眼科

 

大鳥安正

 

加齢とともに増加する眼疾患としては、白内障、緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜剥離などがある。厚生労働省の統計によると、身体障害者の認定を受ける視覚障害者の原因疾患の第一位は緑内障で、第二位は糖尿病網膜症、第三位は網膜色素変性症、第四位は黄斑変性症の順となっている。緑内障および網膜疾患に対する治療は、新しい薬剤や手術治療の開発によって改善されてはいるが、病態の悪化を食い止めることができない場合もあり、高齢化社会を迎えている我が国の視覚障害者を可能な限り減らすためには、これらの難治性眼疾患に立ち向かう若い力とさらなる治療法の開発が必要と考える。

当院眼科の特徴としては、国立大阪病院の時代から伝統的に網膜硝子体疾患(黄斑部疾患、網膜剥離、増殖糖尿病網膜症など)に対する手術治療を数多く手がけていることが挙げられる。加えて、点眼治療で眼圧下降が得られないような緑内障に対しては積極的に緑内障手術を行っている。重症例の糖尿病網膜症では、二次的に血管新生緑内障を併発するが、網膜硝子体専門医と緑内障専門医がコラボレーションするかたちで難治性眼疾患を治療している。受託研究審査委員会の承認を得て、昨年より抗血管新生因子であるアバスチン(ベバシズマブ)が使用可能となり、加齢黄斑変性や血管新生緑内障に対して臨床応用し、まだまだ十分とは言えないものの良好な結果の得られるケースも増えている。

眼科手術で最も件数の多い白内障手術についてであるが、当院では、患者さんのご希望や全身状態に応じて、12日入院または56日入院のどちらかを選んでいただき、ご好評を得ている。

当科では、各医師がそれぞれ専門分野をもち、互いに協力して患者さんにとって最新最良の治療が行えるようにしている。以下に眼科スタッフを簡単に紹介させていただく。

 

      大鳥安正(昭63卒):眼科科長。大阪大学眼科臨床准教授、日本緑内障学会評議員。専門は緑内障。緑内障に関する専門的な知識と手術経験が豊富。

      建林美佐子(平2卒):専門は網膜・硝子体疾患、黄斑部疾患。硝子体手術の経験は豊富。

      阪本吉広(平6卒):専門は角膜疾患・ぶどう膜疾患。前眼部疾患外来の中心的存在。

      中田 亙(平9卒):専門は網膜・硝子体疾患、黄斑部疾患。硝子体手術の経験は豊富。

      林田康隆(平11卒):専門は眼表面・角膜。眼表面の再生医療を中心に大阪大学および米国マ      イアミ・眼表面センターで研究。

      濱本亜裕美(平13卒):専門は緑内障、眼形成(眼瞼)。立場的に上からも下からも頼りにされている存在。

      崎元 晋(平15卒):専門は網膜・硝子体疾患、黄斑部疾患。メキメキと頭角を現してきた若手のホープ。

      村上陽子(平16卒):眼科一般を担当。当科で一番若い人材ですが、何でもこなせる器用なところが魅力。

 


2007年度研究発表業績】

A-0

SHIMA C, MIKI A, OTORI Y, TANO Y. A case of iridoschisis associated with plateau iris configuration. Jpn J Ophthalmol 51390-3912007.

 

CHEN YT, LI W, HAYASHIDA Y, HE H, CHEN SY, TSENG DY, KHEIRKHAH A, TENG SC. Human amniotic epithelial cells as novel feeder layers for promoting ex vivo expansion of limbal epithelial progenitor cells. Stem Cells. 251995-20052007.

 

KITAYAMA K, HAYASHIDA Y, NISHIDA K, AKAMA TO Enzymes responsible for synthesis of corneal keratin surfate glycosaminoglycans. J Biol Chem. 282 30085-962007.

 

KHEIRKHAH A, CASAS V, BLANCO G, LI W, HAYASHIDA Y, CHEN YT, TSENG SC. Amniotic membrane transplantation with fibrin glue for conjunctivochalasis. Am J Ophthalmol. 144311-32007.

