放射線科

                         
細木拓野

 X線、超音波、ラジオアイソトープ、その他種々の臨床モダリティー(CT、MR、血管造影、エコー、核医学)を用いた画像診断は、機器の急速な進歩にともない、形態診断から動態診断、さらには機能診断へと活用されつつある。一方当科における機器の多くは陳旧化しており、話題となるような最新の画像提供は困難となっていると思われる。しかし、小さいマンパワーながらそれぞれが諸領域を分担し合い、各診療科の協力の下で臨床に密着した研究を行っている。
 癌の放射線治療では、治療成績もさることながら、QOLやコスメティック上の重要性が強調されるようになってきた。当科では、小線源治療の臨床応用拡大を研究し、癌治療の大きな柱とすることを目指して取り組んでいる。
 これらの臨床研究に加えて、各科診療への効率的かつ高品質な画像転送と迅速な読影所見の提供可能なPACS、レポーティングシステム、院内画像配信システムの構築と、フィルムレスシステムの推進などに向けて積極的に取り組んでいる。

主な研究テーマを以下に示す。
1. セクレチン負荷Dynamic MRIによるファーター乳頭機能診断
2. Dynamic MRIによる乳癌診断
3. MRIによるHIV関連中枢神経疾患診断
4. 前立腺癌、乳癌等への小線源治療の臨床応用拡大など、QOLを重視した効率的治療成績向上に関する研究
5. 放射線治療における治療計画システム構築と精度管理
6. 放射線安全管理

【平成16年研究発表業績】
A-0
HOSOKI T, HASUIKE Y, TAKEDA Y, MICHITA T, WATANABE Y, SAKAMORI R, TOKUDA Y, YUTANI K, SAI C, MITOMO M:Visualization of pancreaticobiliary reflux in anomalous pacreaticobiliary junction by secretin-stimulated dynamic magnetic resonance cholangiopan creatography, Acta Radiologica, 24:375-382, 2004

YOSHIOKA Y, YAMAZAKI H, YOSHIDA K, OZEKI S, INOUE T, YONEDA M, INOUE T:Impact of mitochondrial DNA on radiation sensitivity of transformed human fibroblast cells: clonogenic survival, micronucleus formation and cellular ATP level, Radiat Res, 162:143-147, 2004

YOSHIDA K, INOUE T, INOUE T, TANAKA E, SHIOMI H, TESHIMA T:Treatment results of radiotherapy with or without surgery for posterir pharngeal wall cancer of oropharynx: prognostic value of tumor extension, Radiat Res, 162:30-36, 2004

YAMAZAKI H, INOUE T, YOSHIDA K, TANAKA E, YOSHIOKA Y, NAKAMURA H, FURUKAWA S, SHIMIZUTANI K, KAKIMOTO N, INOUE T:Lymph node metastasis of early oral tougue cancer after intertitial radiotherapy, Int J Radiat Oncol Biol Phys, 58:139-146, 2004

A-3
細木拓野、蓮池康徳、前田登、渡辺嘉之、油谷健司、徳田由紀子、崔秀美、御供政紀:胆汁アミラーゼ高値症例におけるセクレチン刺激下Dynamic MRCPによる膵液胆管逆流の描出。日本医放会誌、64、220‐222、2004

細木拓野、蓮池康徳、武田裕、道田知樹、阪森亮太郎、渡辺嘉之、前田登、徳田由紀子、吉田謙、油谷健司、崔秀美、御供政紀:膵・胆管合流異常におけるセクレチン刺激下Dynamic MRCPによる膵液胆管逆流の描出。臨床放射線、49、892‐897、2004

B-2
SAKAMORI R, MICHITA T, IKEDA M, HOSOKI T:Magnetic resonance cholangiopancreatography under secretin injection for the diagnosis of pancreatobiliary reflux, DDW 2004, New Orleans, USA, May 2004

B-4
新井貴士、増田慎三、徳田由紀子、龍田真、中山貴寛、辻仲利政:乳頭異常分泌に対する精査・治療のstrategy。第12回日本乳癌学会総会、小倉、2004年6月

益澤徹、増田慎三、新井貴士、真能正幸、徳田由紀子、吉田謙、辻仲利政:乳房温存手術における術中断端検索法に関する検討。第12回日本乳癌学会総会、小倉、2004年6月

田中雄悟、増田慎三、新井貴士、真能正幸、徳田由紀子、辻仲利政:センチネルリンパ節の術中診断法に関する検討。第12回日本乳癌学会総会、小倉、2004年6月

徳田由紀子、増田慎三、藤田由佳、吉田謙、酒井美緒、油谷健司、崔秀美、細木拓野、多根井智紀、竹田雅司、真能正幸、辻仲利政:乳頭異常分泌に対するMRIの有用性についての検討。第14回日本乳癌検診学会総会、大阪、2004年11月

多根井智紀、増田慎三、徳田由紀子、竹田雅司、真能正幸、辻仲利政:当院の乳頭異常分泌症例における超音波所見と病理像の比較。第14回日本乳癌検診学会総会、大阪、2004年11月

加古亜由美、有本博子、寺川裕介、岡本誉、上垣忠明、樽井利明、中村武司、藤本豊:マンモグラフィー画質の再検討。第13回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、姫路、2004年10月

岡本誉、有本博子、加古亜由美、寺川裕介、上垣忠明、樽井利明、中村武司、藤本豊:乳房撮影施設認定取得を目指して。第13回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、姫路、2004年10月

中山智司、藤崎宏、伊藤譲一、樽井利明、上垣忠明、中村武司、藤本豊:放射線事故時における初動運用手順の確立。第13回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、姫路、2004年10月

藤崎宏:HIV・AIDS診療の現在の動向と放射線技師の役割、大阪医療センターの取り組みと米国の現状。第13回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、姫路、2004年10月

橋本時弘、中尾博司、上垣忠明、岩井康典、山中早苗、他:放射線診療業務の中で発生した事故・インシデント情報の共有化、―医療安全管理を目指して、管内14施設からの情報提供の総括―。第13回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、姫路、2004年10月

与小田一郎、佐野敏也、米田茂、松尾浩二、藤崎宏、大竹野浩史、松田一秀、他: IVRを中心とした血管造影検査における被検者の皮膚入射線量の測定、―近畿管内16施設での実態調査―。第13回国立病院療養所近畿放射線技師会学術大会、姫路、2004年10月

藤崎宏、伊藤譲一、中山智司、樽井利明、中村武司、藤本豊:3D-DSA(DA)画像における被写体の方向特性について。第15回(社)大阪府放射線技師会学術大会、大阪、2004年11月

中山智司、藤崎宏、伊藤譲一、樽井利明、上垣忠明、中村武司、藤本豊:放射線事故時における初動運用手順の確立。第15回(社)大阪府放射線技師会学術大会、大阪、2004年11月

B-6
徳田由紀子、増田慎三、藤田由佳、吉田謙、酒井美緒、油谷健司、崔秀美、多根井智紀、辻仲利政、竹田雅司、真能正幸、細木拓野:葉状腫瘍の3例−乳癌との鑑別に苦慮した経験から。JSAWI 2004、淡路、2004年9月

徳田由紀子、増田慎三、真能正幸、前田登、油谷健司、崔秀美、細木拓野、新井貴士、辻仲利政、沢井ユカ:MRIが診断に寄与した葉状腫瘍の1例。第1回日本乳癌学会近畿地方会、大阪、2004年1月

酒井美緒:後頭蓋かに初発した進行性多巣性白質脳症の1例 (HIV症例)。第24回神経放射線ワークショップ、福岡、2004年7月