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胃は食道につづいて上腹部ほぼ中央に位置し、条件により形はいろいろ変わります。また、胃の入り口から出口にかけて、噴門、胃体部、胃角部、幽門部とよびます。



胃の粘膜から発生する上皮性の悪性腫瘍のこと。がんの深達度(深さ)から、早期がんと進行がんとに分けられます。




依然として我が国では頻度の高いがんですが、近年、やや減少傾向にあります。平成11年のがんによる死亡統計を部位別にみると、男性では肺がんに次いで胃がんが多い(肺がんはがん死亡全体の21.6%、胃がんは18.7%)。また、女性では胃がんが最も多く、15.6%を占めます。胃がんにかかる罹患率をみると、性別では男性に多く男女比は約2:1です。15歳から高齢まで幅広く発生しており、平成8年統計での胃がん罹患率は、人口10万人に対し男性は93.6人、女性では36.9人でした。



早期がんではほとんど無症状で、検診での内視鏡やバリウムを使ったレントゲン検査で発見されることがほとんどです。進行がんの場合、体重減少、上腹部痛、吐下血、嘔吐、食事通過障害などの自覚症状以外に、上腹部腫瘤や転移リンパ節(首のつけねなど)を触ったり、そしてがんの進行度が増すにつれて、独特の口臭や全身の色素沈着などの所見を呈することがあります。



レントゲン検査-胃のなかにバリウムと空気をいれて充満させて撮影する二重造影法が主流です。この検査によってがんの大きさ、形、胃の壁の伸展性や可動性などの情報も得られ、進行程度の推測ができます。胃内視鏡および生検検査-胃の粘膜面を直接観察できるため、レントゲン検査での二重造影法とともに、またはそれ以上に、早期がんの診断に威力を発揮します。内視鏡検査で異常を発見すれば、組織片を採取して組織学的検索を行い、これを生検といいます。生検での組織学的診断は、Group I(正常胃粘膜)からGroup V(悪性)までの5段階で悪性度を評価します。腹部超音波検査、CT、超音波内視鏡-胃がんの肺や肝臓への転移、リンパ節への転移、胃の周囲の臓器への浸潤の程度や有無を腹部超音波検査やCTで詳しく診断します。また、内視鏡の先から超音波検査ができる超音波内視鏡検査を使って、がんの深さや胃の周囲へのリンパ節転移の有無なども診断できます。以上の検査で総合的に胃がんの診断を行い、最適な治療方針を決定します。



がんの深達度(深さ)、リンパ管を介したリンパ節転移、血管を介した肝臓や肺への臓器転移、がんが胃の壁を突き破りお腹の中に散布される腹膜播種性転移の有無などにより胃がんの進行度(ステージ)を詳しく分類し、それぞれの進行度にあった治療法が決定されます。ちなみに、進行度が悪化するにつれてステージはIからIVまでの4段階に分けられます。



1)胃癌の治療法についての適正な適応を示すこと
2)胃癌治療における病院間差を少なくすること
3)治療の安全性と治療成績の向上を図ること
4)無駄な治療を廃して、人的、経済的負担を軽減すること
5)ガイドラインを広く一般にも公開して、医療者と患者の相互理解にも役立てること
を目的として、平成13年3月に日本胃癌学会から「胃癌治療ガイドライン」が発表されました。次項にも示しているように、このガイドラインによって、それぞれの進行度にあった治療法が決定されます。当科も基本的にこれに従った治療方針をとっております。



現在、胃がんを治癒させるためには切除が第一選択であり、主流を占めています。
抗癌剤を用いた化学療法、免疫療法、放射線療法その他を組み合わせた集学的治療も、進行や再発胃がんに行われています。
それぞれの進行度に対する切除方法を具体的に挙げると、内視鏡的粘膜切除術、縮小手術、定型手術、拡大手術、姑息手術(根治的な手術が望めない晩期症例に対し、出血や狭窄などの切迫した症状の改善を目的とした単切除やバイパス術のこと)などがあります。
当科では、科学的証拠にのっとって、縮小手術から拡大手術までの手術適応をきっちりと決め、それに従って積極的に治療を行っております。
手術適応のない進行や再発胃がんにたいしJCOG、OGSG、N-SASなどの臨床研究グループに積極的に参加し、延命効果を指標とした臨床研究を推進しております。



当科での胃がんに対する外科手術治療過程の概略(クリニカル・パスの紹介):表を参照。
また、当科では基本的には、すべて病名を告知する方針です。つまり、この告知によって、ご自分の病気をしっかり理解してもらい、治療へ協力してもらうためです。



当科も全国的にも、治療後の成績は同じです。平成元年から平成5年までの症例の術後5年生存率をみると、比較的早期がん症例であるステージIでは約90%、ステージII、III、IV各々で約76、47、13%です。



手術後早期合併症として、出血、縫合不全(胃と腸などをつないだ部分がしっかりつかないこと)、吻合部狭窄(つないだ部分が一時的な浮腫みにより狭くなること)などがあげられます。また、胃手術後の後遺症として、ダンピング症候群(胃の貯留機能が消失あるいは低下し、自律神経機能のアンバランスも加わりいろいろな症状がでる)、スターシス症候群(胃とつなげるために持ち上げた腸が動かない)、逆流性食道炎(胃の入り口の逆流防止機能がなくなるため、腸液が食道に逆流する)、お腹のなかの癒着による腸閉塞などがあげられます。



退院後2週間後に一度、その後1ヵ月から3ヵ月に一度の割合で外来受診してもらいます。外来での主な診療目的は、術後再発(転移など)と食事摂取状況などのQOL(生活の質)のチェックです。各患者さんの進行度にあわせて外来受診の頻度も異なりますが、術後5年間は少なくとも半年に一度は受診してもらうようにしています。



胃がんの成因に関しては明らかではないが、食習慣の関与が示唆されています。また近年、ヘリコバクタ-・ピロリ菌の感染と胃がん発生との因果関係も報告されています。

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