訪問研修について

HIV陽性者の長期療養の現状で紹介した調査3の結果によると,社会福祉施設は、受け入れ経験があっても、今後受け入れ意向があるといえず、一方でHIV研修受講経験があると、受け入れ意向に反映することが分かりました。また殆どの施設では,受け入れに際するガイドラインがほしいという希望を持っていました。

そこで研究班では、冊子「社会福祉施設とHIV陽性者」(資料編参照)を作成し、エイズ予防財団の協力を得て、全国の社会福祉施設に配布しました。そしてその際に研修申し込み用紙を同封し、自施設での研修(訪問研修)希望を募りました。2007年度は申し込みのあった施設9箇所と職能団体1カ所に対して研修を行いました。

研修内容は医学知識、スタンダードプリコーション(施設での標準的感染予防対策)、受け入れ経験のある施設職員の体験談で構成しました。またその際、アンケートを実施し、研修前後における受け入れ意向・態度の変化と、研修を受けた後の感想(自由記載)を求めました。

その結果、各施設とも研修後では、研修前に比べて受け入れ意向が統計的にも有意に高くなっていました。 また「自身の課題」に関する自由記載をテキストマイニング手法という方法で分析した結果、研修を受けたり、積極的に関わることで理解したり、人に伝えるという「具体的な行動」をもって「偏見・差別をなくす」ことが必要という認識があること。またその背後には「当事者の立場に立つ」という意識があると解釈されました。さらにそうした行動は、「知識の向上」をもたらし、そのことが「受け入れ準備」を促進することに繋がると考えられました。一方で、「予防」や「感染への注意」や「感染に対する対応」には具体的な医療的知識、技術が必要ということが示されました。

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