大学病院間ネットワーク(UMIN)
阪大病院の中にLANができ、次いで阪大キャンパスにODINSというLANが誕生した。病院LANとキャンパスLANを接続すべきかどうか迷ったが、セキュリティに自信が持てず、当初は結ばないことにした。接続されておれば、診察室の端末機で世界の医療情報を参照しながら診療や教育を行えるというメリットもあるが、何しろ、病院情報システムは患者さんのプライバシー情報を扱っているので、これが外のネットワークに漏れたり、外から病院LANに珍入されると大変まずいことになる。
そこで生まれたのが、国立大学病院の情報システムだけを結ぶネットワークである。実は、こちらのほうがかなり早くて、東大病院医療情報部の開原教授の努力と文部省医学教育課大学病院指導室の理解によって平成2年に誕生した。「大学医療情報ネットワークUMIN」と名付けられている。学術情報ネットワークの空き回線を拝借して結ばれ、東大病院に置かれたCPUによって管理されているが、ゲートウェーを介して学術情報センターとつながっているので、外部のネットワークにも入って行けるが、反対に外部からはUMINには入って来れない1方通行の仕掛になっている。
UMINで最もよく使われているのは電子メールである。医師というのは病院の中を走り回っているので電話だとなかなか捕まらないが、電子メールなら夜間でも早朝でも送っておける。FAXも同じだがペーパーレスのほうがスマートだし、多数の人に同じ文面を伝えるときには電子メールのほうが効率がよい。もっとも、電子メールの場合、相手がコンピュータの画面を毎日見てくれないと駄目だが、最初はそういうこともあったが、最近では毎日見ることがすっかり習慣となった。電子メール以外では、「みんなの広場」とか、特定のテーマの「フォーラム」があって、多くの人が情報を提供したり、議論を行っている。たとえば、診療記録(カルテ)を電子化するための技術やコンセプトを議論するために「電子カルテ」というフォーラムが設けられている。全国を結んだこういうネットワーク上で議論することによって、標準化、つまりボーダーレス化を進めて行くことにも役立つであろう。これらの利用の他に、UMINで開発されたいくつかのデータベースも利用されている。将来的には、X線など画像データを含む診療記録の伝送を行って、全国規模の診療記録データベースを作り、さまざまな解析を行いたいと考えてはいるが、このためにはまだ解決しなければならないことがいくつかあって、もう少し先のことになる。
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Michitoshi INOUE / President, Osaka National Hospital
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