国立病院機構大阪医療センターは厚生労働省が定めるHIV感染症・エイズ診療の近畿ブロック拠点病院であり、 感染症内科が診断・治療にあたるのみならず、HIV/AIDS先端医療開発センターに所属する医師・薬剤師・ 看護師・臨床心理士・メディカルソーシャルワーカー(MSW)がチームで生活支援や療養支援にあたっています。

臨床研究センターにはエイズ先端医療研究部が設置され、エイズに関わる種々の研究を行っています。 HIV感染症・エイズの診療は日々進歩しており、エイズが発見された当時の急性の致命的な疾患という概念から、 現在では慢性の長期・継続的診療が必要な疾患へと変わってきています。それに伴い、診療のみならず、心理的な、 あるいは、社会的な支援が必要な疾患となっています。

これまで、厚生労働科学研究費補助金等の支援を受けて、全国の研究者と共に、合併症・偶発症の研究、 地域HIV医療の質の向上に関する研究、HIV陽性者支援のための地域医療連携の研究、長期療養支援に関する 研究などを行い、多くの成果を挙げてきました。

しかし、解決が必要な問題は益々増加の一方であり、また、医師をはじめ、HIV診療に関わる医療スタッフの 育成が重要な課題となってきました。

本講座は平成25年4月に当院に設置が承認され、
1) HIV感染症のウィルス学的、免疫学的病態を分子レベルで解析し、HIV感染症に対する集学的治療・
       全人的ケアの方法と体制につき研究を行い、さらに、治癒を目指した新たな治療法の開発を進める
2) HIV感染症研究の人材を育成する
3) HCV重複感染例では肝線維化の進展が非感染例に比べ早い事より、そのメカニズムの解析と病状に即した
       治療ガイドライン策定を推進する
ことを目的にしています。

学生の研究指導には、当院のHIV診療を主導してきた白阪琢磨、渡邊大と、重複感染が重要な課題となっている ウィルス性肝炎の専門家である三田英治が担当します。もちろん、他の職員も協力して教育にあたります。 この講座を通じ、抗HIV療法の最適化のための臨床研究、HIV感染症の病態に応じた治療の臨床研究など、 多くの研究に期待が寄せられています。