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PT   T-CHO   HDL-C
TG   GLU   HbA1c  
UA   D-DIMER   TAT  

●PT(プロトロンビン時間)
  血液凝固因子活性の指標で、循環器領域ではワーファリンを用いた抗凝固療法のコントロールの指標として用いられている。人工弁置換術後・心房細動・各種血栓症などの血栓塞栓症の予防にプロトロンビン時間を参考にワーファリン量を調節する。現在では他施設との比較が容易なPT-INR(International Normalized Ratio)がよく用いられる。PT-INRはPT試薬の国際標準品を定め、これをもとに各々の試薬の力価を検定し、ISI(international sensitivity index)で表現される係数を設定し、この係数を用いてPR(プロトロンビン比:被験者のPTを対照のPTで除したもの)を補正したものである。
 
●T-CHO(総コレステロール)、HDL-C(HDLコレステロール)
  生体内コレステロールは食事由来よりも肝臓で合成される量が多い。そして、胆管から排泄される。血中コレステロールは肝臓の合成機能と排泄機能を反映する。肝臓でアセチル-CoAからできるHMG-CoA、メバロン酸、スクワレンを経て生成される。HMG-CoA還元酵素が可逆的に反応してメバロン酸を合成するが、この段階がコレステロール合成を規定する。合成されたコレステロールはリポ蛋白として血中に放出される。コレステロールはリポ蛋白のLDL中に最も多く分布する。冠動脈硬化症の危険因子の1つが高コレステロール血症であることは知られている。疫学的に冠動脈硬化症は血中コレステロール濃度、特に血清LDLコレステロール濃度の上昇に従って増加し、HDLコレステロール濃度は抑制的に作用することが知られている。したがって、LDL分画中とHDL分画中のそれぞれのコレステロールを測定して病態解析の一助とする。
 
●TG(中性脂肪)
  グリセロールと脂肪酸の複合脂質はアシルグリセロール(グリセリド)あるいは中性脂肪とよばれる。グリセリドは1-モノグリセリド、1,2-ジグリセリド、トリグリセリドに分類されるが、血清中のグリセリドの95%はトリグリセリドである。由来は食事からの外因性と脂肪組織中からの内因性に分かれる。血清トリグリセリド高値は血中にカイロミクロンやVLDLなどのTGリッチリポ蛋白の高いことを示す。高値は冠動脈硬化症の発生因子にもなりうる。
 
●GLU(血糖)
  糖質は生体の重要なエネルギー源である。グルコース(ブドウ糖)は細胞のエネルギーを補給するために循環血液中に放出され、あるいはグリコーゲンを形成して肝細胞や骨格筋細胞中に貯蔵される。グルコースの需要が高まるとグリコーゲンの分解が起こる。血中グルコース(血糖値)は内分泌ホルモンや糖代謝により調節されている。インスリンは血糖値をさげる唯一のホルモンで、細胞のグルコース取り込み増加や肝臓によるグルコース取り込み増加とグリコーゲン合成・脂肪合成を亢進させる。逆に血糖値を上昇させるホルモンはグルカゴン、エピネフリン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、グルココルチコイド、甲状腺ホルモンなどがある。糖代謝による調節は、肝臓のグルコース取り込み、グリコーゲン合成、グリコーゲン分解と末梢組織のグルコース利用のバランスによって規定される。高血糖状態(糖尿病)は虚血性心疾患の危険因子になる。
 
●HbA1c(糖化ヘモグロビン)
  グルコースは血中のタンパク質と非酵素的に結合する。糖化されるタンパク質の半減期の違いによって食後の血糖値に影響されないまま、過去の血糖値が血糖コントロール値として評価できる。この糖化ヘモグロビンの変化は慢性であるので、糖尿病のコントロール状態を観察する指標として有用である。HbA1c値は6−8週前の糖代謝コントロールの状態を示す。
 
●UA(尿酸)
  尿酸はヒトと霊長類におけるプリン代謝の最終産物である。尿酸は血液によって腎臓に運ばれ糸球体で濾過される。尿酸のほとんどは近位尿細管から再吸収され、一部は遠位尿細管から分泌されて、最終的に尿へ排泄される。血清尿酸の上昇はおもに痛風、組織中核酸の崩壊、腎障害の3つの原因が考えられる。高尿酸血症の4分の1は尿酸の過生成による。高尿酸血症は動脈硬化を促進し、腎障害(痛風腎)や虚血性心疾患の危険因子となる。
 
●D-DIMER(D−ダイマー)
  血栓(安定化フィブリン)のプラスミンによる分解産物を総称してD−ダイマーと呼ぶ。D−ダイマーはフィブリン形成のみを反映するので、この上昇は生体内で血栓が形成されていることを意味する。D−ダイマー濃度が最も上昇する病態はDICであるが、他にも血栓症や大きな手術後にも同程度の上昇を認めることがある。また、血栓溶解療法によってもD−ダイマー濃度は上昇するが、この値は血栓溶解の程度と相関する。心房細動患者などの心房内血栓形成を反映する可能性も示唆されている。
 
●TAT(トロンビン・アンチトロンビンV複合体)
  凝固系の活性化状態を知るよい指標となる。アンチトロンビンV(生体内の抗凝固活性の指標)とTATの測定は、血栓準備状態の診断指標の1つとして有用である。心房細動患者などの心内血栓形成の判断材料になる可能性が示唆されている。
 
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