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狭心症
  労作性狭心症        
    ●安定狭心症   不安定狭心症    
  冠攣縮性狭心症        
心筋梗塞
  急性心筋梗塞        
  陳旧性心筋梗塞        
狭心症と心筋梗塞の違い
 

●狭心症
  冠動脈に有意狭窄が存在し、坂道歩行、階段昇降などの労作によって前胸部圧迫感などの狭心症症状が出現する労作性狭心症と、とくに安静時(早朝、夜間など)に冠動脈攣縮によって心筋虚血が生じ狭心症症状が出現する冠攣縮性狭心症に分けられる。
 
  ●労作性狭心症
    労作により狭心症症状が出現する狭心症、安静時には症状が出現しない。
    1)典型的な狭心症症状の訴え方
    胸が重苦しい、圧迫される、押さえつけられる、締め付けられる
    2)非典型的な狭心症症状の訴え方
    顎が痛い、じんじんする/肩や腕が重だるくなる/背中が痛い
    狭心症症状が出ているとき、心筋に虚血がある限り、基本的には心電図でのST変化を伴うが、回旋枝、後側壁領域では心電図変化に乏しいことがあるので注意を要する。安静時で症状が出ていないときは、通常心電図は正常である。
    診断は?
    運動負荷試験によるが、本当に虚血がありそうなときは、ダブルマスターより心電図をモニターしつつ運動負荷をかけるトレッドミルや心筋シンチのほうが安全である。
 
    ●安定狭心症
      狭心症症状が出現する労作閾値が安定している労作性狭心症。頻度、症状はいつも同じ程度である。
      診断造影の後、インターベンションを要することもある。
      治療:抗血小板薬、β遮断薬、亜硝酸製剤など
 
    ●不安定狭心症
      狭心症症状が出現する労作閾値の低下(安静時でも症状が出現するようになったり)、頻度の増加、症状の程度の増強を示す狭心症。安静狭心症、新規発症の労作性狭心症も含まれる。急性心筋梗塞の前兆であることも多いので、基本的にこの段階での運動負荷は禁忌と考えてよい。循環器専門医への連絡を要する。
      治療:準緊急的にインターベンションを要することが多い
 
  ●冠攣縮性狭心症
    冠動脈攣縮が生じている間、心筋血流の低下が生じ、狭心症症状を呈する。よって安静時に狭心症症状が出現することが多いが、労作誘発性の冠動脈攣縮もまれに存在する。誘因として精神的ストレス、寒冷刺激、喫煙、心身の疲労、過換気などがある。
    治療:Ca拮抗薬、亜硝酸製剤、Nicorandilなど
 
●心筋梗塞
 
冠動脈の高度狭窄あるいは完全閉塞により、支配灌流域の心筋が壊死に陥る状態。
心室細動、房室ブロックといった不整脈、急性心不全、心原性ショックなど致命的な急性期合併症が多く、放置すれば死亡率が高い。また、心室リモデリング進行による慢性心不全、心室瘤、心原性の血栓塞栓症といった慢性期合併症を予防することも重要。
急性期(発症より24時間以内)で症状があれば可及的早期再灌流療法(t-PA、PTCA、CABG)が必要である。
  ●急性心筋梗塞
   
どうやって診断するか?
教科書的な診断基準を満たすまで待っていたら早期再灌流は果たせないことが多い。
トロポニン、CK、CKMBといった心筋逸脱酵素の上昇を、急性期に認めない例が非常に多いことを認識する必要がある。
いかなる状況においても基本的には胸痛、胸部圧迫感といった胸部症状の訴え+心電図上どこかの誘導でST変化が認められたら採血の結果を待つことなく、至急、循環器専門医へ連絡することが重要である。(当院では24時間対応可能である!)
急性心筋梗塞を疑ったらまず何をするか?(当院到着後)
1. 酸素投与(胸痛患者にはほぼ全員が基本)
2. アスピリンをかみ砕いて内服してもらう、ニトロ舌下。
3. 末梢よりヘパリン3000単位静注。
血圧が高ければNitroglycerin製剤20-50μg/minより開始。
当院では発症時間、年齢に応じてインターベンション前にt-PA半量静注の先行投与も行っている。
当院ではこの後、心臓カテーテル検査室へ行き、冠動脈造影、必要に応じてインターベンションを行っている。
再灌流後の治療は?
心臓リハビリテーションを行い、食事療法、運動療法(1回30分の散歩を週3回以上)の重要性を指導し、高血圧、糖尿病、高脂血症のコントロール、禁煙など冠動脈リスクファクターの管理の重要性も指導している。
内服は?
アスピリン(ステントを留置した場合、TiclopidineあるいはCilostazolを併用)
ACE阻害薬(心室リモデリング抑制のため)⇒ほぼ全例に使用している
β遮断薬(長期予後改善のため)⇒場合により使用している
その他、HMG-CoA阻害薬、SU剤など
 
  ●陳旧性心筋梗塞
   
すでに完成された心筋梗塞(異常Q波を伴う場合と伴わない場合がある)
先に述べた慢性期合併症を予防、改善することが目標となる。
  慢性心不全 心筋虚血が認められれば虚血の改善
      心室リモデリング抑制のためのACE阻害薬、ARBなど長期予後を考えたβ遮断薬の導入
  心室瘤 壁在性血栓を形成することが多く、ワーファリン投与の適応となることが多い
 
●狭心症と心筋梗塞の違い
 
症状の違い
胸部圧迫感などの狭心症症状が、安静やニトロ舌下により数分〜十数分で軽快、消失するものが狭心症であるのに対し、心筋梗塞では胸部症状が約30分以上持続しニトロ舌下により完全には消失しない。
ただし無症候性心筋虚血だけは症状がないので注意を要する。
心電図の違い
一般的に狭心症ではST低下、心筋梗塞ではST上昇を認める。例外もあるが、基本的にST上昇を認めたら、採血の結果を待つことなく、至急、循環器専門医への連絡を要する。
ただし冠動脈攣縮性狭心症でST上昇するタイプの異型狭心症も存在するので、ニトロ舌下は試みても良い。
 
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