眼 科

斎藤喜博

 当院における研究は豊富な手術件数をもとにした多くの臨床症例による臨床研究が主になっている。網膜硝子体疾患の分野では糖尿病網膜症の治療成績、黄斑部疾患の治療成績や視機能評価法、稀な網膜疾患の症例報告、緑内障疾患においては難治である血管新生緑内障の治療成績、ぶどう膜炎に続発した緑内障に対する解析、悪性リンパ腫への治療成績などの研究をおこなっている。さらに当院の特徴のひとつであるAIDS基幹病院の眼科として、サイトメガロウイルス網膜炎などAIDSの眼合併症に対する症例報告や治療成績をはじめとする臨床研究にも取り組んでおり、また角膜疾患やぶどう膜炎の治療においても最先端の研究成果をあげている。さらに他施設との共同研究として眼ドップラーを用いた糖尿病網膜症や、カリギノゲナーゼの薬効に関する研究などをおこなっている。
 また一部は依頼原稿をうけたり、シンポジウム演者として招かれるなど、高い評価を受けている。このように国内外を問わず、さまざまな学会報告や論文投稿、医学書の執筆がなされている。さらにまた、厚生労働省の推し進める国立病院機構の感覚器疾患政策医療ネットワークの一員として最先端の治療を提供すべく鋭意奮闘中である。
 進行中の具体的なプロジェクトとしては次のような項目がある。血管新生緑内障などの難治性緑内障の治療。星状神経節ブロック(SGB)による眼血流変化の臨床的評価。硝子体手術のあたらしい術式の開発研究。黄斑部疾患、特に黄斑円孔の視機能の評価。AIDSの眼合併症の診断と治療。眼科画像データのデジタル化ならびにデータベース作成。悪性リンパ腫への冷凍凝固の治療成績。

【平成16年研究発表業績】
A-0
KIUCHI Y, TERAKAWA N, NAKATA T, YAMASAKI K, SAITO Y, ITO N, OKADA K:Binding affinity of Bunazosin, Dorzolamide and Timolol to synthetic melanin. Jpn J Ophthalmol. 48:34-36. 2004.

FUJIOKA S, KARASHIMA K, NISHIKAWA N, SAITO Y:Optic disc manifestation in diabetic eyes with low serum albumin; late fluorescein staining and high blood flow velocities in the optic disk-. Jpn J Ophthalmol. 48:59-64. 2004.

A-2
斉藤喜博:眼科救急疾患。山口徹、北原光夫編:今日の治療指針2004年版 1000-1001, 東京医学書院 2004.1.

A-3
岡田康平、木内良明、伊東奈美、斉藤喜博、中島正之、池田恒彦、湯浅武之助:ぶどう膜炎に続発した緑内障の手術治療成績。臨床眼科 58:1573-1577. 2004.

斉藤禎子、小島絵里、阪本吉広、岡本紀夫、福田全克:悪性高血圧症に伴う重症高血圧性網膜症が血液透析により改善した1症例。眼科、46(9)1199-1205, 2004.

A-4
斉藤喜博:眼科医の手引き28、日帰り白内障手術の利点と欠点。日本の眼科 75:695,2004.

B-2
SAITO Y, TAKAHASHI M, TATEBAYASHI M, KITAGUCHI Y, NISHIDA K, OKADA K, HAMANAKA N, NAKAE K, SHIOTANI Y, KIUCHI Y:Calcification on posterior surface of implanted silicone intraocular lens. ARVO meeting, Apr 25-30, 2004, Florida USA

FUJIOKA S, KARASHIMA K, NISHIKAWA N, SAITO Y:Optic disc manifestation in diabetic eyes with low serum albumin. ?late fluorescein staining and high blood flow velocities in the optic disk. ARVO meeting, Apr 29-May 24-30, 2004, Florida USA

NAGANO H, PAN ZW, NAKAYAMA Y, JOMORI T, OKU H, IKEDA T, SAITO Y, TANO Y:The effects of kallidinogenase on the rabbit ischemic retina induced by repeatedly intravitreous injection of endothelin-1. XVI International Congress of Eye Research (ICER), 29-3 Aug-Sept 2004. Sydney, Australia

B-3
斉藤喜博:硝子体手術トリプル手術の最前線。ランチョンセミナー 第27回 日本眼科手術学会総会、 東京、2004年1月

斉藤喜博:シンポジウム 白内障同時手術のレンズ選択。第19回日本眼内レンズ学会、福岡、2004年6月

B-4
高橋睦、北口善之、西田健太郎、岡田康平、濱中紀子、阪本吉広、塩谷易之、中江一人、斉藤喜博、建林美佐子、木内良明:シリコーン眼内レンズにみられたレンズ後面石灰化の一例。第27回 日本眼科手術学会総会、東京、2004年1月

藤岡佐由里、辛島薫子、西川憲清、斉藤喜博:網膜中心静脈流速と糖尿病網膜症増悪の関連。第108回日本眼科学会総会、2004年4月

長野弘、潘振偉、中山幸晴、城森孝仁、奥英弘、池田恒彦、斉藤喜博、田野保雄:エンドセリンー1反復投与による家兎眼循環障害モデルに対するKallidinogenaseの作用。第108回日本眼科学会総会、東京、2004年4月

濱中紀子、木内良明、藤岡佐由里、渋谷博美、斉藤喜博、中江一人、塩谷易之、阪本吉広、岡田康平、西田健太郎:星状神経節ブロックと直線偏光近赤外線星状神経節近傍照射の眼循環動態に及ぼす影響。第108回日本眼科学会総会、東京、2004年4月

木内良明、長谷川利英、原田純、奥村真理、藤本雅彦、斉藤喜博、岡田康平:Ahmed Glausoma Valveを挿入した難知性緑内障の術後経過。第58回日本臨床眼科学会、東京都、2004年11月

田中雅子、森脇信、斉藤喜博:急激な糖尿病コントロール後にみられた糖尿病網膜症の悪化。第58回日本臨床眼科学会、東京都、2004年11月

濱中紀子、塩谷易之、中江一人、阪本吉広、岡田康平、西田健太郎、北口善之、高橋睦、斉藤喜博:結膜原発悪性リンパ腫に対する冷凍凝固法と長期予後。第58回日本臨床眼科学会、東京都、2004年11月

北口善之、斉藤喜博、中江一人、塩谷易之、阪本吉広、濱中紀子、岡田康平、西田健太郎、高橋睦:両眼に胞状網膜剥離をきたした腎性網膜症の1例。第58回日本臨床眼科学会、東京都、2004年11月

B-6
西田健太郎、斉藤喜博、塩谷易之、阪本吉広、濱中紀子、岡田康平、北口善之、高橋睦、中江一人:ICGを用いたILM剥離後の視野障害を認めた2例の検討。第340回大阪眼科集談会、大阪、2004年6月

北口善之、斉藤喜博、中江一人、塩谷易之、阪本吉広、濱中紀子、岡田康平、西田健太郎、高橋睦:両眼に胞状網膜剥離をきたした腎性網膜症の1例。第342回大阪眼科集談会、大阪、2004年10月

B-8
斉藤喜博:パネルディスカッション「黄斑浮腫」。ネオサージェオンファイトクラブ、大阪市、2004年6月

斉藤喜博:パネルディスカッション「25ゲージシステム」。ネオサージェオンファイトクラブ、大阪市、2004年10月