救命救急センター・総合救急部

定光大海

 総合救急部は平成12年に開設され、現在5年目になるが、やっと三次の重症救急患者を対象とした診療体制の基盤ができた。外因、内因を問わず、重症救急患者の受け入れは拡大し、当初の総合救急部年間症例は300台であったが、平成16年度には600名を越すまでに至っている。総合救急部は重度外傷の診療を核として侵襲や疾病による重篤な病態(多臓器不全)に対する集中治療も担っている。名前の通り、急性期病態を総合的に診ることができる体制を目指している。政策医療のひとつである災害医療も日常的な救急医療の実践が前提になるが、やっとその基礎ができ、災害拠点病院の役割を担うことも可能になった。これまでは臨床基盤作りを目標にしていたので、研究業績はこれからの課題である。
 標準的外傷治療の確立、特殊災害である化学災害や放射線災害等への実効性のある対処法は救急医療に課せられた重要なテーマであり、これらを包括した災害対応マニュアルの策定が当面の課題である。臨床研究としては重症脳障害、呼吸不全、多発外傷等の診断と治療戦略をテーマとしている。また、卒後臨床研修における効果的指導法も課題のひとつである。救急患者の初期診断および治療法、基本的な外科手技、トリアージ、心肺停止患者に対する蘇生法、重症患者の全身管理などの豊富な経験をつむことで救急患者の見方とCritical Careの基本を習得させることが目標になる。

【平成16年研究発表業績】
A-0
YABE T, OZAWA T, SAKAMOTO M, ISHII M:Pre-and Postoperative X-ray and Computed Tomography Evaluation in Acute Nasal Fracture, Annals of Plastic Surgery 53(6):547-553, 2004

A-2
定光大海:頭蓋内圧降下療法。「今日の治療指針」 山口徹、北原光夫総編集、pp98−99、医学書院、東京、2004年1月

西野正人:慢性呼吸不全の急性増悪。今日の治療方針、2005

A-3
西野正人:大阪府のメディカルコントロール体制−検証体制の現状と課題−。プレホスピタルケア、17(3): 15-20、2004

西野正人:劇症肝炎と血液浄化−血液浄化の意義と看護のポイント−。Emergency nursing、17(11):48-52、2004

A-4
定光大海:救急領域のCT画像、中枢神経系疾患―蘇生後脳症、低血糖昏睡、けいれん性疾患―。外科治療、91:325−332、2004

定光大海:救急患者への初期対応、救急患者の特色とピットフォール。総合臨床、53(Suppl):35-37、2004.

田中裕、石川和男、西野正人、小倉裕司、杉本壽:白血球機能制御による新たなる抗炎症治療戦略 Granulocyte colony-stimulating factor(G-CSF)療法。炎症・再生、24巻6号 Page619-628、2004

大西光雄:緊急症状 外傷の緊急処置。総合臨床、53(11):2905-2910、2004

大西光雄:救急時に使う薬剤とその使用法 気管支拡張薬。総合臨床 53(suppl): 1407-1409、2004

大西光雄:爆発外傷。総合臨床 増刊 救急マニュアル2004 救急ひとくちメモ、Vol 53 sup pp 332、2004

前野良人:グラフ 救急領域のCT画像 消化管穿孔。外科治療 90(3):325-341、2004

大下修造、島原由美子:薬物ショックの予防と対策。眼窩診療プラクティス眼窩薬物治療ガイド 002-009、2004

片山俊子、田中希美子、島原由美子、川人伸治、富山芳信、大下修造:左室流出路狭窄を合併した酸性ムコ多糖症(III型)の麻酔経験。臨床麻酔 28(5):880-882、2004

B-4
矢部哲司、高橋誠、坂本道治、小澤俊幸、村岡道徳、石井正光:新鮮鼻骨骨折における術前術後のX-pとCTによる評価。第47回日本形成外科学会総会・学術集会、東京、2004年4月

大西光雄、金原太、坂本道治、若井聡智、白鴻成、田村栄稔、中田康城、定光大海:前縦隔・高縱隔・頚椎椎体前面へのドレーン留置が有効であった重症頸部縱隔ガス壊疽の一例。第7回日本臨床救急医学会、横浜、2004年5月

田村栄稔、定光大海、中田康城、大西光雄、若井聡智、白鴻成、金原太、坂本道治、是恒之宏、磯部文隆:BLUE CALL SYSTEMについて。第7回日本臨床救急医学会、横浜、2004年5月

白鴻成、行岡正雄、速水泰彦、安田昌樹、東阪康志、久保伸之、米田憲司:開放性骨折後骨露出部に対し、bFGF製剤とPGE1製剤の局所療法で治癒した1症例。第18回日本外傷学会、札幌、2004年5月

金原太、大西光雄、福家顕宏、坂本道治、若井聡智、白鴻成、田村栄稔、定光大海、油谷健司、細木拓野、御供政紀:高ナトリウム血症、小脳症状を伴った急性リチウム中毒の1症例。第26回日本中毒学会総会、広島、2004年7月

田村栄稔、定光大海、大西光雄、若井聡智、白鴻成、坂本道治、金原太、福家顕宏、吉間陽子:頭部外傷管理におけるBISモニターの意義。第32回日本救急医学会総会、千葉、2004年10月

若井聡智、定光大海、金原太、坂本道治、大西光雄、白鴻成、田村栄稔:ステロイド大量投与により改善を認めた重症ARDS症例の検討。第32回日本救急医学会総会、千葉、2004年10月

金原太、大西光雄、福家顕宏、坂本道治、島原由美子、若井聡智、白鴻成、西野正人、田村栄稔、定光大海、油谷健司、御供政紀、細木拓野:高ナトリウム血症、小脳症状を伴った急性リチウム中毒の1症例。第10回河内救急医療懇話会、大阪、2004年10月

B-6
坂本道治、金原太、若井聡智、大西光雄、中田康城、白鴻成、田村栄稔、間中智哉、中瀬尚長、大園健二、定光大海:広範なデグロービング損傷を伴った下肢多発骨折の一例。第89回近畿救急医学研究会、奈良、2004年2月

福家顕宏、若井聡智、金原太、坂本道治、島原由美子、大西光雄、白鴻成、田村栄稔、定光大海:サイトメガロウイルス感染症が疑われた青年男性腹腔内出血の一例。第90回近畿救急医学研究会、大阪、2004年7月

金原太、大西光雄、福家顕宏、坂本道治、島原由美子、若井聡智、白鴻成、田村栄稔、定光大海:治療経過中に急性肺障害を伴った横紋筋融解症の1症例。第90回近畿救急医学研究会、大阪、2004年7月

B-8
定光大海:国立病院大阪医療センターにおける救急医療対策。大阪府歯科医師会医道高揚講演会、2004年2月 

西野正人:MCにおける検証制度。第9回日本救急医学会専門医・認定医セミナー、大阪、2004年3月

定光大海:メディカルコントロール体制の整備と二次救急医療機関。大阪市ブロック合同救急医療研究会(大阪府医師会)、2004年7月

西野正人:メディカルコントロール体制の現状と課題(包括的指示下除細動とメディカルコントロール、救命救急センターの立場から)。救急医療週間大阪集会、大阪、2004年9月

西野正人:大事故災害時の救急対応。高槻市消防救命士会、大阪、2004年9月

西野正人:NBC災害概論。財団法人全国消防協会消防実務講習会、大阪、2004年10月

定光大海:患者急変時の対応。救急医療研修会(大阪府歯科医師会)、大阪、2004年11月