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当院腎臓内科の特色
(1)慢性糸球体腎炎、なかでもIgA腎症の診断と治療
血尿、蛋白尿を来す腎疾患として慢性糸球体腎炎があります。 患者さん本人には全く自覚症状がないことがほとんどですが放置すると将来的に透析などのリスクがある場合があるため、自己判断での放置は禁物です。 健診や人間ドックなどで血尿、蛋白尿などを指摘された場合は、自覚症状がなくても腎臓内科を受診することが必要です。 精査の結果、経過観察程度でよい場合もありますが、腎生検などで精査することが必要な場合もあります。
この慢性糸球体腎炎の中でも、IgA腎症は最も頻度の高く、しかも若年者が罹患することが多い疾患で、腎生検にて診断が可能です。 病気の進展度合いにもよりますが最近、難病に指定されました。 扁桃摘出・ステロイドパルス(扁摘パルス)療法については、本邦で盛んとなる以前の黎明期より当科科長は阪大病院時代から施行し、良好な成績を経験しております。 治療に抵抗する症例や再発症例はかなり減少しましたが、それでもなお難治例や扁摘パルス療法で再発した方がおられ、そのような患者さんに対する治療にも私たちは経験を有しております。 研究面に関しましては、IgA腎症の診断、治療反応性について、O型糖鎖異常という観点から、質量分析器を用いた検討を行ってまいりました(Iwatani H et al, Biochem Biophys Res Commun. 2012)。 IgA腎症は扁桃腺などの病巣感染(局所にほとんど無症状だが、遠隔臓器に影響を及ぼすような慢性持続性感染)が原因とされており、扁桃摘出の有効性も報告されています。 この扁桃腺の病原体に関して、いくつかの歯周病菌の関与が重要であるという研究報告を行っており(Nagasawa Y, Iio K, Fukuda S, Date Y, Iwatani H et al, PLoS One. 2014)、現在注目を浴びております。 また、血尿は本疾患の発症機序として非常に重要で、血尿の原因として末梢血中の白血球の一部であるNK細胞が重要な役割を担っていること、本疾患は腎臓に限局した一種の血管炎と考えられる状態であることを報告して参りました(Iwatani H et al, Clin Exp Nephrol. 2015)。
本疾患やその疑いでお困りの患者さん、ぜひとも豊富な経験を自負する当院腎臓内科にご相談ください。IgA腎症外来(初診、完全予約制)へは、近医よりの紹介状を持参してお越しください。ただ、腎臓病一般について言えることですが、病気の進行度合いがある程度を超えた時点からは、腎生検を施行すること自体の危険性が有益性を上回るようになり、腎生検を行えないことがあります。そのような場合、IgA腎症と診断できず、IgA腎症特異的な治療ではなく、通常の慢性腎臓病一般として腎機能低下を抑制する治療を行うことになる場合があります。IgA腎症と確定していても、また腎生検が行えずIgA腎症と確定できていなくても、治療方針が決まり、病状がある程度安定すれば、近隣医療機関と病診連携も行いますので、ご理解頂きますようよろしくお願いします。
 
(2)糖尿病性腎症や肥満関連腎症
糖尿病性腎症は現在、増加しており、本邦の透析導入原疾患の第一位を占めております。 血糖管理以外に、厳格な血圧管理や食事、運動、禁煙といった生活習慣の改善が重要とされております。 また多くの薬剤が開発され、治療の選択肢が広がっておりますが、当科では、食生活習慣の改善を基礎として、積極的な集学的治療を行うことで、腎予後の改善、ならびに心血管イベント(心筋梗塞や脳梗塞、脳出血など)の防止を目指していきたいと考えております。 血清Cr(クレアチニン)がわずかに上昇しはじめた糖尿病性腎症、アルブミン尿や蛋白尿の出現した糖尿病性腎症はぜひとも当院当科へご相談ください。 Crが2〜3mg/dl以上になれば、残った腎臓の機能はわずかですので、私たち腎臓内科医が透析までの期間を延長しようとしても、患者さんの受ける恩恵はわずかとなります。 しかし、Crが1mg/dlを超えはじめたころ(およそeGFR 50 ml/min/1.73u)から腎保護的な治療を開始すれば、腎臓の機能を十分に保持し、末期腎不全(透析や腎移植などの治療が必要な状態)までの時間を延長することが可能です。 勿論、患者さんご本人の疾患に対するしっかりとしたご理解ならびに生活習慣改善が大前提になります。 実際のところ、食生活の改善に成功した意欲的な糖尿病性腎症患者さんでは、尿蛋白の減少のみならず、持続的なCrの低下を経験しており、私たちは治療の手応えを感じております。 つまり、患者さんご自身に、現状ならびに、食生活習慣の改善の重要性をご認識いただき、如何にして生活習慣改善という行動変容につなげるかが生活習慣病の医療においてもっとも難しいところであり、かつ私たち医療者の頑張り所でもあります。 栄養士さんによる栄養指導やその他の種々のツールを用いて患者さんの動機づけを行いながら、治療を行っていきたいと考えております。
また肥満状態では、血液中の善玉のアディポネクチンが減少し、動脈硬化が進展しやすいことがわかっております。 このアディポネクチンの減少は腎疾患にも悪影響を及ぼします(Ohashi K, Iwatani H et al, Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2007)。 今後は糖尿病性腎症だけではなく、肥満関連腎症の治療、病態解明にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。 実際、食生活習慣の改善に成功した肥満腎症患者さんでは、減量が可能となっただけでなく、尿蛋白の大幅な改善を経験しており、治療の手応えを感じております。
増加の一途をたどる糖尿病性腎症、肥満関連腎症の進展阻止を行う事が、今後の末期腎不全患者の減少を狙う上で喫緊の課題の一つです。 糖尿病性腎症や肥満関連腎症でお困りの患者さん、ぜひとも当院腎臓内科にご相談ください。
 
