小  児  科
多和昭雄

 病院小児科の役割として、無床診療所との連携を中心とする地域医療の核となること、特殊な疾患に対する高度専門医療を推進することの2点を心がけ診療にあたっている。
 以下に重点的に取り組んでいる疾患をあげる。
新生児医療:先天性脳神経疾患の新生児、血液、内分泌・代謝疾患の母親から出生した新生児、健康新生児ならびに病的新生児。
高度小児専門医療:先天異常、奇形、骨系統疾患、発育・発達障害、血液、がん、消化器、内分泌、膠原病、アレルギー、神経、心身症、感染症(HIV感染症を含む)。
成人化した小児難病治療:小児難病患者の内科専門外来への円滑なバトンタッチ。
 2002年1月から12月までの退院患者は、新生児132名、急性疾患85名、いわゆる小児難病108名の計325名であった。新生児疾患では低出生体重児・早期産児が50名、高ビリルビン血症が44名、急性疾患では肺炎・気管支炎が32名、喘息・喘息性気管支炎が29名、小児難病では血液・腫瘍疾患が32名、膠原病が15名であった。
 2001年11月から臨床心理士が外来診療へ参加し、不登校を始め最近増加の一途をたどる小児の心理的なアプローチを必要とする疾患にも積極的に取り組み成果をあげている。
 臨床研究としては、白血病・悪性リンパ腫に関して全国規模の治療研究(小児白血病研究会)に参加、希少疾患に関しては国際的多施設共同研究にも参加している。脳腫瘍を始めとする小児がん、特発性血小板減少症、栄養・消化器、膠原病、神経疾患に関しては、大阪近隣の施設と連携した治療研究を行っている。いずれの場合も治療に直結した実践的な医療、患者のQOLの改善に資するための研究を心がけている。

【平成14年度研究業績発表】
A-1
YUMURA-YAGI K, HARA J, HORIBE K, TAWA A, KOMADA Y, ODA M, NISHIMURA S, YOSHIDA M, KUDO T, UEDA K: THE JAPAN ASSOCIATION OF CHILDHOOD LEUKEMIA STUDY: Outcome after relapse in childhood acute lymphoblastic leukemia. Int J Hematol 76:61-68

A-3
八木啓子、奥山宏臣、原 純一、草深竹志、圀府寺 美、迫 正廣、中村哲郎、朴 永東、馬淵 理、倭 和美、三宅宗典、多和昭雄:小児がんカンファレンス参加施設における小児肝芽腫治療の実態。小児がん39(1): 31-36

A-5
国立病院・療養所共同基盤研究班「院内感染の実態調査と今後の感染予防対策の検討」松田俊二、永井英明、内海 眞、多和昭雄、古谷 磨、井口厚司:薬剤耐性菌の院内検出頻度と院内感染防止対策上の諸問題。医療57(4):209-214

B-4
小児白血病研究会 (JACLS) 、西村真一郎、宇佐美郁哉、小田 慈、工藤 亨、駒田美弘、多和昭雄、原 純一、八木啓子、谷澤昭彦、吉田 真、堀部敬三、上田一博:JACLS ALL ER-97研究の治療成績。第44回日本小児血液学会、東京、2002年10月

小児白血病研究会 (JACLS代表上田一博) ALL小委員会、吉田 真、工藤 亨、駒田美弘、原 純一、八木啓子、多和昭雄、小田 慈、西村真一郎、堀部敬三:小児急性リンパ性白血病予後超超不良群に対するALL-97Fプロトコールの検討。第44回日本小児血液学会、東京、2002年10月