皮膚科・アレルギー科・形成外
羽白 誠
 

国立病院大阪医療センター皮膚科はアレルギー性皮膚疾患や皮膚腫瘍などはじめ、さまざまな皮膚疾患を扱っております。なかでも専門性のある特色としてアトピー性皮膚炎や慢性蕁麻疹、円形脱毛症、尋常性乾癬、尋常性ざ瘡、多汗症、抜毛癖などの心身医学的・心療内科的診断と治療を行い、学会発表や論文著述を行っています。成果の発表は国内にとどまらず、米国や欧州でも行っております。ストレス社会といわれる昨今、身体疾患のみの診療ではなく患者さん個人の病状に影響するストレスを無視することはできない時代であり、日本皮膚科学会や日本心身医学会、日本心療内科学会などではアトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚科疾患のストレス対策が注目されつつあります。今年は大阪皮膚科医会が主催となり、日本皮膚科学会、日本医師会、厚生労働省を後援とした一般向けの「ひふの日講演会」におきまして、「アトピー性皮膚炎とストレス」と題した講演をさせていただきました。アトピー性皮膚炎のような慢性皮膚疾患は患者さんの日常生活に大きく影響を及ぼします。こういった疾患では疾患とうまく付き合うことができないケースがみられます。患者さん個人の心理社会的な背景をふまえた診療を常に心がけ、患者さんのQOLの改善、治療に関するコンプライアンスの向上を目指した医療をしております。特にアトピー性皮膚炎に関しては社会の与える影響は大きく、今でも患者さんの混乱を招いているケースをみかけます。こういった患者さんたちの誤った認識を解くことも行っております。
 そのほか下肢静脈瘤などの血流障害も専門外来を設けており、学会発表を行っております。また形成外科でも学会発表、論文投稿を盛んに行っております。
 このような分野において当科では学会発表、論文投稿、正書の執筆のみでなく、日常診療のちょっとした工夫なども行って発表しております。
 臨床研究としてはアトピー性皮膚炎などの皮膚科疾患における心身医学的研究を単独あるいは他施設との協同などで行っております。特にアトピー性皮膚炎における掻破に関する行動医学的な解析や、疫学的手法を用いて心身医学的治療の有効性の検討・経済学的な有用性の評価、アトピー性皮膚炎における心身医学的治療のガイドライン作成などにもひきつづき勢力を注いでおります。

【平成15年度研究業績発表】
A-0
TSUTSUI J, MIYOSHI H, YOSHII K, HASHIRO M, KANZAKI T, NOZOE S, NARUO T:Validation of the Japanese Version of the Itch-Related Cognition Questionnaire for Atopic Dermatitis. Dermatol Psychosom 4:21-26, 2003.

A-2
羽白誠:総論V−5 皮膚科、「現代心療内科学」久保千春・中井吉英・野添新一 編、pp.72-80、永井書店、東京、2003年10月.

羽白誠:各論V−2−3 慢性蕁麻疹、「現代心療内科学」久保千春・中井吉英・野添新一編、pp.422-428、永井書店、東京、2003年10月.

羽白誠:各論V−2−4 円形脱毛症、「現代心療内科学」久保千春・中井吉英・野添新一編、pp.429-436、永井書店、東京、2003年10月.

羽白誠:各論V−2−5 アトピー性皮膚炎、「現代心療内科学」久保千春・中井吉英・野添新一編、pp.437-446、永井書店、東京、2003年10月.

小牧元、安藤哲也、羽白誠:アトピー性皮膚炎の診断・治療ガイドラインを用いた評価法の開発に関する研究、厚生労働省精神・神経疾患研究委託費による研究報告集(2年度班・初年度班)、p472、東京、2003年6月

A-3
羽白誠:アトピー性皮膚炎 こころのケア。綜合臨牀、52:480-482, 2003.

羽白誠:皮膚疾患に伴う抑うつ症。Medical Corner, 112:12-14, 2003.

片山一郎、片岡葉子、羽白誠、安藤哲也:アトピー性皮膚炎の治療−心身医学的側面から考える−。日本醫亊新報、4125:C1-C6, 2003.

羽白誠:皮膚疾患におけるストレス緩和治療。綜合臨牀、52:2039-2042, 2003.

羽白誠:心身症としての蕁麻疹の位置づけ。アレルギーの臨床、23:22-25, 2003.

細谷律子、羽白誠、斉藤隆三:心身医学会のアトピー性皮膚炎ガイドライン。皮膚病診療、25:783-801, 2003.

安藤哲也、羽白誠、原信一郎、石川俊男、小牧元:アトピー性皮膚炎患者の心身症としての診断・治療ガイドラインの作成。日本心療内科学会誌、7:141-148, 2003.

石田有希、羽白誠、坂野雄二:成人型アトピー性皮膚炎患者の掻破行動に対するセルフモニタリングについて。心身医学、43:590-597, 2003.

羽白誠:心身医学からみた皮膚アレルギー疾患。マルホ皮膚科セミナー、165:37-41, 2003.

羽白誠:アトピー性皮膚炎の心身医学。心療内科、7:465-470, 2003

羽白誠:アトピー性皮膚炎の心身症に関する質問紙とガイドライン。皮膚の科学、2,supple3:57-61,2003.

B-2
HASHIRO M:A case of atopic dermatitis showed improvement of behavior and skin symptom by the intervention with behavior limitation and brief therapeutic technique. The Association for Psychocutaneous Medicine of North America, annual meeting, San Francisco, March 20 2003.

