救命救急センター・総合救急部
定光大海
 総合救急部は、三次救急に対応する救命救急センターで主として外傷、急性中毒、熱傷、心肺停止、ショック、臓器不全など重症救急患者の診療、政策医療のひとつである災害医療の体制作りを主な業務とし、さらに院内の急変時Blue Callにも対応している。本年度は白鴻成先生が新たに加わったが、中田康城先生が鳥取大学医学部救急医学講座助教授として転任したため、相変わらず5名のスタッフと2名のレジデントで三次救急とBlue Callに24時間対応している。災害医療では、院内の災害訓練を手がけ、中央区や大阪府立病院、東京災害医療センターなどが実施している実地訓練や机上訓練に毎年参加している。救急医療の重要な業務であるメディカルコントロールでは、特定行為の指示は勿論のこと、病院前の直接的医療活動の担い手である救急救命士の年2回の病院実習や救急症例検討会、プレホスピタル研究会などの教育活動や、大阪市の救急搬送事例に対する活動検証(年12回)も担っている。
 臨床研究としては、外傷に対する治療法の標準化と評価法、地域で起こりうる化学災害を想定した中毒・毒物情報の策定、放射線災害に対する診療支援体制の確立などが主なテーマである。軽度低体温療法の効果に関する全国規模の多施設二重盲検試験や重症呼吸不全に対する急性期好中球エラスターゼ阻害剤の効果、亜急性期ステロイド療法の効果に関する研究などが現在進行中である。
 
【平成15年度研究発表業績】
A-0
HARADA K, MAEKAWA T, TSURUTA R, KANEKO T, SADAMITSU D, YAMASHITA T, YOSHIDA K. Hypothermia inhibits transl ocation of CaM kinase II and PKC-α, β, γ isoforms and fodrin proteolysis in rat brain synaptosome during ischemia-reperfusion. Journal of Neuroscience Research,67(5):664-669, 2003.

TSURUTA R, KAWAMURA Y, INOUE T, KASAOKA S, SADAMITSU D, MAEKAWA T. Corticosteroid therapy for hemolytic anemia and respiratory failure due to mycoplasma pneumoniae pneumonia. Internal Medicine 41(3):229-232, 2003.

A-2
定光大海、前川剛志:脳脊髄障害の病態と治療法「脳虚血、頭部外傷、頭蓋内圧亢進」坂部武史編、脳神経外科手術と麻酔 基礎と臨床pp110-118、新興交易(株)医書出版部 2003年10月

定光大海、中田康城、若井聡智、香月憲一:外傷 太田宗夫・高橋章子編 救急対応テクニカル・ガイド、医学芸術社、東京、p181-195, 2003.

中田康城:どうしても創からの出血がとまらない 平出 敦編、ひとりで当直するとき役に立つ小外科のコツ、羊土社、東京、p118-121, 2003.

大西光雄:異物摘出のいろいろ−刺さった針、抜けなくなった指輪、など− 平出 敦編、ひとりで当直するとき役に立つ小外科のコツ、羊土社、東京、p122-126, 2003.

A-3
金田浩太郎、井上健、定光大海、若月準、高橋勉、鶴田良介、前川剛志:横紋筋融解による急性腎不全を合併した重症破傷風の1救命例。日集中医誌、2003;10:193-196.
 
小田泰崇、鶴田良介、笠岡俊志、井上健、山下進、若月準、定光大海、前川剛志:M. catarrhalis とC. pneumoniaeの混合感染による重症肺炎に注射用シプロキサンが有効であった1例。呼吸、22(8);823-827, 2003.

A-4
定光大海:喀血−応急処置と緊急検査−。今日の治療指針、pp11−12,医学書院、2003年1月

若月準、定光大海:特殊な熱傷。ダイナミックメディシン6、pp22-43〜22-46,西村書店、2003年7月

定光大海:急性エタノール中毒。今日の治療指針、pp119,医学書院、2003年1月

中田康城:救命救急の現場から−国立大阪病院救命救急センター。 救急医療ジャーナル、11:45-49, 2003.

中田康城:腹部刺創。山口徹・北原光夫編、今日の治療指針2003年版(Volume45)、医学書院、東京、p45-46, 2003.

A-6
定光大海:国立病院大阪医療センターの取り組み。「緊急被ばく医療」ニュースレターNO. 8、pp5-8,財団法人原子力安全研究協会、2003年12月

B-2
OTOMO Y, HENMI H, HONMA M, KIMURA A, TAKAYAMA H, IHARA K, MORIMURA N, NAKATA Y, MUTO M. Real diagnostic accuracy of Simple triage and rapid treatment (START triage). A multi-center analysis. 13th World Congress on Disaster and Emergency Medicine メルボルン、2003年5月

B-4
山下進、定光大海、藤井正美、小田泰崇、若月準、金田浩太郎、山下久幾、金子唯、岡林清司、前川剛志:蘇生後脳症患者におけるMRS測定と予後評価。第30回日本集中治療医学会総会、札幌、2003年2月

小田泰崇、山下進、若月準、金田浩太郎、井上健、鶴田良介、笠岡俊志、定光大海、岡林清司、前川剛志:脳低温療法の血行動態。第30回日本集中治療医学会総会、札幌、2003年2月

井上健、定光大海、金田浩太郎、山下進、小田泰崇、若月準、鶴田良介、笠岡俊志、岡林清司、前川剛志:外傷患者の重症度評価。第30回日本集中治療医学会総会、札幌、2003年2月

井上健、鶴田良介、笠岡俊志、定光大海、岡林清司、前川剛志:中乳酸濃度。第12回組織酸素代謝研究会、札幌、2003年3月

田村栄稔、西川泰章、金原太、奥田和功、若井聡智、大西光雄、中田康城、定光大海: Injury Severity Score (ISS) からみた重症頭部外傷について。 第31回日本救急医学会総会、東京、2003年11月

大西光雄、中田康城、田村栄稔、若井聡智、奥田和功、西川泰章、定光大海、香月憲一、平出敦、杉本壽:重症圧挫症候群の2例−減張切開を回避する治療戦略に関する検討−。第31回日本救急医学会総会、東京、2003年11月

大西光雄、中田康城、田村栄稔、若井聡智、金原太、定光大海、田伏久之:化学薬品災害対策マップの作成。第58回国立病院療養所総合医学会、札幌、2003年10月

B-5
定光大海、角谷勲:緊急時に備えた栄養輸液剤の備蓄。第13回近畿・栄養研究会、大阪、2003年10月

B-6
油谷健司、御供政紀、前田登、徳田由紀子、藤田由佳、吉田謙、崔秀美、細木拓野、金原太、定光大海:両側小脳脚に異常所見を呈したLi(炭酸リチウム)脳症の一例。第275回日本医学放射線学会関西地方会、大阪、2003年10月

若井聡智、奥田和功、大西光雄、田村栄稔、中田康城、定光大海、林伊吹:鈍的喉頭外傷の一救命例。第87回近畿救急医学研究会、京都、2003年3月

大西光雄、奥田和功、若井聡智、中田康城、田村栄稔、定光大海:cold injuryを伴った重症crush syndromeの1例。第7回近畿外傷診療フォーラム、大阪、2003年1月

B-8
定光大海:国立病院大阪医療センターにおける救急医療対策。大阪府歯科医師会平成15年度医道高揚講演会、大阪、2003年2月