研修会報告
平成28年度HIV感染症医師実地研修会
 大阪医療センターでは、増加を続けるHIV感染症患者に対してHIV専門医が少ないという状況を改善する為に、平成18年度よりHIV感染症専門医師養成コース(HIV感染症医師実地研修会)を実施しています。本年度も1ヶ月間におよぶ実地研修を実施しました。
実施時期: 平成28年9月26日(月)〜平成28年10月21日(金)
開催場所: 独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター
開催目的: HIV感染症に関する最新の専門知識・治療技術を習得させ、HIV診療体制構築の充実を実践できる人材育成を目的とする。
対象: 西日本ブロックのエイズ診療拠点病院医師(初期研修医は除く) で所属施設長の推薦を受けた者。研修終了後にHIV診療に継続して関わる者が望ましい。
参加者: 3名
内容: 講義・病棟実習・外来見学・NPO見学
講 師 一 覧
1) 疫学と抗HIV治療ガイドライン 白阪 琢磨
2) HIV感染症の診断 渡邊 大
3) HIV感染者に対するソーシャルワーク 岡本 学
4) 血友病診療・凝固因子製剤の使い方 西田 恭治
5) 薬剤師の役割と服薬指導 矢倉 裕輝
6) ディスカッション「初回抗HIV療法の実際」 渡邊 大・矢倉 裕輝
7) 日和見感染症(PCP) 笠井 大介
8) 日和見感染症(CMV) 廣田 和之
9) 日和見感染症(抗酸菌症) 伊熊 素子
10) 症例検討(医師・薬剤師向け) 笠井 大介・上地 隆史
11) 針刺し暴露後対策 上平 朝子
12) 外来・病棟看護と療養支援 東 政美
13) HIVとカウンセリング 安尾 利彦
14) 薬害エイズと医療体制(特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権(MERS)) 花井 十伍
15) HIV急性感染 渡邊 大
16) 免疫再構築症候群(IRIS) 上平 朝子
17) 日和見感染症診療(カンジダ症、クリプトコッカス症他) 笠井 大介
18) HIV感染症と肝炎 三田 英治
19) 抗HIV療法の変更と薬剤耐性 渡邊 大
20) 日和見感染症診療(HIV脳症、PML) 上地 隆史
21) HIV感染症の病棟看護 福田 愛香
22) HIV感染症と物質依存 岡本 学
23) HIVと歯科疾患 有家 巧
24) HIV感染症と消化器疾患 榊原 祐子
25) 女性とHIV 伊熊 素子
26) 陽性妊婦の看護支援 中M 智子
27) HIV感染症と皮膚疾患 小澤 健太郎
28) HIVと薬剤耐性検査 田栗 貴博・嶋谷 泰明
29) わが国におけるHIV母子感染の現状 寺田 志津子
30) STD(性行為感染症)の診療 廣田 和之
31) 在宅療養支援の実際 東 政美
32) HIV陽性者に対する外科手術 宮本 敦史
33) HIV感染症と眼科疾患 山田 さつき
34) 神経心理検査と事例検討 宮本 哲雄
35) HIV感染症と腎障害 岩谷 博次
36) HIV陽性者肛門疾患(道仁病院) 宮崎 道彦
37) HAND(京都大学大学院医学研究科) 加藤 賢嗣
38) 特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権(MERS)見学・講義 若生 治友
39) 特定非営利活動法人 HIVと人権・情報センター(JHC)見学・講義 桜井 健司
40) 特定非営利活動法人 MASH大阪 見学・講義 鬼塚 哲郎
41) 特定非営利活動法人 CHARM 見学・講義 福嶋 香織
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参加者の感想文

独立行政法人国立病院機構 姫路医療センター
呼吸器内科 平岡 亮太

 姫路医療センターより命を受け、HIV研修に参加させて頂きました。

 研修前にHIV患者の診療に当たった事がなかったため、ほぼ一からの勉強となりました。しかし、基礎的な部分からHIV診療に対し講義を行って頂いたおかげで、スムーズに知識が得られたと思います。

 大阪医療センターでは感染症内科を中心として、各科それぞれがHIV患者を避ける事なく、むしろ感染症内科単独では対応できない疾患に対し積極的に診療に当たっておられるのが印象的でした。また、看護師やMSW、心理士と一つのチームを形成し、多方面から患者の診療に当たっているのも印象的でした。

 HIVに関連したNGO法人の訪問も行いましたが、その中でHIV患者の方々がおられるのが、普段何気なく過ごしている場所であり、HIVが対岸の火事でなく、意外と身近なものだと気付かされます。

 最後に、HIVの診療に携わる皆さんが言っておられる事ですが、治療方法が進化した事でHIV が余命を全うできる慢性疾患となったが、その事で新たに生じている問題や、慢性疾患であってもかわらず残っている問題や課題がまだまだ沢山残っている様に思いました。

 今後はHIV/AIDSの治療に加え、医学的、社会的な課題の解決の一助となる様診療にあたりたいと考えます。

兵庫県立尼崎総合医療センター
ER総合診療科・感染症内科・漢方内科 山本 修平

 今回1ヶ月に渡る充実した研修に参加させていただきとても感謝しています。

 一筋縄ではいかない合併症や日和見感染症の診療、薬剤の調整など教科書的な知識だけでは独習の難しい現場でなければ得難い勉強ができました。今後自分も経験をつみ難しい症例であっても対応ができるよう努力してまいります。

 また、看護師、MSW、臨床心理士、薬剤師の方々がそれぞれの専門性を生かして患者さんのサポートされていることが強く印象に残りました。社会的、心理的な問題をかかえる患者さんにとって、単なる医学的な治療だけではなく多職種の連携を実践することで素晴らしい医療をされていると感じました。講義や外部の様々なNPOの研修を通じてもセクシャルマイノリティーの問題や医療を必要とする外国籍の方の問題などこれまで知らなかったことを知る機会に恵まれました。

 急性期から慢性期まで、医学的なことから心理社会的なことまでをカバーすることが要求されるHIV診療は、大変ではあるけれどとてもやりがいのある領域だと思いました。

 このようにHIV以外にもたくさん学ぶことの多い研修を受けることができ大変感謝しています。今後HIV診療だけでなく他領域の診療にも今回学んだことを活かして参りたいと思います。

洛和会音羽病院
感染症科 岩田 暁

 HIV診断、治療、AIDS疾患のレクチャーで知識を整理できたのが良かったです。

講義では第一線で診療されている感染症内科の先生だけでなく、外科、眼科、産婦人科、腎臓内科、消化器内科など、さまざまな科の先生の話を拝聴でき、非常に勉強になりました。

 それ以上に心理士、看護師、MSWなど、コメディカルがどのように患者さんと関わっているのかを見られ感銘を受けました。またNPO、NGOを訪問させていただき、病院外でも色々な人に支えられてHIV患者さんのケアがされていることを知ることができました。

 血友病患者さんの話ではHIVの歴史を当事者の観点から聞くことができてよかったです。

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修了証書授与式

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