皮膚科・アレルギー科・形成外科

田所丈嗣

  当科では、国立病院機構が担うべき政策医療を中心とした診療を行っています。特に皮膚がんの診断と治療を基本として、外科的並びに内科的対応が可能です。当科は皮膚悪性腫瘍に対する集学的な診療を行える数少ない施設のひとつであり、皮膚科専門医をはじめ優れたスタッフと恵まれた医療設備のもと、皮膚がんに対する正確な診断と十分な説明、事実に裏付けられた治療をモットーに、患者さんの社会的な生活の質を第一とした診療を行っています。皮膚腫瘍の診断は容易ではないものも多く、治療方法を含めたセカンド=オピニオンの要請にも十分に応えられる体制を整えています。皮膚がんの中核病院としての役割を果たすべく責任を持って診療に従事しています。また、悪性腫瘍切除後の組織欠損に対する再建外科に関しても、形成外科専門医が皮膚がん術後の再建のみならず、他の診療科でのがん手術における再建も要請に応じて積極的に行っています。皮膚に対する自己抗体によって皮膚や粘膜に繰り返し水疱を生じる難治性皮膚疾患である天疱瘡や類天疱瘡は一般に長期間にわたる治療が必要であり、天疱瘡は厚生労働省によって特定疾患に指定されています。通常は副腎皮質ステロイドホルモン剤を中心とした治療を行い、場合によっては免疫抑制剤を併用することもあります。当科では自己免疫性水疱症の診断および各々の患者さんの病状に応じた治療を行っています。また、パッチテストによる接触皮膚炎の診断と治療、下肢静脈瘤の超音波ドップラー検査と手術治療、あざの相談と治療など専門性の高い診療や皮膚筋炎や強皮症などの皮膚の難病にも対応しています。以上のような当科における診療内容の性格上、病状説明や検査、処置に十分な時間をかける必要性があり、安定期の患者さんには密接な病診連携のもとに地域の医療機関での診療を勧めつつ、医療機関から広く紹介患者さんを受け入れることで地域のニーズに積極的に応えるよう努力しています。また、平成16年度より政策医療ネットワークの共同臨床研究として「我が国の小児・成人アレルギー疾患患者実態調査」が行われ、当科もこれに参加しています。アレルギー性疾患における治療管理法の効果を検証し、ガイドライン普及の実態を明らかにすると共に国立病院機構所属施設のアレルギー患者治療管理状況を把握し、今後の診療レベルの向上に繋げたいと考えています。

【平成16年研究発表業績】
A-0
YAMAGUCHI Y, YOSHIDA S, SUMIKAWA Y, KUBO T, HOSOKAWA K, OZAWA K, HEARING VJ, YASHIKAWA K, ITAMI S:Rapid healing of intractable diabetic foot ulcers with exposed bones following a novel therapy of exposing bone marrow cells and then grafting epidermal sheets. Br J Dermatol 151:1019-28、2004

INUI S, OZAWA K, Song M, ITAMI S, KATAYAMA I:Contact dermatitis due to pirfenoxone. Contact Dermatitis 50:375-6、2004

A-3
小澤健太郎、酒井規夫、横見明典、乾重樹、板見智:高チロシン血症U型(Richner-Hanhart syndrome)の1例。皮膚の科学、3:275-8、2004.

小澤健太郎、山口裕史、板見智、吉川邦彦:若年で脂腺母斑に生じたケラトアカントーマの1例。皮膚の科学、3:202-5、2004

北場俊、山村弟一、谷口龍生、藤本美保:汎発型多発性グロムス腫瘍。皮膚病診療、26:1159-62、2004

B-1
TADOKORO T, OZAWA K:Hormone influence on melanogenesis and spots formation. LVMH Recherche Symposium, Tokyo, Japan, 2004年12月

B-2
HASHIRO M: A case of severe itch treated with perospirone. The Association for Psychocutaneous Medicine of North America, Annual Meeting, Washington DC, USA, 2004年2月

B-4
吉龍澄子、榊原敦子:動注化学療法にて難治性皮膚潰瘍を呈した子宮頸癌の1例。第22回日本臨床皮膚外科学会、大阪、2004年2月

小澤健太郎、横見明典、乾重樹、板見智:高チロシン血症(Richner-Hanhart syndrome)の1例。第103回日本皮膚科学会総会、京都、2004年4月

