薬 剤 科

 前川孝史

 

薬剤科では、当センターが診療体制を政策医療に特化する方針に基づき高度総合医療施設としての機能を発揮するため、医薬品の適正使用および管理、医薬品に関するリスクマネジメント、院内感染サーベランス、病院経営への貢献、卒前卒後教育・研修の5項目を基軸として、薬剤管理指導、医薬品管理、医薬品情報提供、治験管理、薬剤師教育、感染防止対策などを実施している。また、スタッフ一人一人が危機意識を持ち、経営改善への積極的な取組みと患者中心の医療を目指し、医師、看護師、その他、多くの職種の方々の協力を得ながら、医療の最前線で専門的知識を駆使し、院内での薬剤師の役割を明確にし、他部門からの評価を得ることができるよう日々努力してい

る。

1.薬剤管理指導業務
 患者個々の薬物療法に参画し、医薬品情報の提供と薬学的管理に基づいた情報の収集・評価・蓄積によって医薬品の適性使用を支援する薬剤管理指導業務は全病棟を対象に行っている。
 平成17年7月より注射薬の1回分調剤、平成18年1月より2病棟を対象に病棟での注射薬セット、移動式クリーンベンチを用いて一般注射薬の無菌混合調製を開始した。平成18年度には全病棟を対象に実施する予定である。
2.抗癌剤・IVH製剤の無菌調製
 良質な医薬品の供給を目的に、薬剤科注射薬室の無菌室において一元的に、クリーンベンチ・安全キャビネットを用いた無菌混合調製を実施している。
 抗癌剤に関しては平成14年7月に外来化学療法室が開設され、全診療科の外来患者を対象に月間800〜900本の無菌調製を行っている。また入院患者に対しては、17年度より取り組みを初め、現在では月間250〜350本に達している。
 なお、化学療法委員会において承認されたプロトコールを対象に、薬剤科でプロトコールチェックを行い、無菌調製を実施している。
3.医薬品情報管理(収集・評価・提供)
 医薬品は、医薬品の使用者である患者の有効性・安全性を確保するために、適正に使用されなければならない。情報化社会の現在、医療の中で取り扱う情報は、正確かつ適正に管理される必要がある。薬剤科では医薬品情報の適正な管理と供給を行うために2名の専任スタッフを配置している。また、厚生労働省への副作用報告も積極的に行い、国立病院機構関連施設における報告件数は第一位である。
4.治験業務
 適正な治験実施については、国際的な評価に値する臨床データの作成がもとめられており、厚生労働省としても新GCPに基づく治験の実施について指導を強化しているところである。当薬剤科にあっても治験支援業務を行う薬剤師CRC(治験主任薬剤師1名、専門薬剤師1名)を配置している。
5.外来おくすり相談室の充実
 薬剤科では政策医療のひとつであるHIV感染症患者に対する服薬指導を実施している。担当薬剤師は2名。HIV診療は外来が中心になることから、「外来おくすり相談室」を2室設置し、外来患者に対する服薬指導を行っている。
6.卒前・卒後教育の充実
 平成18年度から薬学教育6年制に移行することもあり、薬学生、大学院生、開局薬剤師および多施設薬剤師・厚生労働省(日本薬剤研修センター)薬剤師実務研修生を積極的に受け入れ、質・量ともに充実を図っている。

【2005年研究発表業績】
A-0
TAKADA M,GOTO T,KOTAKE T,SAITO M,KAWATO N,NAKAI M,GUNJI T and SHIBAKAWA M,Appropriate dosing of antiarrhythmic drugs in Japan requires therapeutic drug monitoring,Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics,30:5-12,2005

TAKADA M,OKADA H,KOTAKE T,NOBUYUKI K,SAITO M,NAKAI M,GUNJI T, SHIBAKAWA M:Appropriate dosing ofregimen of allopurinol in Japanese patients,Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics,30:407-412,2005

SAITO M,TAKADA M,HIROOKA K,ISOBO F,YASUMURA Y:Serum concentration of potassium in chronic heart failure patients administered spironolactone plus furosemide and either enalapril maleate,losartan potassium or candesartan cilexetil,Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics,30,603-610,2005

A-4
吉野宗宏、白阪琢磨:抗HIV薬の変遷、今後の動向、クリニカルプラクティス4:84-88,2005

繻エ健:小児HIV治療におけるアドヒアランス、小児内科、2005-3;37(3),362-365

繻エ健:抗HIV薬の血中薬物動態、BIO Clinica,2005,20(8),689-696

繻エ健:HIV感染症、症例チャートからみる服薬指導ガイド2005-06;薬局別冊 Vol.56 429-443

B-2
YOSHINO M,NAGAI S,KUWAHARA T,ODA S,UEHIRA T,SHIRASAKA T:The clinical experience of Abacavir in HIV_infected Japanese,第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議、神戸、2005年7月

KUWAHARA T,YOSHINO M,SANO T,KOJIMA K,HIGASA S,SHIRASAKA T:Analysis of prescribed and stocked anti-HIV drugs among the AIDS referral hospitals in Japan,第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議、神戸、2005年7月

B-3
吉野宗宏:服薬指導の実際、平成17年度 HIV/AIDS看護研修、大阪、2005年10月

吉野宗宏:抗HIV薬の服薬指導、アドヒアランス維持のために、エイズネットワーク研究会、神戸、2005年11月

齋藤誠:冠疾患症例のQOL維持にはたす薬剤師の役割」重症心筋梗塞後に左室不全を併発した1例に対する薬剤管理指導業務、第19回日本冠疾患学会学術集会、大阪、2005年12月

