独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター
HIV/AIDS先端医療開発センター

〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14
TEL:06-6942-1331(代) FAX:06-6946-3652

 

研修会報告

平成25年度HIV感染症看護師実地研修会

大阪医療センターでは、平成25年度よりHIV感染症看護師実地研修会(看護師1ヶ月研修)を開始いたしました。

実施時期
平成25年10月1日(火)~平成25年10月25日(金)
開催場所
独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター
開催目的
HIV感染症に関する最新の専門知識・治療技術を習得させ、HIV診療体制構築の充実を実践できる人材育成を目的とする。
対象
現在勤務先医療機関等において、主としてHIV陽性者の外来看護に携わる実務担当者であり、研修終了後も継続的に看護等の実務担当者、指導者として携われる以下の者とする。
  1. 診療報酬「ウイルス疾患管理料2」の加算ができる施設(あるいは算定の方針である施設)の施設長が推薦するHIV/AIDSケア担当看護師(候補者を含む)
  2. 各ブロック拠点病院が主催する基礎的な知識を習得できる研修を終了している者
  3. 研修終了後にHIV陽性者の療養支援に継続して関わる者
参加者
2名
内容
講義・外来実習・病棟実習・NPO見学・ロールプレイ・症例プレゼンテーション

講師一覧

HIV診療の医療体制 上平 朝子
HIV感染症と皮膚疾患 田所 丈嗣
外来療養支援の実際 下司 有加
HIV感染症と肝炎 三田 英治
日和見感染症診療(HIV脳症、PML) 矢嶋 敬史郎
日和見感染症診療(カンジタ症、クリプトコッカス症他) 矢嶋 敬史郎
薬害HIV・血友病診療 西田 恭治
HIV感染症の疫学・抗HIV療法の考え方 白阪 琢磨
在宅療養支援の実際 下司 有加
HIV感染症と精神疾患 梅本 愛子
わが国におけるHIV母子感染の現状 多和 昭雄
HIVと歯科疾患 有家 巧
医療ソーシャルワーカーの役割と地域の課題 黒田 美和
HIVとカウンセリング 森田 眞子
陽性妊婦の看護支援 中野 志麻
日和見感染症診療(ニューモシスチス肺炎) 笠井 大介
HIV曝露後対策 笠井 大介
HIV感染症の病棟看護 井内 典子
HIV感染症と物質依存 安尾 利彦
抗HIV薬の現状と服薬指導 吉野 宗宏
日和見感染症診療(CMV感染症) 廣田 和之
抗HIV療法の変更と薬剤耐性 渡邊 大
STD(性行為感染症)の診療 廣田 和之
HIV陽性者肛門疾患 宮崎 道彦
特定非営利活動法人 CHARM 青木 理恵子
特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権(MERS) 若生 治友
特定非営利活動法人 HIVと人権・情報センター(JHC) 桜井 健司

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参加者の感想文
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター
看護部 中濵 智子

 今回、大阪医療センターで開催された、第1回目のHIV看護師実務者研修に自施設からですが、参加させていただきました。研修内容は30コマの講義と3日間の病棟実習、3箇所のNPO法人への見学、メインとなる外来実習、病棟や外来カンファレンス、コメディカルカンファレンスへの参加と、豊富な内容でした。最後の課題は10症例のケースレポートの作成とそのうち3例の発表を行い、コーディネーターナースの方々との意見交換を行うことでした。

 はじめの1週間で、医師や看護師、MSW、臨床心理士の方々からの講義があり、具体的な症例を交えて、最新の知識を学ぶことができました。今までHIV陽性女性の妊娠、出産にのみ関わってきて、現在はHIV看護から少し離れている私にとって、知識の確認と更新をして、実習に望むことができました。外来実習では事前に担当患者が決定していて、情報収集を行い、患者の経過を理解した上で診察介助や薬剤師の服薬指導、MSWの方との面談、コーディネーターナースとの面談に立ち会いました。さらに初診時のコーディネーターナースの問診や初期教育の実際を見学して実際を学ぶことができました。診察後に時間のある方とは実際に話をする機会を得ることもでき、カルテ上はきちんと外来通院を行い、内服の継続もできて、自己管理できているように見えていても、悩みや不安をかかえていることが理解できました。例えば仕事や日常生活、人間関係、告知の問題など様々な面で支援を必要としていました。そんな中コーディネーターナースは短い外来受診の時間で問題を見つけ出し、解決するための方法を患者と相談又は提案して、必要な部門と連携を取る役割を果たしており、疾患や治療、看護についての知識だけでなく、社会制度の利用方法など幅広い知識をもっていないといけないと感じました。また他職種とのカンファレンスを開催して、連携をとっていくためもコーディネートスキルを磨いていく必要があると感じました。

