大阪医療センターの近畿がんセンター呼吸器部門では、内科、外科、放射線科、臨床検査科(病理)の呼吸器を専門とする医師らによる共同診療体制により、肺癌や縦隔腫瘍など胸部領域の腫瘍の診断・治療を行っています。2006年4月よりこれらの病気を専門とする経験豊かな医師が増員され、充実した医療体制が組織されています。




内科

1.概説 | 2.頻度 | 3.症状 | 4.検査 | 5.進行度
6.治療 | 7.治療成績 | 8.予防



 1.概説

肺にできる悪性腫瘍で気管、気管支、肺胞の細胞が正常の機能を失い、無秩序に増えることにより発生します。

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 2.頻度

年々増加傾向にあり、50歳以上に多く、男女比は約3:1です。
肺がんによる年間死亡者数は約5万2千人であり、1993年からは肺がんは男性のがん死亡率の第1位となり、女性では胃がんについで第2位です。

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 3.症状

初期は無症状のことが多い。
一般症状は、なかなか治りにくい咳、痰、血痰、胸痛、喘鳴、息切れ、嗄声、発熱などです。

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 4.検査

最初に胸部レントゲン検査、血液検査(腫瘍マーカー)、喀痰細胞診検査をします。
次に異常があれば、胸部CT検査、気管支鏡検査、生検などをして診断します。

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 5.進行度

1)非小細胞肺癌

がん細胞の拡がりぐあいで病気の進行を分類します。
潜伏癌
がん細胞が、痰の中に見つかっているが、病巣があるかわからない。
0期
がんは局所に見つかっていますが、気管支をおおう細胞の細胞層の一部のみにある。
Ia期
がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cm未満であり、リンパ節や他の臓器に転移を認めない。
Ib期
がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cm以上で、リンパ節や他の臓器に転移を認めない。
IIa期
原発巣のがんの大きさは3cm未満であり、がんが原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めますが、他の臓器には転移を認めない。
IIb期
原発巣のがんの大きさは3cm以上であり、がんが原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めますが、他の臓器には転移を認めない。あるいは、原発巣のがんが肺をおおっている胸膜・胸壁に直接およんでいますが、リンパ節や他の臓器に転移を認めない。
IIIa期
原発巣のがんが直接胸膜・胸壁に拡がっていますが、転移は原発巣と同じ側の肺門リンパ節まで、または縦隔と呼ばれる心臓や食道のある部分のリンパ節に転移していますが、他の臓器には転移を認めない。
IIIb期
原発巣のがんが直接縦隔に拡がっていたり、胸水があったり、原発巣と反対側の縦隔リンパ節に転移していますが、他の臓器に転移を認めない。
IV期
原発巣の他に、肺の他の場所、脳、肝臓、骨、副腎などの臓器に転移がある場合です。


2)小細胞肺癌

小細胞肺がんでは、限局型、進展型に分ける方法も使われています。
限局型
がんは1側の肺と近くのリンパ節に見つかる場合です。
進展型
がんは肺の外に拡がり、がんの転移が身体の他の臓器にも見つかるです。

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 6.治療

肺がんの治療法として主に外科療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)による治療です。
治療は主に病期により決定されます。全身状態、心臓・肺機能などによって治療が異なります。

1)外科療法

肺がんが早期の場合に行われます。心臓や肺の機能障害がある場合は手術できないことがあります。(詳細は外科のページを見てください)

2)放射線療法

放射線を使ってがん細胞を殺すものです。
非小細胞がんの場合、手術できないI期からⅢa期、胸水を認めないⅢ期、小細胞がんの場合は限局型が対象となります。
肺がんの場合、通常は身体の外から患部である肺やリンパ節に放射線を照射します。

3)化学療法(抗がん剤)

化学療法はすべての病期の小細胞がんに対する最も一般的な治療です。
非小細胞がんは小細胞がんに比べて抗がん剤が効きにくいです。
化学療法は、多くの場合静脈注射や点滴静脈注射で行います。
抗がん剤による治療は単独で行われることもありますが、放射線療法や外科療法と併用することもあります。

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 7.治療成績

1)非小細胞肺癌

5年生存率(治療開始からの5年間生存する割合)は、がんの病期と全身状態により異なります。病期Ⅰ期約70%、Ⅱ期約50%、Ⅲa期約25%、ⅢbあるいはⅣ期10%未満です。

2)小細胞肺癌

限局型の場合、治療開始後3年間再発しない方は約20%です。進展型の場合、3年の間に殆ど再発します。

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 8.予防

確実な予防法はありませんが、喫煙が大きな危険因子としてあげられます。
喫煙指数=1日の本数×喫煙年数が600以上の人は、肺がんのリスクが高くなります。また、喫煙の開始年齢が若いほどリスクが高いです。
喫煙は喫煙者本人だけでなく、周りの人にも同様の影響があります。(平成16年4月から敷地内禁煙を実施予定です)
喫煙以外にも大気汚染やアスベストなどとの関連も指摘されています。