独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター
HIV/AIDS先端医療開発センター

〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14
TEL:06-6942-1331(代) FAX:06-6946-3652

 

研修会報告

平成20年度HIV感染症医師実地研修会

 大阪医療センターでは、増加を続けるHIV感染症患者に対してHIV専門医が少ないという状況を改善する為に、平成18年度よりHIV感染症専門医師養成コース(HIV感染症医師実地研修会)を実施しています。本年度も1ヶ月間におよぶ実地研修を実施しました。

実施時期
平成20年10月6日(月)~平成20年10月31日(金)
開催場所
独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター
開催目的
西日本のエイズ診療拠点病院に勤務する医師向けに、HIV感染症に関する最新の専門知識・治療技術を習得してもらい、HIV診療体制構築の充実を実践できる人材を育成する。
対象
西日本(北陸・東海・近畿・中四国・九州)ブロックのエイズ治療拠点病院医師(初期臨床研修医は除く)
参加者
2名
内容
講義・病棟実習・外来見学・NPO見学

講師一覧

薬害HIVについて 西田恭治(免疫感染症科)
HIV感染症疫学 白阪琢磨(免疫感染症科)
HIV感染症の診断と告知 渡邊 大(免疫感染症科)
HIV感染症の初回治療の考え方 白阪琢磨(免疫感染症科)
HAARTの組み立てと服薬指導 吉野宗宏(薬剤科)
日和見感染症診療a PCP・抗酸菌症 谷口智宏(免疫感染症科)
日和見感染症診療b カンジダ・KS 矢嶋敬史郎(免疫感染症科)
日和見感染症診療c クリプトコッカス・PML 富成伸次郎(免疫感染症科)
STD診療 谷口智宏(免疫感染症科)
HIV診療(初診・再診時の診療・検査) 渡邊 大(免疫感染症科)
日和見感染症診療d ML・CMV 上平朝子(免疫感染症科)
針刺し事故対策 富成伸次郎(免疫感染症科)
HIVウイルス学 白阪琢磨(免疫感染症科)
薬剤耐性HIV変異株と新薬 白阪琢磨(免疫感染症科)
HIV急性感染 渡邊 大(免疫感染症科)
血友病診療(内科) 大谷成人(免疫感染症科)
女性とHIV 伴 千秋(産科)
免疫再構築症候群 上平朝子(免疫感染症科)
HIV感染症の看護(外来) 下司有加(看護部)
HIVとカウンセリング 安尾利彦(臨床心理室)
HIV感染症における呼吸器疾患診断 栗山啓子(放射線科)
小児とHIV 多和昭雄・尾崎由和(小児科)
HIV感染症と肝炎 加藤道夫(消化器科)
HIVと薬剤耐性検査 臨床検査科
HIV感染症における外科疾患 宮崎道彦(外科)
血友病診療(整形外科) 吉田礼徳(整形外科)
HIV感染症の看護(病棟) 東 政美(看護部)
特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権(MERS) MERS
在宅長期療養支援 下司有加(看護部)
HIVとソーシャルワーク 岡本 学(医療相談室)
HIV関連呼吸器病変 小河原光正(総合内科)
HIV感染症と精神科疾患 梅本愛子(精神神経科)
HIV感染症と眼科疾患 阪本吉広(眼科)
特定非営利活動法人 CHARM CHARM
HIV感染症と歯科疾患 有家 巧(歯科口腔外科)
臨床栄養学 松尾 彩(栄養管理室)
HIV感染症における中枢神経疾患診断 油谷健司(放射線科)
HIV感染症と皮膚疾患 田所丈嗣(皮膚科)

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参加者の感想文
阪府立病院機構呼吸器・アレルギー医療センター
結核内科 鉄本訓史

 私は今まで呼吸器内科として診療を行っておりましたが、呼吸不全にて来院した患者がPCPであり、精査したところHIV感染者であったということは経験いたしました。しかし、HIV感染に関してあまり知識を持っていなかったため、対応に困惑することがございました。また、私は現在の病院に来て結核診療を行っておりますが、結核診療を通して慢性感染症の概念を知り、今後HIV感染者の結核発症も問題となってくると考えられたため、今回研修に参加させて頂くことといたしました。

