独立行政法人国立病院機構大阪医療センター皮膚科

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見わけにくい皮膚悪性腫瘍その3;ホクロ?

 
上の2枚の写真は全く別人の頬の皮膚腫瘍です。一見しただけでは、ほとんどその違いが分かりません。それでは腫瘍を拡大してみましょう。

左側は色調はほぼ均一で、表面がスムースで境界も分かりやすいのですが、右側は色合いがまだらで、表面もデコボコして何だかきれいではありません。左側はいわゆるホクロで、皮膚良性腫瘍の色素性母班です。しかし、右側は基底細胞癌という皮膚悪性腫瘍です。基底細胞癌は、皮膚悪性腫瘍のなかでも発生頻度が一番高い皮膚がんです。

上の3枚の写真は全て基底細胞癌の写真です。腫瘍の様子がよく分かるように、また近付いてみましょう。

基底細胞癌の特徴として、色調がまだらで、表面が一部平滑に見える場合でも全体的には凹凸が存在し、潰瘍が存在したり毛細血管が透けて見えたりすることが挙げられます。しかし、この基底細胞癌を見わけるのはそう簡単ではありません。高齢者の顔面に発生することが多く、早期に発見すれば悪性度は高くありませんが、比較的若い年代に基底細胞癌が発生する場合もあります。キズの治りが悪い皮膚腫瘍は注意が必要です。

見わけにくい皮膚悪性腫瘍その4;ダーモスコピー

上の3枚の写真は全て基底細胞癌の写真です。皮膚がんは、肉眼的には鑑別が難しいこともあり、当科ではダーモスコピーという補助的検査法を取り入れています。

右端はダーモスコピーに用いるダーモスコープです。左の3枚の写真は、上のそれぞれの基底細胞癌をダーモスコープで観察したものです。皮膚表面の乱反射が抑えられ病態がより明かになっています。この検査は、腫瘍の表面にゼリーを塗って観察するだけなので全く痛みもありません。

足の裏にホクロがあるからと言って必ずしも心配する必要はありませんが、やや大きかったり形がいびつであったり色調が不均一なホクロやしみは悪性腫瘍の場合もあります。肉眼では鑑別しにくい時にも、ダーモスコピーが役立ちます。

上の4枚それぞれにダーモスコピーを行うと、左の2枚は色素性母班(ホクロ)において特徴的に見られるパターンを示し、右の2枚は悪性黒色腫の場合に典型的なパターンを認めることが出来ます。ダーモスコピーだけでは100%診断することが難しい場合もありますが、ダーモスコピーは有益かつ患者負担が少ない補助的診断法です。

Osaka National Hospital Department of Dermatology