治験管理センター

 
楠岡英雄

 治験を含む受託研究は、国立病院機構が果たすべき先駆的な政策医療の一分野であり、当センターは、設立以来、受託研究の契約前から研究終了まで、事務的管理業務、臨床サイドでの支援業務を統括・実施し、臨床試験における倫理性・科学性の保証、信頼性の高い研究を行うための支援を目標に業務展開してきている。当センターは受託研究審査委員会(IRB)事務局としての機能も担っており、当院で実施される受託研究、自主研究審査の透明性を保ち、また、円滑且つ十分な審議がなされるよう、情報の整理・提供を行っている。
 平成16年4月、独立行政法人化に伴い、受託研究諸規程、様式の全面見直しを行った。特に、契約事務においては従前の単年度契約を改め、複数年契約を可能に変更、経費請求についても、治験等については当院独自の出来高払い制を導入し、経費の適正化、透明性をより一層高めるとともに研究実施のモチベーションにつながる運用とした。平成16年8月には医師主導臨床試験に対応した規程に改めるとともに「自ら治験を実施しようとする者に関する業務細則」を新設した。
 IRBにおいては各種臨床研究関連指針の適用の徹底により自主研究審査件数も増加の一途をたどっており、加えて審査の質的充実から、審査時間が大幅に増大してきている(平成16年1月〜12月新規審査課題:全受託研究107件、自主研究65件、延時間 35時間)。平成17年からは委員会の負担軽減、審査充実のため2部会制とし、第1委員会が受託研究を、第2委員会が自主研究を審査するように組織変更を計画している。
 院外の活動にもセンターとして積極的に取り組んでいる。教育・研修への貢献として、前年同様、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構主催(厚生労働省委託)の治験コーディネータ養成研修の実習施設として研修生を受け入れ、また、近畿ブロックの医療技術研修 治験研修会では中心的役割を担うなど教育研修にも尽力している。さらに、地域への貢献として、センター長・楠岡は、大阪府医師会の共同治験審査委員会の審査委員を勤めている。
 当センターの構成は、現在、センター部長、副センター部長、治験薬管理者、治験コーディネータ主任1名、事務取扱主任1名、治験コーディネータ4名、事務員2名である。
 平成17年には医療機器GCPの施行、個人情報保護法の施行を控えており、臨床研究における個人情報の取扱にも一層の厳格さが求められることになる。さらに臨床研究の質を向上させていきたいと考えている。
 
【平成16年研究発表業績】
A-3
北川智子、堀川裕子、駐cかおる、森下典子、政道修二、是恒之宏、楠岡英雄:内用治験薬の包装形態に関する被験者の意識調査、臨床薬理35(6):305-310、2004

B-3
楠岡英雄:大阪府医師会の治験推進への取り組みについて−医師会治験審査委員会の役割−。第25回日本臨床薬理学会年会、静岡、2004年9月

政道修二:わが国における治験実施体制の問題点と今後の改善策−EFPIA治験環境調査の結果を踏まえて。第25回日本臨床薬理学会年会、静岡、2004年9月

B-4
駐cかおる、森下典子、政道修二、北川智子、中島桂、是恒之宏、楠岡英雄:モニタリング報告書に基づく治験実施改善への取り組みについて。第25回日本臨床薬理学会年会、静岡、2004年9月

B-5
楠岡英雄:国立病院機構ならびに各病院での治験への取り組み。第7回治験の国際化シンポジウム、横浜、2004年9月

政道修二:当院における知的財産制度の説明。産学官連携セミナー、大阪、2004年7月

B-6
北川智子、堀川裕子、駐cかおる、豊田俊江、森下典子、政道修二、是恒之宏、楠岡英雄:治験実施管理におけるワークシート作成への留意点。第25回日本病院薬剤師会近畿学術大会、大津、2004年1月

B-7
楠岡英雄:「平成15年度第2回新GCPのもとでの治験推進研修会(中・上級者向け)」、大阪、2004年1月

森下典子:「平成15年度第2回新GCPのもとでの治験推進研修会(中・上級者向け)」、大阪、2004年1月

政道修二:「近畿ブロック事務所主催治験研修会」、大阪、2004年9月

森下典子:「近畿ブロック事務所主催治験研修会」、大阪、2004年9月

浜先佳奈子:「近畿ブロック事務所主催治験研修会」、大阪、2004年9月

森下典子:「一緒に考えましょう!患者情報の取り扱い方を」(主催:社団法人日本病院薬剤師会)、東京、2004年11月