 研修のスケジュールはまず最初の2週間、HIV感染症に関する専門知識の講義をたくさんの専門の先生方に行っていただきました。講義は感染症の内科分野だけではなく、眼科・皮膚科・整形外科などの他科の先生方にも講義をして頂き、学生以来の新鮮な気持ちで学ぶことができました。今回の研修は姫路医療センターの先生と2人で行っていたため、講義中にわからない部分があればその場で質問ができ、たくさんの事を効率よく学べたと思います。また、さらに勉強になったことは、病院にいては知ることができない、NPOなどの活動現場を見学することができたことです。HIV感染症を診療していくにあたっては、医療面だけではなく外国人の問題や疾患に対する差別の問題など、社会的な背景の問題を解決していかなければならないと聞いておりました。今回、NPOの見学を行わせて頂いたことにより、具体的な活動内容がわかり、今後どういうことでどこに相談をすればよいかを具体的に学ぶことができました。

 講義で知識を得た後は、実際の患者様の診察を行わせて頂きました。また、入院中の患者様の電子カルテを拝見させていただき、実際の治療選択をどの様に行っておられるのかを、具体的にスタッフの先生方に説明して頂ました。外来にては初診の方の問診の様子や、薬剤師の先生による服薬指導を実際に見学させていただき、講義していただいた内容を再確認することができました。

 今回上記の様にさまざまな事を教わりましたが、HIV感染症を理解するには一ヶ月では短く、一人で行っていくのは困難だなというのが実際の感想です。しかし、今後は大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターにて診療を行い、周囲の人たちと協力してHIV感染症の診療を行っていきたいと考えております。

 10月6日より約1ヶ月もの長い間、お忙しい中時間をさいて下さった、大阪医療センターの免疫感染症科のスタッフの先生方やコメデイカルのみなさま、本当に有難うございました。また、分からないことがあればご相談させて頂ますので、よろしくお願いいたします。

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国立病院機構 姫路医療センター
呼吸器内科 勝田倫子

 平成20年10月6日から31日までの4週間、国立病院機構 大阪医療センター HIV/AIDS先端医療開発センターでHIVについての研修をさせていただきました。この度の研修に当たり、お忙しい中、講義や実習をしていただきました大勢の皆様に深く感謝いたします。また、多忙な日常業務があるにもかかわらず、1ヶ月にもわたる研修の機会を与えて下さった姫路医療センターの皆様に深く感謝いたします。研修には、呼吸器・アレルギー医療センターから鉄本先生がいらっしゃっていて、参加者は二人でした。鉄本先生には、ご専門の結核・MAC症をはじめたくさんのことを教えていただきました。また、二人で研修できたのはお互いに理解の確認をしたり、病棟実習するうえで大変心強かったです。ありがとうございました。

 私は、研修医のときにPCPでAIDSを発症した症例を受け持ち、間質性肺炎の鑑別の一つとしてAIDSを考慮しなければいけないということを実践で学んだ機会がありました。HIV感染症は、もう、一般病院でも診なければいけない時代になったという認識から、今回、この研修に参加させていただくこととなりました。

 研修は講義と実習からなっていました。講義は、感染症の分野にとどまらず、産婦人科、放射線科、小児科、消化器科、整形外科、呼吸器科、精神科、眼科、歯科、臨床栄養学、皮膚科等にわたり、最新の情報を膨大な量学ぶことができました。また、看護部、薬剤部、カウンセリング、検査部、MSW、外部組織等、多くの部門にわたり、それぞれがどのようにHIV診療に携わっているかを教えていただき、チーム医療がいかに重要であるかもあらためて実感しました。それぞれの部門がpowerfulに貢献されているのが大変印象的でした。

 実習では、実際に入院患者さんを受け持たせていただき、貴重な経験となりました。入院中の症例につきましては、カルテを参照し主治医の先生にお聞きすることでいろいろなケースについて勉強することができました。参考となる過去の症例についても引用していただき、データや画像もみながら様々なケースをみさせていただきました。外来診療もみさせていただき、初診の対応の仕方、薬物治療開始時の服薬指導の仕方、などを学びました。実習を通して、診療中でご多忙にもかかわらず、我々の質問等に快く答えてくださり、大変ありがたく思いました。

 大阪医療センターでみておられるHIVの症例は年々増加の一途であり、今後、一般病院でもHIVの診療の一部を担っていかなければいけない時期になってきているということも実感するところでした。この研修で得た知識や経験をベースに、研修を通じてお知り合いになれたたくさんの方々と連携しながら、HIV診療に携わっていきたいと思います。ありがとうございました。

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画像:修了証書授与式01 画像:修了証書授与式02

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