栄養管理室

内海繁敏 

今年度、栄養管理室では、電子カルテの導入を契機として、朝食メニューの改善・主食選択など患者ニーズに対応した食事提供システムへの改善を図ると共に、栄養管理の精度向上を目的に、食事箋発行時に栄養量を確認してオーダーできる仕組みとした。また、入院時のスクリーニングではSGAsubjective global assessment )を電子カルテに取り入れ、実施率も約60%から約90%へアップ、NST依頼件数も約40件/月から約60件/月に増加した。診療報酬改定により新設となった栄養管理実施加算については、入院患者への栄養管理計画の作成・説明・配布を行い、4月から90%以上の実施率を継続し、このことに伴い栄養食事指導は前年同月比2.02.5倍の件数に増加した。

 多様化する患者の食指向に対応した病院食の提供により、満足度は5段階評価で3以上が87%の評価を得、また、特殊性のある朝食バイキングも参加者から大変好評を得ている。

しかし、入院患者の約30%が栄養不良に陥っている事実を踏まえ、患者個々に食事対応を実施するPC・ライト食などによる栄養管理を積極的に推進している。

 200610月、NSTNutritional support team :栄養サポートチーム)は活動開始3年となり、約1,200件のケースコンサルトを行った。

NSTの実質的運用は栄養士が担当し、NST担当医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師と連携しチーム医療を展開している。NSTの役割は、全入院患者から栄養管理が必要な患者を見いだし、適切な栄養管理を行い治療のサポートをすること、患者の満足度を向上させ医療者の栄養に関する意識の向上を図ること、栄養治療に伴う合併症を予防し栄養治療の質を向上させることである。4月からの栄養管理実施加算による患者への栄養管理計画配布は、NST活動が院内で更に認知される効果をもたらした。

 本年度、NST活動より得られた多くの結果を発表することができ、その成果を各方面に提示することができた。その結果、講演依頼の件数増加、取材申込にも繋がった。

 適切な栄養療法・栄養補給は、入院患者のみならず在宅医療・在宅介護の面からも必要不可欠な施行であり、地域と連携した栄養管理が今後益々重要となることが推察できる。これらの推進・継続と共に、実践する人材の育成・教育プログラムが必要である。また、臨床研究により、NST活動における臨床上の疑問を解決することが大切であり、基幹施設が行うNSTのモデル活動となるよう更なる研究を行いたい。

 

【2006年度研究発表業績】

A-2

辻仲利政鞍田三貴上野裕之森田有美寒谷亜衣子井上聡子NSTケースレポート「実践に学ぶ複雑・困難症例への栄養サポート」23-181、メディカ出版、大阪、20072

 

A-3

表順子、藤田朋子森田有美内藤浩史、真鍋悟、今西健二内海繁敏鞍田三貴松本昌子沢村敏郎東堂龍平辻仲利政NST活動における終末期患者への対応、医療の広場47巻第2号:25-292006

A-6

鞍田三貴:術前・術後の栄養管理 管理栄養士はこう考える、ヘルスケアレストラン10月号:30-312006

 

鞍田三貴:医療ルネサンス 病院の実力 管理栄養士3読売新聞37日朝刊22面、2007

 

B-3

鞍田三貴NSTの確立と多職種協働による効果。60回国立病院総合医学会、京都、20069

 

B-4

今西健二藤田朋子真鍋悟内海繁敏鞍田三貴鈴木智子瀧秀樹沢村敏郎辻仲利政東堂龍平:対糖能異常を有するNST依頼患者の背景。49回日本糖尿病学会、東京、20065

 

鳥山明子山本桂森田有美寒谷亜衣子井上聡子藤田朋子的場美智子今西健二内海繁敏藤井育子鞍田三貴三嶋秀行東堂龍平辻仲利政:大阪医療センターオリジナルSGAの検討〜肝硬変、肝細胞癌患者のSGA評価と客観的評価のずれについて〜。60回国立病院総合医学会、京都、20069

 

