顔面骨骨折

耳鼻咽喉科頭頸部外科の救急疾患の中に顔面骨骨折があります。当院では顔面骨骨折の症例にも対応しております。

原因:転倒転落、けんか、スポーツ、交通事故などがあげられます。受傷時飲酒している例も多く、受傷時の記憶がはっきりしない場合も少なくありません。

診断:視診、触診のほか単純レントゲン、CTなどが用いられますが、触診は特に重要と考えています。また、吹き抜け骨折などの場合にはMRIも用いられます。勿論、脳や頭蓋底、四肢、胸腹部などの外傷の合併にも注意を払う必要があります。

治療:基本的に手術的な整復を第一と考えております。ただ、骨折があるからといって全て手術適応になるわけではありません。我々は、@開口障害、咬合不全、複視、眼球運動障害、視力障害、鼻閉などの機能障害、A外観の異常、Bしびれ、知覚異常などを伴うものを手術適応と考えております。逆に言えば骨折があっても他にこれといった症状がない場合は必ずしも手術は必要ないこともあります。また手術は受傷後遅くとも2週間以内に行うのが良いと考えています。鼻骨骨折整復以外の手術は全身麻酔下に行うことを原則としています。主な骨折と当科における主たる手術法を列挙します。

鼻骨骨折;徒手整復

頬骨(弓)骨折;外切開による整復後チタンプレートによる固定

上顎骨骨折;外切開による整復後チタンプレートによる固定

眼窩吹き抜け骨折(ブローアウト骨折);内側壁骨折;内視鏡下鼻内法による整復

                   下壁骨折;経上顎洞法による整復

下顎骨骨折;外切開による整復後チタンプレートによる固定(原則として顎間固定はしない)
なお、チタンプレートは人体との親和性も高く、耐久性にも優れており、骨折治癒後のプレートの除去は原則として行っておりません。

症例

43歳 男性 受傷原因 けんか 眼窩吹き抜け骨折(下壁)

57歳 女性 受傷原因 転倒  頬骨弓骨折

32歳 男性 受傷原因 けんか 上顎骨骨折

24歳 男性 受傷原因 けんか 下顎骨骨折

プレート固定

単純レントゲン像

3D-CT像

単純レントゲン像(整復前)

整復後(プレート固定)

MRI T1強調冠状断

整復後(バルーン固定)

38歳 女性 受傷原因 転倒 眼窩吹き抜け骨折(内側壁)

整復前

整復後