 

LI W, HAYASHIDA Y, CHEN YT, HE H, TSENG DY, ALONSO M, CHEN SY, XI X, TSENG SC. Air exposure induced squamous metaplasia of human limbal epithelium. Invest Ophthalmol Vis Sci. 49154-622008.

 

LI W, HE H, CHEN YT, HAYASHIDA Y, TSENG SC. Reversal of myofibroblasts by amniotic membrane stromal extract. J Cell Physiol. 7Epub 2008 (in press).

 

A-3

山崎裕子、三木篤也、大鳥安正、田野保雄:大阪大学眼科における選択的レーザー線維柱帯形成術の成績、眼紀 58493-4982007

 

桑村里佳、大鳥安正、三木篤也、田野保雄:狭隅角がんに対する白内障手術前後の前房形状解析、眼紀 588487-4922007

 

藤野貴啓、斉藤喜博、濱中紀子、高橋愛、崎元晋中田亙阪本吉広建林美佐子:ダブルスクウェアエッジレンズHP60MMeridian®)の後嚢混濁抑制効果、眼科手術20549-5532007

 

村上陽子、五味文、沢美樹、辻川元一、田野保雄:光線力学的療法施行後に再発あるいは遷延する加齢黄斑変性に対するベバシズマブ硝子体内投与、眼紀 58593-5992007

 

A-4

大鳥安正:原発閉塞隅角緑内障治療の第一治療はレーザー虹彩切開術か水晶体再建術(PEA+IOL)か?あたらしい眼科241015-10202007

 

A-6

中田亙、日下俊次:術後に生じるエマージェンシー 網膜硝子体手術後、「眼科ER まるごとマスター 緊急性から考えよう エマージェンシー」眼科インストラクションコース No.11、白神史雄、161-170、メジカルビュー社、東京、20074

 

大鳥安正MMCと強膜壊死、トラベクレクトミー完全マスター、眼科インストラクションコース No14、谷原秀信、84-85、メジカルビュー社、東京、20082

 

村上陽子、大島佑介:今日から実践!小切開硝子体手術−低侵襲小切開硝子体手術を深く知るための基礎知識、手術顕微鏡の特徴、クラリビット、門之園一明、172-175、メジカルビュー社、東京、20083

 

大鳥安正:緑内障治療薬、Frontier in Glaucoma 856-602007

 

大鳥安正:線維柱帯切除術、ポイントチェック!眼科手術の説明・準備・介助、眼科ケア 104-72008

 

B-1

OTORI Y. History and current status of laser iridotomy in Japan, The 5th Meeting of the Asia Angle-Closure Glaucoma Club, Gifu, Sep 2007.

 

OTORI Y, MIKI A, OSHIMA Y, KAMEI M, TANO Y. Efficacy of intravitreal bevacizumab as adjunctive treatment with pars plana vitrectomy, endolaser photocoagulation, and trabeculectomy for neovascular glaucoma.Asian Oceanic Glaucoma Society Conference, Bangkok, Dec 2007.

 

B-2

HAYASHIDA Y, LI W, HE H, MATSUMOTO Y, TSENG SC. Isolation and Demonstration of Limbal Epithelial Progenitor Cells Deep in the Limbal Stroma. ARVO (the Association for Research in Vision and Ophthalmology) Annual Meeting, MIAMI, FL, USA, May 2007.

 

SAKIMOTO S, SAITO S, FUJINO T, NAKATA K, HAMANAKA N, SAKAMOTO Y, TATEBAYASHI M, NAKAE K   Visual Outcomes of Postoperative Epiretinal Membrane Removal after Pars Plana Vitrectomy, ARVO 2007 Annual Meeting, Fort Lauderdale, Florida, May 2007.

 

FUJINO T, SAITO Y, HAMANAKA N, TAKAHASHI A, SAKIMOTO S, NAKATA K, SAKAMOTO Y, TATEBAYASHI M. Posterior Capsule Opacification After Implantation of a Hydrophlic Acrylic Interocular Lens With Double Square Edge and a Hydropholic Acrylic IOL With Posterior Square Edge. ARVO 2007 Annual Meeting, Fort Lauderdale, Florida, May 2007.

