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腎臓は精緻に創造されたvital organで、腎臓なしでは生命維持が不可能です。海から陸へと生命の進化の過程で生まれた臓器と考えられており、一つの臓器ながら多数の機能を有しております。
私達は腎臓本体の機能を次のように整理・分類しています(医学の教科書には載っていません)。図1を見ながら理解してください。
A機能(糸球体機能):血漿を1分あたり100 mL濾過する機能。GFRという検査値に反映される部分です。CKDステージ分類や一般的な腎機能が悪いという概念はA機能のみを数値化しているにすぎません。
B機能(尿細管機能):水と各種物質の再吸収と分泌を行う機能。図1の血管が巻き付いた部分です。各種の内因性シグナルを受けてATPを消費しながら精密に、物質別に定量的に、行う作業になります。GFRのようにわかりやすい臨床検査指標がないため、医師にすら認知されにくい部分です。腎臓はわかりにくいとかdifficult to perceiveとか言われる原因でもあります。体液制御を担う腎機能の根幹はこのB機能であり、核酸アナログ系抗ウイルス薬でしばしば傷害されます。
C機能(内分泌機能):レニン産生、エリスロポエチン産生、ビタミンDの1位水酸化、などの内分泌機能です。おおまかに言えば、レニンは体液量調整に、エリスロポエチンは体液中の酸素分圧調整に、ビタミンDはカルシウム濃度(筋収縮力や神経伝達に関与)やリン濃度(骨形成やエネルギー代謝に関与)調節に、それぞれ関わります。原始海水に近い体液を作るために腎臓が制御しているわけですが、A機能ともB機能とも独立です。
D機能(栄養代謝):腎臓はアルブミン分解とその再利用の一部を担います。また、肝臓ほどではないものの、細胞内のglucose-6-phosphateを脱リン酸化して血中にグルコースを提供する糖新生を行います。研究的にもまだまだ今後発展すると考えられる領域です。

さて、腎臓内科医の仕事として外から認知されやすいのは、「A機能の異常に対処する腎臓内科医」です。尿が出なくなったら腎臓内科、透析治療が必要になったら腎臓内科、というわけです。あるいはA機能を担う装置(糸球体)の傷害として腎炎・糖尿病性腎症・種々のネフローゼ症候群、などもわかりやすい専門分野と言えるでしょう。輸液に関する診療スキルも高いレベルが望まれます。最近では、重症疾患管理における腎臓内科医の関わりとしてcritical care nephrologyという概念(診療分野)も生まれています。特殊体外循環治療や炎症を制御する薬剤の投与によりSIRSやARDS、DIC、重篤な免疫疾患などの急性期をのりこえる医療です。

基礎研究面ではどうでしょう。再生医療のような応用医学を除けば、B・C・D機能に関わる部分はまだまだ未開拓テーマが残る領域です。D機能や栄養代謝は基礎研究でも臨床研究でも、日常診療でも、今後急速に発展・拡大すると予想されます。

上述のように、腎臓内科には多くの未開拓の分野が残っております。また腎臓内科医が不在の病院も存在し、まだまだ腎臓内科医は不足しております。一人でも多くの優秀な腎臓内科医を育成することは、私たち腎臓内科医の使命の一つでもあります。単に現状の治療法に満足するだけではなく、より良い診断、治療を行いたいという進取の気性を持った、リサーチマインドを有した腎臓内科医を育てたいと考えております。臨床現場にこそ、現在解明されていない新たな診断、治療の鍵が眠っているのだという信念のもと、私たちは日々の診療に当たっています。当科科長は大阪大学医学部附属病院腎臓内科で病棟医長として大勢の医学生、研修医を長年指導してきた経験を有しております。このような当科で研修を受けたい方は、まず見学にお越しいただき、ぜひとも科学的思考を学ぶ現場を見ていただきたいと考えおります。必ずや、満足いただける研修を送っていただけることと信じております。私たちは、診療専門分野としても研究分野としても、腎臓内科を専攻することは賢明な選択だと考えます。やる気に満ちた学生、研修医諸君を歓迎します。
連絡先は当院職員研修部まで。

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(本ホームページは2016年4月の情報に基づいています)