長期療養という言葉の意味

HIV感染症に対する治療は近年格段に進歩し、適切な時期に服薬を含めて適切な治療を継続できれば、感染前の生活と殆ど変わらない生活を続けることができるようになりました。しかしながら今の医療ではHIVウィルスを体内から完全になくすことはできず、一生医療を継続することは必要です。その意味では全てのHIV陽性者は長期的な受診と生活管理が必要といえます。

本ホームページで取り上げている長期療養を要する患者とは、そのような意味での長期的な受療の必要性を指すのではなく、何らかの原因で,治療経過の中で身体障害や認知症など要介護の状態を伴うことにより、たとえ免疫機能は落ち着いていても,介護や支援を必要とする人のことを指します。何らかの原因とは,感染に気づかず受診するのが遅れたために、HIV医療が進歩したといっても上手く薬が効かず、HIV脳症などが原因となって、四肢の障害や認知症症状が残った場合や、HIV感染者が脳梗塞や加齢のために要介護状態になったような場合、血友病など他の病気による障害を合併しているHIV陽性者等を指します。このような患者さんは,在宅生活を希望しても、家族を含め,地域の医療・福祉サービス資源が十分に整わなかったり、社会福祉施設を利用したくても施設側の理解が得らないために、 本人の希望する生活の場が保障されないことがあります。このために入院治療の必要がなくなった後も、当該病院で入院を継続せざるを得ない状況になったり、入院の必要がないのにいわゆる社会的入院をせざるを得ない場合があることが分かっています。

このような状態にあるHIV陽性者のことを本ホームページでは長期療養者と呼んでいます。
本ホームページは,こうした患者さんが,ご自分の希望する生活の場に可能な限り早く戻り、安定した療養生活が送れることを支援するために開設されたものです。

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