(3)ネフローゼ症候群やその他、浮腫性疾患
ネフローゼ症候群とは、大量の尿蛋白が出現して下腿などがむくみ、血液中の蛋白、アルブミンが著明に減少する病気です。高脂血症を伴うことも多く、放置すると日常生活が困難となることが多々あります。腎臓に原因ある一次性のものと、悪性腫瘍など腎臓以外に原因がある二次性のものがあります。治療方針やその予後を推測するうえで、腎生検による組織診断が多くの場合必要となります。検査から治療まで、月単位の長期間の入院が必要なこともしばしばです。腎生検の結果、微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)や膜性腎症などをはじめ、様々な組織を呈するネフローゼ症候群があります。
微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)は、通常ステロイド治療で寛解(蛋白尿が消失すること)しやすいとされる疾患ですが、私たちは慢性副鼻腔炎を合併したMCNS症例に、副鼻腔炎に対する根本的な外科的治療を行うことのみで、ステロイド治療を行わずに寛解を得た症例を経験しております(Iwatani H et al, Internal Medicine, 2015)。この事例は、頭頸部の慢性的な感染(病巣感染)がMCNSなどのネフローゼ症候群を引き起す可能性を示唆しており、原因が不明とされる多くの原発性のネフローゼ症候群の病態を解明する上で非常に重要であると考えております。当科ではネフローゼ症候群の精査、治療においては、常に頭頸部の病巣感染の有無に意識して、根治的な治療を心掛けるという画期的な治療方針を提供しております。
慢性腎臓病(CKD)の重症度分類にもありますように、腎疾患にはしばしば心疾患、心不全などを合併することが多く、多くの場合むくみ(浮腫)を呈することがあり治療に難渋することがあります。このような難治性の浮腫に最近新しい種類の利尿薬(水利尿薬)が開発され、浮腫管理、治療が可能となりました。当科では、新規の水利尿薬の使用に関しても使用経験が豊富で、浮腫改善、体重減少効果を予測する因子を検討し、報告しております(Iwatani H et al, Nephron, 2015)。
 
(4)多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん;PKD)
腎臓や肝臓などに嚢胞(のうほう。みずぶくれのこと)が多くできて、腎機能低下や圧迫症状などを呈する疾患で、腎疾患の中では最も頻度の高い遺伝性疾患です。脳動脈瘤なども合併しやすいことがわかっております。これまで治療薬が存在しませんでしたが、最近新しい治療薬が開発され、腎のう胞の増大を抑制できることがわかって参りました。この新しい治療薬は高価ですが、ある一定の条件をみたせば、使用可能であり、公費の助成を受けることも可能です。ただ治療には尿が多量にでるなどの不都合もあり、いくつかの注意点が必要で、医療者側の経験も求められます。比較的治療経験が豊富な私たちに、ご相談ください。初めて受診される患者さんは、当院で開設しております多発性嚢胞腎外来(初診、完全予約制)に近医より紹介状を持参して受診ください。
 
(5)電解質異常(低Na血症、低K血症、高Ca血症など)
ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、リン(P)、マグネシウム(Mg)などの電解質異常をみとめれば、腎臓内科にご相談下さい。特に低Na血症は、頻度が高く、治療に難渋することも多いです。心疾患や肝疾患での低Na血症は予後が悪いこともわかってきております。また低Na血症は骨粗しょう症だけでなく、転倒も起こしやすく、認知機能にも悪影響があることがわかりつつあります。
カリウムは低値がつづけば、筋力低下や腎機能の増悪をきたしますので、精査加療が必要です。またとくに高血圧がある場合には、原因が特定できる二次性高血圧の可能性も高くなりますので、当科にご紹介いただければと思います。
 
このように、豊富な臨床経験をもとに、その治療経験や得られた成果を英文誌に報告して、全世界の臨床医や研究者と共有してきました。また、臨床医ならではの日頃の疑問を解明するとともに、現在の臨床の中から、より侵襲の少ない新たな診断や、よりよい治療法といった明日の医療を目指したいと考えております。まだまだ未熟ではございますが、当院腎臓内科を何卒よろしくお願い申し上げます。
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(本ホームページは2016年4月の情報に基づいています)