 NPO法人の見学では、外国人陽性者の支援団体や血友病患者団体、HIVの迅速検査や予防啓発活動を行う、異なった3箇所の場所に行くことができました。3箇所の見学を通して、HIV患者の支援は病院内だけでなく、社会全体、多方面に渡る、援助システムが必要だと思いました。病院に勤務するものとして、通院時に患者をケアするだけでなく、社会生活を送るために必要なことは何か、そこに問題はないのかあるなら解決するための方法を広い視野を持って見つけ出して行けるようになりたいと思います。

 研修のまとめとして、10症例のケースレポートを作成しました。レポート作成には本当に頭を悩ませましたが、研修中に3症例のプレゼンを行い、コーディネーターナースの方々からの意見を頂き、HIV陽性患者の看護のポイントや視点で足りなかったところを明確にすることができました。さらに研修中に発表できなかった7症例に対しても後日書面で丁寧なご指導を頂き、1か月間の研修の総まとめとなりました。

 今回、このような豊富なプログラムと丁寧なご指導を頂きました、医師をはじめコーディネーターナース、コメディカルの皆様、研修中を通して色々と細やかにお世話をしてくださった秘書の方々、そして何より学びの場を快く提供してくださった、患者様に感謝いたします。

 今後は第1回目HIV看護師実務研修参加者として恥じないように自己研鑽に励み、研修にご協力くださった患者様へおかえしできるように、努力していきたいと思います。

大阪市立総合医療センター
感染症外来看護師 松本美由紀

 今回、大阪医療センターにおいての平成25年度HIV看護師実地研修に参加させていただき誠に有難うございました。1か月間、HIV診療、看護に携わり勉強ができる環境は私の看護師人生においても貴重な経験でした。免疫感染症の先生、看護師、様々な職種の方の講義や指導、見学させていただいた患者様に深く感謝します。

 前半2週間は講義と外来実習、3週目は病棟実習とNPO団体の見学、4週目は外来実習というスケジュールを組んでいただきました。週1回の病棟カンファレンス、外来カンファレンス、コメディカルカンファレンスにもそれぞれ参加しました。

 外来実習では、あらかじめいろんなケースの担当患者を決めていただいており、患者の情報収集後に患者の問題や、看護展開を考えた状態で診療につくことができました。短時間の診察でも、医師の診療が理解でき、看護師の介入を考えることができました。また診察後の看護師の面談、薬剤師の薬剤指導、ソーシャルワーカーの面談などにつくことで、患者さんを取り囲むチーム医療の細かい介入がわかりました。

 病棟実習では、AIDS患者の問題を捉えることができました。AIDS発症後の治療や、予後への不安を感じ、サポート体制も脆弱なケースが多い事。在宅看護や、他施設への転院ができにくい状況や、患者自身はAIDS発症するまではHIVという病気は知っていたが、病気に関して正確な情報を知らずにいるケースがほとんどであることなどの様々な問題を再認識しました。またPWA(HIV/AIDS患者を対象にした緩和ケアチーム)の介入も見学させていただきました。緩和ケア認定看護師や、精神科医師が入り身体的、精神的支援をされており、サポート体制の素晴らしさを感じました。HIV/AIDS患者の問題はやはり、簡単なものでなく、複雑で深く専門的な知識と、介入が必要であることも再認識しました。

 この1か月の研修でHIV看護師の役割を再度考えることができました。やはりチーム医療の中で、コーディネーター看護師はすべての職種が実践している内容を細かいところまで把握する必要があり、すべてを把握したうえで、他職種の介入をコーディネートする必要があると感じました。それぞれの施設で医療チームは違うと思います。実際やれる医療も違うとは思いますが、それを補えるよう看護師が中心となり、他職種の範囲の仕事を担う場合もあったりしながら、医師と共に他職種の仲間を増やしていき、より良いHIV医療に繋がったらと考えます。これから研修で学んだ事を活かし、自施設のチームの仲間と共にHIV医療、看護を考え、院内研修や、他施設への働きかけ、病棟連携など、やれる事を実践していきたいと考えています。

 今回、大阪医療センターでの1か月間のHIV看護師実地研修を開催していただき、無事に終了者第2号として卒業することができました。今後も、研修などの参加をすると思いますので、よろしくお願いします。

 優秀な3名の先生と看護師の中濱さんとも出会えて、共に勉強でき楽しく研修ができました。医療センターのスタッフの皆様に本当に暖かい指導をいただき、懇親会なども開催していただき、本当に感謝します。ありがとうごさいました。

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