繻エ健:ランチョンセミナー「薬剤部を上手に使う方法−より良いチーム医療のために−」、第19回日本エイズ学会学術集会総会、熊本、2005年12月

繻エ健、吉野宗宏、佐野俊彦、小島賢一、日笠聡、白阪琢磨:拠点病院における抗HIV療法と薬剤関連アンケート調査結果(第2報)、第19回日本エイズ学会学術集会総会、熊本、2005年12月

B-4
赤井裕子、増田慎三、多根井智紀、田中登美、山下佐和、福田利明、上野裕之、桑原健、前川孝史、辻仲利政:外来がん薬物療法?チーム医療?における薬剤師の役割、第13回日本乳癌学会、倉敷、2005年6月

吉野宗宏、永井聡子、原健、下司有加、織田幸子、笹川淳、森正彦、牧江俊雄、長谷川善一、山本善彦、上平朝子、白阪琢磨:硫酸アタザナビルの至適血中濃度の検討、第19回日本エイズ学会学術集会、熊本、2005年12月

赤井裕子、高原由香、里美絵理子、小川朝生、山中政子、田中登美、松岡暖奈、沢村敏郎、辻仲利政、齋藤誠、桑原健、前川孝史:がんサポートチームにおける薬剤師の活動、第10回日本緩和医療学会、横浜、2005年7月

丸山直岳、鬼頭純香、上西秀典、齋藤誠、桑原健、前川孝史:インスリングラルギン使用におけるHbA1cの推移、第15回日本医療薬学会年会、岡山、2005年10月

鬼頭純香、丸山直岳、上西秀典、齋藤誠、桑原健、前川孝史:中間型インスリン製剤からインスリングラルギンへ変更した患者のHbA1cの推移、第15回日本医療薬学会年会、岡山、2005年10月

高原由香、赤井裕子、小川朝生、里美絵里子、田中登美、齋藤誠、桑原健、前川孝史:がんサポートチームにおける薬剤師の活動について、第15回日本医療薬学会年会、岡山、2005年10月

松山和世、上野裕之、田中利夫、河合実、齋藤誠、桑原健、前川孝史、久田原郁夫:がん薬物療法(外来・入院)における薬剤科の取り組み、第15回日本医療薬学会年会、岡山、2005年10月

服部雄司、齋藤誠、安村良男、桑原健、前川孝史:Blopress(R)からOlmetec(R)へ処方変更した患者の生化学検査の推移、第15回日本医療薬学会年会、岡山、2005年10月
永井聡子、吉野宗宏、桑原健、前川孝史、白阪琢磨:HIV感染症患者におけるST合剤の過敏症について、第15回日本医療薬学会年会、岡山、2005年10月

北川智子、政道修二、中島桂、浜先佳奈子、櫻井真知子、山下妙子、名畑優保、石山薫、森下典子、吉田佳榮子、前川孝史、是恒之宏、楠岡英雄:治験経費の出来高算定方法についての検討、第59回国立病院総合医学会、広島、2005年10月

北川智子、政道修二、中島桂、浜先佳奈子、櫻井真知子、山下妙子、名畑優保、石山薫、森下典子、吉田佳榮子、前川孝史、是恒之宏、楠岡英雄:治験経費の出来高算定方法についての検討、第59回国立病院総合医学会、広島、2005年10月

吉野宗宏、永井聡子、繻エ健、織田幸子、前川孝史、白阪琢磨:ブロック拠点病院における抗HIV薬院外処方箋発行の取り組みと課題、第59回国立病院総合医学会、広島、2005年10月

B-5
吉野宗宏:抗HIV薬について、南薬剤師会保険薬局部会、大阪、2005年1月

吉野宗宏:抗HIV薬の副作用、平成16年度HIV感染症研修会、大阪、2005年1月

吉野宗宏:HIV感染症の服薬支援の基本と実際、平成16年度近畿ブロックエイズカウンセリング研修会、大阪、2005年2月

齋藤誠:心房細動、弁膜症患者に対するワルファリンの服薬指導、高知県薬剤師会幡多支部幡多薬剤師会研修会、高知、2005年7月

吉野宗宏:最新の抗HIV薬と副作用、第13回関東甲信越HIV感染症講習会、新潟、2005年7月

吉野宗宏:抗HIV薬について、南薬剤師会保険薬局部会、大阪、2005年11月

吉野宗宏:抗HIV薬と服薬指導、東海ブロック・エイズ治療拠点病院連絡協議会・薬剤師研修会、名古屋、2005年11月

吉野宗宏:服薬指導の実際、平成17年度HIV/AIDS看護研修、大阪、2005年11月

吉野宗宏:抗HIV薬の服薬指導、アドヒアランス維持のために、東京、2005年11月

吉野宗宏:服薬指導の実際、平成17年度HIV/AIDS看護研修、大阪、2005年12月

B-7
上西秀典:胃腸障害のある糖尿病患者における薬物療法、第22回近畿・糖尿病の自己管理を考える会、大阪、2005年4月

B-8
繻エ健:ウイルス感染症患者への薬学的ケア、日本薬剤師研修センター研修会「病態生理と薬効薬理から処方せんを見る」、名古屋、2005年1月

繻エ健:ウイルス感染症患者への薬学的ケア、日本薬剤師研修センター研修会「病態生理と薬効薬理から処方せんを見る」、広島、2005年3月

繻エ健:病院薬剤部から見たMR情報伝達のあり方、大阪医薬品協会MR教育担当者講座 薬業年金会館、大阪、2005年3月

繻エ健:HIV感染症治療薬と薬剤師の関わり、沖縄県立宮古病院院内研修会、沖縄、2005年11月

繻エ健:HIV/AIDS and Pharmaceutical Care、JAICA-HIV研修、東京、2005年11月

B-9
繻エ健:ラジオNIKKEI「HIV感染症における服薬指導」、大阪、2005年3月