 

OTORI Y, MIKI A, OSHIMA Y, KAMEI M, TANO Y. Intravitreal bevacizumab as an adjunct for refractory neovascular glaucoma surgery. World Glaucoma Congress Singapore, July 2007.

B-3

大鳥安正:網膜神経節細胞に魅せられて、緑内障フォーラムin 岐阜−若い力、日本の力−18回日本緑内障学会シンポジウム、岐阜、20079

 

大鳥安正:閉塞隅角眼における前眼部解析装置の意義、緑内障オールスターズ、18回日本緑内障学会シンポジウム、岐阜、20079

 

大鳥安正:同時手術トラベクロトミー 水晶体を除去することの功罪、日本眼科手術学会総会シンポジウム、横浜、20082

 

B-4

村上陽子、五味文、沢美樹、辻川元一、田野保雄:光線力学的療法施行後の加齢黄斑変性に対するBevacizumab硝子体内投与、24回日本眼循環学会、高松、20077

 

三木篤也大鳥安正、田中智明、井上 亮、田野保雄:前眼部光干渉断層計によるneedling前後の濾過胞形状の解析、18回日本緑内障学会、岐阜、20079

 

高橋愛、阪本吉広村上陽子崎元晋濱本亜由美中田亙建林美佐子、斉藤喜博:Immune recovery uveitisと考えられた症例に網膜剥離を伴った一例、61回日本臨床眼科学会、京都、200710

 

村上陽子、大島佑介、大鳥安正、田野保雄:低眼圧黄斑症による黄斑皺襞に対して内境界膜剥離が奏功した2症例、31回日本眼科学会、横浜、20082

 

B-5

大鳥安正:より良いビジョンをめざして−緑内障−、23回日本眼科看護研究会シンポジウム、愛媛、20076

 

大鳥安正:視神経乳頭観察のコツ、25回湘西眼科臨床フォーラム200712

 

大鳥安正:新ガイドラインから学ぶ閉塞隅角緑内障アップデート、大阪医大眼科セミナー、大阪、20083

 

大鳥安正:視神経乳頭観察のコツ、1回とやま眼科学術講演会、富山、20083

 

B-6

崎元晋田口麻衣子村上陽子高橋愛濱本亜裕美中田亙阪本吉広建林美佐子大鳥安正:スペクトラルドメインOCTをもちいたHIV陽性患者における網膜神経線維層厚の測定、361回大阪府眼科集談会、大阪、200712

 

高橋愛大鳥安正、三木篤也、松下賢治:片眼性閉塞隅角の4症例、361回大阪府眼科集談会、大阪、200712

 

山崎裕子、三木篤也、松下賢治、田野保雄、大鳥安正:大阪大学眼科における選択的レーザー線維柱帯形成術の成績、361回大阪府眼科集談会、大阪、200712

 

佐田和也、亀田知加子、岡本仁史、濱本亜裕美:緑内障点眼薬の眼圧下降効果における個体差 座位および仰臥位での検討の続報、361回大阪府眼科集談会、大阪、200712

 

B-8

大鳥安正:緑内障診断のための眼底読影のポイント、2回東大阪眼科臨床懇話会大阪、20075

 

大鳥安正:緑内障診断のための眼底読影のポイント、27回因幡路眼科研究会、鳥取、20076

 

大鳥安正:再考!LIの適応と手技、近畿眼科オープンフォーラム、大阪、20076

 

大鳥安正:緑内障診断のための眼底読影のポイント、浜松眼科勉強会浜松、20077

 

大鳥安正:緑内障診断のための眼底読影のポイント、堺市眼科講演会、大阪、20078

 

大鳥安正:やさしい視野のみかた、大阪府眼科医会教育セミナー、大阪、200711

 

大鳥安正:新ガイドラインから学ぶ閉塞隅角緑内障アップデート、緑内障教育セミナー、大阪、200711

 

大鳥安正:視神経乳頭のみかた−ボーダーライン緑内障をどうみるか?−2回桜華会、大阪、20081

 

大鳥安正:充実した病診連携を目指して、天王寺区勉強会、大阪、20083