HASHIRO M, ISHIDA Y, SAKANO Y:Self-monitoring for scratch behavior in patients with atopic dermatitis. 10th International Congress of the Europian Society for Dermatology and Psychiatry, Brussels, Belgium, May 8-10 2003.

ANDO T, HASHIRO M, HARA S, NODA K, TERAO H, ISHIKAWA T, KOMAKI G:Proposal of a diagnostic and therapeutic guideline for psychosomatic approach to the patients with atopic dermatitis in Japan. 17th World Congress of Psychosomatic Medicine, Waikoloa, Hawaii, August 23-28, 2003.

B-3
安藤哲也、羽白誠、原信一郎、石川俊男、小牧元:アトピー性皮膚炎(Atotpic dermatitis, AD)の心身症としての診断・治療ガイドラインの作成。第7回日本心療内科学会学術大会シンポジウム、新潟、2003年1月

羽白誠:難治性顔面紅斑と精神神経因子の関与。第102回日本皮膚科学会総会ランチョンセミナー、浦安、2003年5月

B-4
原信一郎、石川俊男、塚本尚子、富岡光直、吾郷晋浩、羽白誠、細谷律子、片岡葉子、清水良輔、川上尚弘:アトピー性皮膚炎の病態の理解と精神神経免疫学的研究(第2報)。第44回日本心身医学会総会、沖縄、2003年5月

原信一郎、石川俊男、塚本尚子、富岡光直、吾郷晋浩、羽白誠、細谷律子、片岡葉子、清水良輔、川上尚弘:アトピー性皮膚炎の病態の理解と精神神経免疫学的研究(第3報)。第44回日本心身医学会総会、沖縄、2003年5月

筒井順子、吉井恵子、羽白誠、神崎保、成尾鉄朗、野添新一:アトピー性皮膚炎患者の社会不安傾向と社会的スキルの関係。第44回日本心身医学会総会、沖縄、2003年5月

大畑千佳、羽白誠、吉龍澄子、南宏典、河原邦光:右前頸部の皮下腫瘤。第102回日本皮膚科学会総会、浦安、2003年5月

深井照美、羽白誠、吉田美和子、青野勝成、坂本富士美、川西園代、鞍田三貴、伊藤浩一、霜野正幸:国立大阪病院における褥瘡対策への取り組みと課題。第58回国立病院療養所総合医学会、札幌、2003年11月

早川昌子、大森すい子、大澤清美、桟裕子、土居和代、高塚雄一、柏木雄次郎、相原智彦、保坂直昭、辻本浩、岡田淳子、羽白誠:女性乳がん患者への心理・社会的サポートの必要性と関連要因に関する検討。第51回日本職業・災害医学会、横浜、2003年11月

B-5
羽白誠:アトピー性皮膚炎の心身症に関する質問紙とガイドライン。アトピー性皮膚炎治療研究会第8回シンポジウム指定演題、福岡、2003年1月

羽白誠:ストレス関連疾患としてのアトピー性皮膚炎(診断・治療)。第5回プライマリーヘルスケアネットワーク研究会特別講演、大阪、2003年2月

羽白誠:皮膚科における心身医学的連携治療。第4回関西こころのケア研究会パネルディスカッション「心身医学的連携治療」、大阪、2003年10月

羽白誠:アトピー性皮膚炎と心身症について。第1回北摂アレルギー・アトピー懇話会特別講演、豊中、2003年11月

B-6
羽白誠:心身症診断・治療ガイドラインについて。第17回皮膚科心身医学研究会、東京、2003年2月

坂井浩志、羽白誠、片岡照貴、大黒奈津子、南宏典、吉龍澄子、磯ノ上正明:当科における過去一年間の下肢静脈瘤手術について。 第375回日本皮膚科学会大阪地方会、2003年2月

羽白誠:肌をみられることをいやがる男子アトピー性皮膚炎の一例。 第9回皮膚科心身医学療法研究会、大阪、2003年9月

大黒奈津子、坂井浩志、南宏典、羽白誠、吉龍澄子:側頭部に出現した巨大腫瘤の一例。第54回日本皮膚科学会中部支部学術大会、大阪、2003年11月

坂井浩志、大黒奈津子、南宏典、羽白誠:鎖骨下静脈に生じた深部静脈血栓症の一例。第54回日本皮膚科学会中部支部学術大会、大阪、2003年11月

吉龍澄子、西山晶子、平尾素宏、辻仲利政:食道癌根治照射後の咽頭空腸縫合不全の治療―Tチューブと大胸筋皮弁による新しい閉鎖法―。 第80回日本形成外科学会関西支部学術集会、神戸、2003年6月

吉龍澄子、濱中紀子、吉田謙、坂井浩志、真能正幸:再発、転移を起こし、治療に難渋した眼瞼悪性腫瘍の2例。 第81回日本形成外科学会関西地方会支部学術集会、神戸、2003年12月

B-8
羽白誠:皮膚疾患におけるプライマリケアとしての心療内科的対応。大阪市東区医師会学術講演、大阪、2003年6月

羽白誠:アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚科疾患の心理的側面および学校における具体的対応。第47回京都府学校保健研究大会教育講演、綾部、2003年10月

羽白誠:アトピー性皮膚炎とストレス。平成15年度ひふの日講演会、大阪、2003年11月

B-9
羽白誠:心身医学からみた皮膚アレルギー疾患。ラジオたんぱ「マルホ皮膚科セミナー」、大阪、2003年7月

羽白誠:ストレスと皮膚疾患。ラジオ大阪「アレルギー診察室」、大阪、2003年11月