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1.痛みについて
がん患者さんには、「痛み」の他に、息苦しさ、咳、不眠、吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、下痢などの苦しい症状がみられます。その原因はがんの進行から起こるものや、「抗がん剤」を使っているため、あるいは手術を行ったためなどいくつかあります。この苦しい症状のなかで訴えの一番多いものが「痛み」です。がんの全患者さんの約50%で、末期がんになると約70%の患者さんで体験されます。がんの強い「痛み」がいつまでも続くと夜ねむれなくなり、食欲も落ちていきます。患者さんによっては精神的にも不安定になったりします。がんの「痛み」は辛抱する価値のない「痛み」ですので、「痛み止めのくすり」で「痛み」をおさえることが重要になります。

2.痛みの治療の目標
痛みの治療の最終目標は、患者さんが「痛み」から解放されて、できるだけ平常に近い日常生活をおくれるようにすることを目標にしています。しかし、治療をしても完全に「痛み」が消えるとは限りませんが、大幅に「痛み」はなくなります。
 
治療の目標は次の三段階にわけて行われています。
第1目標 夜間、ぐっすりねむれるようになる。
第2目標 静かにしていれば、痛くないようになる。
第3目標 歩いたり、からだを動かしたりしても痛くない。




「痛み」を取り除くために、患者さんがどの部分がどの程度の強さの「痛み」がいつ頃あるのかを正確に知ることが非常に大事なことになります。

しかし、「痛み」は見えないので、まわりの人(ご家族、看護婦、医師など)にはわからないことが多く、器具で測定することもできません。また、「痛み」に対する訴え方も人それぞれです。同じ患者さんの「痛み」の訴えでも、看護婦、医師、あるいはその他の医療スタッフでも違った印象をもつことがあります。これでは「痛み」の程度がはっきりとつかめていないので、のんでもらっている「痛み止めのくすり」やのんでもらっているくすりの量が本当に患者さんの「痛み」の程度に一番合っているのかどうかわかりません。そのため、このような問題をなくすために、いろいろな「痛み」を評価する方法があります。

たとえば当院の外科では下のイラストを使って、「痛み」の程度を1〜10の数字で患者さんに表現してもらいます。患者さんに数字で表現してもらいますと、看護婦、医師、その他の医療スタッフ全員が患者さんの「痛み」について同じ認識をもつことができます。そして、患者さんの病気の状態、「痛み」を感じる部分、「痛み」がつよく出る時間、「痛み」の程度(表現してもらった数字)をもとに、のんで頂く痛み止めのくすり、のんで頂く量、そしてのんで頂く時間を決めています。




「痛み止めのくすり」の使い方

1)「痛み止めのくすり」はできるかぎり「のみぐすり」を使います。
「坐薬(ざやく)」や「注射」にくらべ、くすりの使い方として一番簡単で便利です。また、「痛み」がとれて、自由に動け、外出、退院、旅行することができるようになったときに、自分で「痛み」をコントロールすることができます。くすりをのむことができないときは「坐薬(ざやく)」を使います。「のみぐすり」、「坐薬(ざやく)」が使えないときは「注射」を使います。

2)痛みの強さに合った「痛み止めのくすり」を使います。
WHO(世界保健機関)は、がんの「痛み」で苦しむ患者さんをなくすために、がん疼痛(とうつう)マニュアルを作っています。当院でも基本的にWHO方式のがん疼痛治療法でがんの「痛み」に対しての治療を行っております。このWHO方式はがん患者さんの痛みの90%以上を取り除く治療法として世界各国で活用されているものです。この方式で用いられる基本的な痛み止めのくすりは@アスピリン(非ステロイド性鎮痛薬)、Aコデイン、B「モルヒネ」の3つになります。この中で一番頼りになる「痛み止めのくすり」が「モルヒネ」です。
しかし、どんな「痛み」に対しても最初から「モルヒネ」を使うわけではありません。弱い痛み止めのくすりでも十分の場合も多く、「痛み」の強さに合った「痛み止めのくすり」を使います。
「痛み止めのくすり」は「痛み」の強さにより、段階的にくすりを強いものに変えたり、強いくすりを追加したりして患者さんの「痛み」に一番合った「痛み止めのくすり」を選んでいきます。

3)「痛み止めのくすり」は「痛み」を取り除くのに必要な量を使います。
「痛み」の強さ、「痛み止めのくすり」の効き方も人によってさまざまです。もちろん、使うくすりの量も人によってそれぞれになります。「痛み」を取り除くために必要なくすりの量を使うことが大事なことです。

4)痛み止めのくすりは決められた時間に規則正しく(食事と関係なく)使う必要があります。
くすりはのんでから一定の時間がたつと痛み止めの効力が落ちてきます。くすりはのんでから吸収されるまでに時間がかかるので、のんですぐには痛み止めの効力はでません。そのため、体の中にはいつも「痛み」をおさえるのに必要なくすりの量がとどまるようにする必要があります。いつもくすりが効いている状態にすることが「痛み」を持続して止めることになるので、医師から指示された時間に規則正しくのむことは「痛み」の治療をするうえでとても大切なこととなります。




「痛み止めのくすり」の「副作用」を確実に予防することが大切です。
どんなくすりにも「副作用」があります。もちろん「モルヒネ」にも「副作用」はあります。「モルヒネ」をのんでいてあらわれる「副作用」には吐き気・嘔吐(おうと)、ねむけ、便秘、などがあります。しかしこれらの「副作用」は予防のくすりなどで対処することができます。
 
・吐き気・嘔吐
「モルヒネ」をのみ始めた最初のころに吐き気を訴える人がいますが、吐き気止めのくすりを一緒にのむと、吐き気はなくなります。「モルヒネ」による吐き気、嘔吐には慣れがあります。慣れるまでの2〜3週間ほど吐き気止めのくすりと一緒にのんで防止します。その後は吐き気止めのくすりをのまなくても、吐き気はなくなります。

・ねむけ
「モルヒネ」を必要以上にたくさんの量をのんだ場合に強い「ねむけ」が出ることが考えられます。しかし、「モルヒネ」をのみはじめて最初のころにみられる「ねむけ」の原因は痛くて寝れなかった日が続いて体力が消耗している場合が多いようです。4〜5日続けて「モルヒネ」をのんでいるうちに、「痛み」がなくなり、ねむけもなくなります。

・便秘
「モルヒネ」を長くのんでいると、多くの人は便秘になります。「モルヒネ」によって腸の動きが低下しているためです。腸の動きを促進させるくすりや下剤を一緒にのむことで予防できます。また、できるだけ水分(水、ジュースなど)をとるようにしたり、できれば身体を動かすようにします。


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