泌尿器科
       
 岡 聖次
 平成15年(2003年)も臨床面で当科が取り扱った2大疾患は、悪性腫瘍と尿路結石症であったが、平成15年の入院患者総数541名の内、悪性腫瘍患者は263名(48.6%)、尿路結石症患者は63名(11.6%)であり、悪性腫瘍患者の占有率が50%に迫っている。
 悪性腫瘍の病種別では、例年と同様、膀胱癌(114名)、前立腺癌(92名)、腎細胞癌(32名)が3大取り扱い疾患であったが、前立腺癌の患者数が平成14年度の55名から著明に増加した。
 手術では、膀胱癌に対するTUR-BTが108件、前立腺肥大症に対するTUR-Pが51件であり、経尿道的手術が多くを占めたが、前立腺癌に対する前立腺全摘除術が15件、腎細胞癌に対する根治的腎摘除術が14件、腎部分摘除術が5件、腎盂・尿管腫瘍に対する腎尿管全摘除術は7件、膀胱癌に対する膀胱全摘除術が7件であった。
 なお、腎細胞癌や腎盂・尿管腫瘍に対しては、現在先を争って腹腔鏡下手術で行う方向に流されている感があるが、腹腔鏡下で手術を行っても、摘除物を取り出すときには創を拡げなければならないこと、操作器具が高価であること、重大な合併症に対する処置が遅れる危険があることなどにより、われわれは本年度より、摘除物を取り出すための最小限の創(通常4?7cmの切開創)で行うミニマム創手術を基本的手術法とする方針で治療を開始した。
 研究面では、正直なところ、平成15年度は極めて低迷であった。この反省を踏まえ、平成16年度は積極的に学会活動を行うと共に、従来からの検討課題であった、種々の泌尿器科癌に対する当科の臨床成績を「泌尿器科癌取り扱い基準」に準じて調査・検討し、学会報告やホーム・ページを通じて公開するシステムを構築する予定である。

【平成15年度研究業績発表】
A-3
横溝智、松岡庸洋、岡聖次:術前診断が困難であった腎血管筋脂肪腫の2例。臨泌、57(2):165-167、2003
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甲野拓郎、横溝智、桃原実大、松岡庸洋、北村雅哉、赤井秀行、高羽津、岡聖次、河原邦光、倉田明彦:放射線照射31年後に腹壁より発生したと考えられた骨外性骨肉腫膀胱浸潤の1例。泌尿器外科、16(12):1285-1288、2003.

熊本悦明、塚本泰司、松川雅則、国島康晴、広瀬崇興、茂田士郎、山口脩、荻原雅彦、石橋啓、高橋和郎、吉田浩、今福祐司、村井勝、渡辺清明、小林芳夫、内田博、松田静治、佐藤新一、藤目真、藤田和彦、猪狩 淳、小栗豊子、山口恵三、古谷信彦、樫谷総子、大江宏、西川美年子、岡聖次、北村雅哉、松岡庸洋、福原吉典、公文裕巳、門田晃一、河野茂、朝野和典、宮崎義継、平瀉洋一、青木志保:尿路感染症分離菌に対する経口並びに注射用抗菌薬の抗菌力比較(第23報2001年).その1. 感受性について。Jpn J Antibiotics、56:396-423、2003

熊本悦明、塚本泰司、松川雅則、国島康晴、広瀬崇興、茂田士郎、山口脩、荻原雅彦、石橋啓、高橋和郎、吉田浩、今福祐司、村井勝、渡辺清明、小林芳夫、内田博、松田静治、佐藤新一、藤目真、藤田和彦、猪狩 淳、小栗豊子、山口恵三、古谷信彦、樫谷総子、大江宏、西川美年子、岡聖次、北村雅哉、松岡庸洋、福原吉典、公文裕巳、門田晃一、河野茂、朝野和典、宮崎義継、平瀉洋一、青木志保:尿路感染症分離菌に対する経口並びに注射用抗菌薬の抗菌力比較(第23報2001年).その2. 患者背景。Jpn J Antibiotics、56:424-436、2003

熊本悦明、塚本泰司、松川雅則、国島康晴、広瀬崇興、茂田士郎、山口脩、荻原雅彦、石橋啓、高橋和郎、吉田浩、今福祐司、村井勝、渡辺清明、小林芳夫、内田博、松田静治、佐藤新一、藤目真、藤田和彦、猪狩 淳、小栗豊子、山口恵三、古谷信彦、樫谷総子、大江宏、西川美年子、岡聖次、北村雅哉、松岡庸洋、福原吉典、公文裕巳、門田晃一、河野茂、朝野和典、宮崎義継、平瀉洋一、青木志保:尿路感染症分離菌に対する経口並びに注射用抗菌薬の抗菌力比較(第23報2001年).その3. 感受性の推移。Jpn J Antibiotics、56:584-673、2003

B-6
永原啓、桃原実大、甲野拓郎、北村雅哉、赤井秀行、高羽津、岡聖次、河原邦光、倉田明彦:後腹膜脂肪肉腫の1例。第183回日本泌尿器科学会関西地方会、大阪、2003年6月

甲野拓郎、北村雅哉、永原啓、赤井秀行、高羽津、岡聖次、三嶋秀行:後腹膜腫瘍にて発見された前立腺癌の1例。第184回日本泌尿器科学会関西地方会、大阪、2003年9月