今西健二井上聡子森田有美鳥山明子藤田朋子内海繁敏四方文子樋口久子鞍田三貴三嶋秀行沢村敏郎東堂龍平辻仲利政:婦人科癌疾患における下部消化管広範囲切除に対する栄養管理とチーム介入。60回国立病院総合医学会、京都、20069

 

鞍田三貴今西健二鳥山明子内海繁敏上野裕之竹之内須賀子鈴木厚子大西光雄三嶋秀行辻仲利政東堂龍平NST電子カルテシステムがNST活動に及ぼす効果。10回日本病態栄養学会年次学術集会、横浜、20071

 

鞍田三貴藤田朋子鳥山明子今西健二内海繁敏三嶋秀行沢村敏郎東堂龍平辻仲利政上平朝子白坂琢磨HIV拠点病院におけるHIV感染患者に対するNST対応〜NST依頼HIV患者の背景について〜。22回日本静脈経腸栄養学会、松山、20072

 

鳥山明子藤田朋子今西健二内海繁敏藤井育子竹之内須賀子鈴木厚子鞍田三貴加藤道夫三嶋秀行沢村敏郎東堂龍平辻仲利政:大阪医療センターオリジナルSGAの検討〜肝硬変、肝細胞癌患者の入院時SGA評価と客観的評価のずれについて〜。22回日本静脈経腸栄養学会、松山、20072

 

上野裕之服部雄司繻エ健今西健二鞍田三貴沢村敏郎東堂龍平三嶋秀行辻仲利政:栄養サポートチームにおける脂肪乳剤の有効活用のための検証と方策について。22回日本静脈経腸栄養学会、松山、20072

 

B-5

鞍田三貴:メディカルがつくった栄養管理システム。1回栄養治療を考える会、埼玉、20066

 

鞍田三貴:栄養療法およびNSTの重要性、意義、効果等について。舞鶴共済病院記念講演、京都、200611

 

鞍田三貴:明日から役立つ臨床栄養-栄養治療は治療の根幹- 東成区医師会生涯教育講演会、大阪、20071

 

鞍田三貴NSTについて。大阪府茨城保健所管内集団給食研究会、大阪、20072

 

鞍田三貴NST(栄養サポートチーム)システムのご紹介。135回医療情報システム研究会、大阪、20072

 

B-6

鳥山明子森田有美山本桂井上聡子藤田朋子今西健二内海繁敏藤井育子鞍田三貴三嶋秀行沢村敏郎東堂龍平辻仲利政:大阪医療センターオリジナルSGAの検討〜肝疾患におけるSGA評価と客観的評価のずれについて〜 1回近畿輸液NST研究会、大阪、20067

 

上野裕之服部雄司繻エ健今西健二鞍田三貴三嶋秀行沢村敏郎東堂龍平前川孝史辻仲利政:脂肪乳剤における栄養サポートチームのアプローチについて〜当センターにおける使用調査から〜 16回近畿輸液・栄養研究会、大阪、20069

 

B-8

鞍田三貴:チーム医療 NSTが必要となった理由〜大阪医療センターの場合〜 国立病院機構京都医療センター。第1回NST院内定期講演、京都、20067

 

鞍田三貴NSTの働きと今後管理栄養士が力を入れること−今、なぜ栄養サポートが必要なのか− 39回夏季技術研修会、大阪、20068

 

的場美智子:メタボリックシンドロームと食物について 8回(44回)大阪糖尿病協会会員総大会、大阪、200611

 

鞍田三貴:「臨床栄養学」管理栄養士国家試験対策講習会 エームサービス株式会社主催、大阪、200612

 

辻仲利政鞍田三貴:ナースのための栄養管理セミナー患者満足度が向上する!術後食事指導 メディカ出版主催、神戸、200612

 

辻仲利政鞍田三貴:ナースのための栄養管理セミナー患者満足度が向上する!術後食事指導 メディカ出版主催、東京、20072

 

辻仲利政鞍田三貴:ナースのための栄養管理セミナー患者満足度が向上する!術後食事指導 メディカ出版主催、名古屋、20073

 

B-9

鞍田三貴:チーム医療と微生物検査 BioScan New DecadeDADE BEHRING)No6、大阪、20068