産 科
伴千秋
  産科は、異常なく経過した人だけでなく様々な合併症をもった妊婦にも、できるだけ自然なお産を体験してもらえるよう努力している。
  産科的合併症は経過が急で母体・胎児に重篤な異常を来すことも多い。またそれ以外の合併症も、非妊時とは異なる病像を呈したり、妊娠経過に重大な影響を与えることがよくある。このような場合、従来の産科診療は、「とにかく早くお産を終わらせる」ことに重心を置きすぎていた様に思う。子宮内の胎児の状態を知りようもなく、言わばブラック・ボックスを扱っているようなものであったからやむを得ない面もあったのだが、例えば糖尿病妊婦では、妊娠中に胎児が胎内死亡することがあるために、糖尿病の重症度にしたがって数週間以上も人工的に早産させていた。その結果救われる児もあったが、逆に早産のために死亡したり重篤な後遺症を残したりした児も多かった。
 しかし胎児心拍モニタリング・超音波断層法が導入されて子宮内の胎児の状態を推測することが可能となり、個々の事例に応じたリスク管理をすることが可能になってきた。新しい知識・技術を駆使して「とにかく早くお産を終わらせる」という診療の陰の部分を是正し、症例に応じた適切な個別管理を行うことを通じて、より適正な診療体系を作っていくことが当科の基本目標である。
2003年の分娩数は490例で、自然分娩352例、吸引など介助分娩61例、帝王切開77例であった。



*産科の業績は、婦人科と共に掲載