医療情報研究室

楠岡英雄

医療情報研究室では、医療情報に係わるソフト、ハードの両側面の研究を行っている。具体的には、病院情報統合システムに内蔵する種々の機能の発展、あるいは、その機能を利用した独自の研究を実施すると同時に、ネットワーク技術や画像処理技術の改良等、情報処理の基盤技術に関連した研究を行っている。

 平成18年には、平成16年度より継続している「循環器病臨床評価指標の改訂と評価法に関する研究」を実施すると共に、文部科学省科学研究費補助金(基盤研究C)による「人工股関節置換術後の脱臼予防への骨格・筋モデルを用いた動作解析システムの臨床応用」、および、「看護支援情報システムの高度化のためのインターフェース機能に関する研究」が新たに加わった。

「循環器病臨床評価指標の改訂と評価法に関する研究」は、現在、国立病院機構で使用されている循環器病の臨床評価指標に関し、更なる質的向上をめざした検討を行い、さらに、その効果的な活用法を開発するため行ったものである。平成18年度において、国立病院機構での臨床評価指標の見直しが行われたが、循環器病領域では、急性心筋梗塞症、脳卒中に関する臨床評価指標が採用され、その内容は現在施行中の臨床評価指標と変更はなかった。臨床評価指標に対する我々の従来の主張が認識されたものと考えられる。

 「人工股関節置換術後の脱臼予防への骨格・筋モデルを用いた動作解析システムの臨床応用」は、人工股関節置換術の重大な合併症の一つである術後脱臼のリスク判定を行うために、これまでに開発してきた4次元動作解析システムを臨床応用し、その判定可能性を検証しようとするものである。本システムの臨床応用の実現とシミュレーション結果の正確性を示し、本システムを用いることにより新たな知見が得られた。

 「看護支援情報システムの高度化のためのインタフェース機能に関する研究」は、医療現場の業務実態に適合した看護支援システムの実現を目指したものである。フィールドワーク技法を活用した質的分析アプローチを行い、電子カルテシステム導入の看護師のタスクへの影響を検討した。

当院では、平成184月に電子カルテが全面導入され、同時に、種々の診療情報のデータウェアハウス化が行われた。今後は、そこに蓄積される種々の情報を利用したデータマイニグに取り組み、病院内外の臨床研究の実施に役立てることが必要である。

 

2006度研究計画報告】

・人工股関節置換術後の脱臼予防への骨格・筋モデルを用いた動作解析システムの臨床応用:三木秀宣

・看護支援情報システムの高度化のためのインタフェース機能に関する研究:楠岡英雄

・循環器病臨床評価指標の改訂と評価法に関する研究:楠岡英雄

 

【2006年度研究発表業績】

A-0

OTAKE Y, SUZUKI N, HATTORI A, MIKI H, YAMAMURA M, YONENOBU K, OCHI T, SUGANO NSystem for intraoperative evaluation of soft-tissue-generated forces during total hip arthroplasty by measurement of the pressure distribution in artificial joints. Comput Aided Surg.121,2007,53-59

 

OTAKE Y, SUZUKI N, HATTORI A, HAYASHIBE M, NIKI H, YAMAMURA M, SUGANO N, YONENOBU K, OCHI TSoft-tissue balance evaluation system for total hip arthroplasty by intraoperative contact pressure measurement at the hip joint. Stud Health Technol Inform. 119,2006,416-421

 

A-3

三木秀宣菅野伸彦、山村在慶、中村宣雄、吉川秀樹:人工股関節全置換術後患者の脱臼予防リアルタイム4次元動作解析、Hip Joint32 355-358, 2006

 

三木秀宣、大竹義人、菅野伸彦、鈴木直樹:人体における関節運動の動作解析と臨床応用−股関節の動作解析と臨床応用− 整形外科最小侵襲手術ジャーナル39(5)  15-20, 2006