島本繁、磯村和正、菅原純、吉崎悦郎、上平朝子:HIV感染患者の日和見感染症のー例。第42回近畿医学検査学会、和歌山、2002年10月

河原邦光:稀な前立腺病変。第8回病理集談会、大阪、2002年2月

道田知樹、阪森亮太郎、西山彩子、清水健太郎、津田南都子、里見絵里子、西村善也、金子晃、結城暢一、山本佳司、加藤道夫、池田昌弘、河原邦光、辻仲利政:IIb様進展を伴う診断困難例。第318回大阪胃研究会大阪、2002年3月

道田知樹、阪森亮太郎、西山彩子、清水健太郎、津田南都子、里見絵里子、西村善也、金子晃、結城暢一、山本佳司、加藤道夫、池田昌弘、河原邦光、辻仲利政:MALTomaの一例。第5回EUS研究会、大阪、2002年3月

久田原郁夫、家口尚、河原邦光、倉田明彦:左拇指軟部腫瘍。第87回関西骨軟部腫瘍研究会、大阪、2002年10月

荒川奈央子、永野忠義、藤田浩平、榊原敦子、伴千秋、鈴木瞭、河原邦光、倉田明彦:子宮体部類内膜腺癌術後早期に腹腔内に漿液性腺癌を発症した二症例。第22回関西婦人科病理懇話会、大阪、2002年11月

河原邦光、倉田明彦:S字状結腸間膜内に発生した稀な悪性間葉系腫瘍に一例。第二回大阪病理研究会、大阪、2002年12月

河原邦光、中田健:胃腫瘍の一例。第325回大阪胃研究会、大阪、2002年12月

河原邦光、倉田明彦:S状結腸間膜腫瘍。第174回岡山外科病理研究会、岡山、2002年12月

B-8
福原吉典:慢性腎不全の治療戦略。浪速区医師会学術講演会、大阪、2002年4月

福原吉典:腎障害を伴う高血圧の治療戦略。東淀川区医師会学術講演会、大阪、2002年12月

福原吉典:腎障害を伴う高血圧の治療。山之内製薬大阪支店、大阪、2002年9月

福原吉典:原発性腎炎。平成14年度腎ネット腎疾患研修、佐倉、2002年11月