形成外科

吉龍澄子

19997月に大阪医療センター皮膚科内に形成外科の常勤医1名が赴任してスタートし、200041日より診療科として形成外科を標榜しました。形成外科は現在常勤1名、レジデント1名の2名体制で、20074月より外科の中で診療を行っています。

当院は形成外科学会の教育関連施設に認定され、形成外科専門医取得のための卒後教育にも当っています。

当科は、自科で行う診療および複数の科とのチーム医療における再建外科を2本の柱として行ってきました。院内での腫瘍外科手術の増加に伴い、チーム医療における再建外科としての比率がやや高くなっています。

自科としての診療では、主に顔面、頭頚部の皮膚悪性腫瘍、皮膚腫瘍、眼瞼形成術、ケロイド、瘢痕拘縮、顔面神経麻痺の形成手術を扱っています。

顔面の腫瘍の中でも特に眼瞼の腫瘍は、腫瘍の治療という点からだけでなく、眼瞼の機能、および整容的にも満足のいく治療を行うのが重要と考えて治療方針を決め、術式も工夫を行っています。眼瞼癌について放射線科、眼科の協力のもとに、手術だけでなく照射療法なども選択枝に入れて、十分な説明の上患者様の希望も考慮して治療方針を決定しています。

新たな試みとして顔面の皮膚癌について、四肢の腫瘍や乳癌でおこなわれているセンチネルリンパ節検査の導入を試み、その皮膚癌に適したリンパ節郭清を行う方針を採っています。

その他皮膚外科医としては治療困難な真性のケロイドに対して、切除後の放射線照射療法を含む治療に取り組み、症例に応じて、切除後放射線外照射あるいは組織内照射を行っています。

もう1つの診療の柱として当科では、院内の外科系各科の癌の切除後の再建に取りくんできました。頭頚部再建、乳癌再建が主なものですが、その他四肢、体幹の再建も増加しています。頭頚部再建は形成外科開設以来120例を超え、大部分がマイクロサージェリーによる遊離皮弁の症例です。耳鼻咽喉科、口腔外科、形成外科、放射線科で頭頚部カンファレンスを行い、術前の症例を検討しています。外科、耳鼻科、口腔外科、形成外科、放射線科、脳外科などによるチーム医療体制が良好なため、安定した再建成績を維持できており、現在まで再建皮弁の壊死などはありません。

乳房再建は、主に筋皮弁による再建を行ってきましたが、2007年より人工乳房による再建も開始し、患者様の再建の選択枝が増えました。

今後も悪性腫瘍、顔面の形成、再建外科、皮膚外科を中心に診療する方針です。

 

2008年度研究発表業績】

A-0

Yoshitatsu S, Matsuda K, Yano K, Hosokawa K, Tomita K, Muscle Flap Mass Preservation by Sensory Reinnervation with End-to-Side Neurorrhaphy: Anexperimental Study in Rats.J Reconstr Surg:24:8:1-9,2008

 

A-2

吉龍澄子吉田 謙:瘢痕・ケロイドに対する新しい治療の可能性―当科におけるケロイドの高線量率組織内照射療法(第二報)、瘢痕・ケロイド治療ジャーナル 瘢痕・ケロイド治療研究会、6-9、全日本病院出版会、東京、20083

 

A-3

吉龍澄子中庄谷奈々穂:当科における遊離組織移植による頭頚部再建症例―2回目以上の手術症例の術後合併症を中心とする検討― 日本マイクロサージャリー学会学術集会 2008

 

山崎良二、北野元裕上田孝文吉龍澄子:遊離自家腸骨移植と髄内釘固定により治癒しえたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)脛骨骨髄炎の一例、臨床整形外科、43(12)1253-12582008

 

B-3

吉龍澄子、松田 健、矢野健二、細川 亙、富田興一、久保盾貴:第35回日本マイクロサージャリー学会学術集会 20081114日(金)〜15日(土)、新潟市。

 

B-4                                                                                

吉龍澄子吉田 謙中庄谷奈々穂:ケロイドに対するイリジウム192による組織内照射療法。第51回日本形成外科学会総会・学術集会(名古屋)200849日(水)〜411日(金)

 

吉龍澄子大崎陽子:患者の自己決定権をめぐり治療方針に難渋した眼瞼癌の2例。第24回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会(岐阜市)200874日(金)〜75日(土)

 

平尾素宏吉龍澄子辻仲利政黒川幸典藤谷和正中森正二三嶋秀行高見康二池永雅一増田慎三安井昌義山村順大宮英泰宮本敦史辻江正徳:頚部食道癌切除再建法の工夫(ビデオ)。第70回日本臨床外科学会総会。20081127日(木)〜29日(土)。東京

 

B-6

大崎陽子吉龍澄子:皮膚浸潤した進行期悪性腫瘍に対してMohs’Pasteを使用した対症療法、緩和医療。第91回日本形成外科学会関西支部学術集会。20081129日(土)。京都市。