B-6
坂井浩志、大黒奈津子、森田祥子、羽白誠:下肢静脈瘤に対するfoam sclerotherapyの経験。第381回日本皮膚科学会大阪地方会、豊中、2004年2月

磯ノ上正明、坂井浩志:皮膚科クリニックにおける静脈瘤治療の現況と患者満足度。第381回日本皮膚科学会大阪地方会、豊中、2004年2月

吉龍澄子、峯岸芳樹、中嶋伸、前田求、桑江克樹、高木正、見目和嵩:治療に難渋した頭部AVMの1例。第18回大阪形成医会、大阪、2004年2月

森田祥子、小澤健太郎、大黒奈津子、田所丈嗣:深在性真菌症の1例。ひふ勉強会、大阪、2004年5月

峯岸芳樹、吉龍澄子:Gabexate mesilate (FOY)の血管外漏出による腱露出を伴う皮膚潰瘍に対して、bFGF (フィブラストスプレー)を使用した1例。第2回OWH研究会、大阪、2004年5月

小澤健太郎、北場俊、北村昌紀、田所丈嗣:軟性下疳の1例。ひふ勉強会、大阪、2004年6月

高松紘子、長澤智彦、山本志織、大畑千佳、小澤健太郎、板見智、片山一朗:PUVA療法により軽快を認めたlymphomatoid papulosis の1例。第384回日本皮膚科学会大阪地方会、大阪、2004年7月

小澤健太郎、北場俊、大黒奈津子、北村昌紀、田所丈嗣:急性骨髄性白血病診断の契機となった壊疽性膿皮症の1例。第28回湾岸勉強会、大阪、2004年7月

小澤健太郎、北村昌紀、北場俊、田所丈嗣:前額に生じた肉芽腫性病変:診断例。第28回湾岸勉強会、大阪、2004年7月

吉龍澄子、峯岸芳樹:当科における微小血管吻合44例の検討。第19回大阪形成医会、大阪。2004年7月

北場俊、小澤健太郎、北村昌紀、田所丈嗣:多発性平滑筋腫の1例。第171回大阪皮膚科症例検討会、大阪、2004年9月

小澤健太郎、北場俊、北村昌紀、田所丈嗣:両口角に生じた酒さ性ざ瘡の1例。ひふ勉強会、大阪、2004年9月

北場俊、小澤健太郎、北村昌紀、田所丈嗣:生検後に自然消退したケラトアカントーマの1例。ひふ勉強会、大阪、2004年9月

北村昌紀、小澤健太郎、北場俊、田所丈嗣:急性B型肝炎による多型滲出性紅斑と考えた1例。第385回日本皮膚科学会大阪地方会、大阪、2004年9月

北村昌紀、長澤智彦、山本志織、大畑千佳、乾重樹、小澤健太郎、板見智、片山一朗:Narrow-band UVB療法、IFN-γ静注、エトレチネート併用療法が有効であったセザリー症候群の1例。第68回日本皮膚科学会東部支部学術集会、新潟、2004年10月

小澤健太郎、北村昌紀、北場俊、田所丈嗣:HIVに伴った顕性梅毒の1例。ひふ勉強会、大阪、2004年10月

小澤健太郎、北場俊、北村昌紀、田所丈嗣:小児肢端膿庖症の1例。ひふ勉強会、大阪、2004年11月

峯岸芳樹、吉龍澄子:側頭筋内に発生した平滑筋肉腫の1例。第83回日本形成外科学会関西支部学術集会、大阪、2004年12月

北場俊、小澤健太郎、北村昌紀、田所丈嗣:Hypereosinophilic syndromeの1例。ひふ勉強会、大阪、2004年12月

B-8
田所丈嗣:皮膚腫瘍と皮膚外科疾患。大阪市東医師会、大阪、2004年5月

田所丈嗣:皮膚腫瘍と皮膚外科疾患。大阪市東成区医師会、大阪、2004年7月

田所丈嗣:メラニン色素(正常と異常)。大阪病診連携の会、大阪、2004年11月

田所丈嗣:皮膚の悪性腫瘍について。大阪市西成区医師会、大阪、2004年11月

田所丈嗣:メラニン色素(正常と異常)。大阪市中央区薬剤師会、大阪、2004年12月