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運動負荷心電図   ホルター心電図   体表面電位図

●運動負荷心電図
  目的:虚血診断目的のST偏位・ST以外の諸指標(狭心症症状の出現、低運動耐容能、血圧増加反応の不良、心拍数上昇不良、虚血徴候出現の閾値)。運動負荷による不整脈や刺激生成・伝導障害の出現。
  原理:心筋酸素消費量を増加させ心筋虚血を誘発、惹起される膜電位の変化をST変化として捉える。運動負荷による心負荷増加や神経体液因子の変化に基づく不整脈や伝導障害の誘発
  方法:負荷方法には、おもにマスター(階段昇降型)、エルゴメータ(自転車型)、トレッドミル(ベルトコンベヤー型)が用いられる
  注意点:
  運動負荷の禁忌(絶対禁忌:急性心筋梗塞発症早期、不安定狭心症、コントロール不良の不整脈、症候性高度大動脈弁狭窄、急性あるいは重症心不全、急性肺塞栓・肺梗塞、急性心筋炎・心膜炎、解離性大動脈瘤などの重篤な血管病変、相対禁忌:左冠動脈主幹部の狭窄、中等度の狭窄性弁膜症、高度の電解質異常、重症高血圧、頻脈性・徐脈性不整脈症例、閉塞性肥大型心筋症などの流出路狭窄、運動負荷が十分行えない精神身体的障害例、高度房室ブロック)、運動中止徴候(自覚症状:被験者の中止要請、ST下降を伴う軽度の胸痛、ST低下を伴わない中等度の胸痛、強い呼吸困難・疲労、他覚症状:ふらつき、ろうばい、運動失調、蒼白、チアノーゼ、嘔気、欠伸その他の末梢循環不全症状、ST変化:診断可能なST下降−水平型・下降傾斜型で0.2mV以上、ST上昇−0.1mV以上、不整脈:心室頻拍、R on T現象、連続する心室性二段脈・三段脈、30%以上の心室性期外収縮、持続する上室性頻拍や心房細動の出現、2度・3度の房室ブロック、脚ブロックの出現、血圧反応:血圧の過度の上昇−収縮期250mmHg以上・拡張期120mmHg以上、血圧の低下−運動中10mmHg以上の低下・運動を続けても血圧が上昇しない、心拍反応:予測最大心拍数の90%、異常な徐脈、その他:心電図モニターや血圧モニターが正常に作動しない時)
  虚血判定基準:
  労作性:確定基準−ST下降(水平型ないし下降傾斜型で0.1mV以上・J点から0.06秒後ないし0.08秒後で測定)、ST上昇(0.1mV以上)、安静時ST下降がある場合(水平型ないし下降傾斜型で付加的な0.2mV以上のST下降)、参考所見:上行傾斜型ST下降−ST部の傾きが小さく(1mV/秒以下)0.1mV以上、陽性U波の陰転化、偽陽性を示唆する所見:HR-STループが反時計方向回転、運動中の上行傾斜型ST下降が運動後徐々に水平型・下降傾斜型に変わり長く続く場合
  冠攣縮性:確定基準−0.1mV以上のST上昇、参考所見:U波の陰転化、心拍数の増加不十分、繰り返す検査で虚血が出現しなかったりする
  心筋梗塞後:確定基準−ST下降(水平型ないし下降傾斜型で0.1mV以上、参考所見−異常Q波誘導のST上昇は虚血と断定できない、異常Q波誘導のST上昇を伴って対側誘導に出現するST下降は虚血と断定できない、陰性T波の陽転は虚血と関係なくほとんどの症例でおこる
  重症・予後不良:運動能が低い、血圧上昇の異常(運動中10mmHg以上の低下、運動を続けても血圧が上昇しない)、狭心痛やST下降の始まる負荷量が小さい、最大ST下降が深く下降傾斜型ST下降を示す、ST下降の誘導数が多い、ST下降度が深い(≧0.2mV)、運動終了後虚血性ST下降が長く続く
 
●ホルター心電図
  目的:日常生活中の不整脈および心筋虚血の診断、携帯型心電計を用いて日常生活時の行動中に長時間連続記録ができ、アナライザーにて高速解析する検査法
  不整脈の記録:有症候性・無症候性の刺激生成や伝導異常の診断と重症度評価、不整脈の起源や単発・連発、ブロックの程度などについての診断
  心筋虚血の診断基準(推奨):ST下降の陽性基準@コントロール時の基線に比し、0.1mV以上の水平/下降傾斜型ST下降A最大ST下降に到達するまで1分を要しB0.1mV以上のST下降が1分以上持続する場合C(虚血回数カウント)各虚血間隔が1分以上
  注意点:いずれのST変化においても体位変換に伴う非虚血性ST変化との鑑別のため、予め仰臥位、側臥位、立位、過換気時の心電図を記録し参考にする。
  限界:緊急対応性がない、誘導数が少なく情報量に限界
  適応:◎リズム不整に関する自覚症状(動悸、めまい、失神など)、×一過性無症候性心筋虚血→精度や信頼性は極めて低い、○労作性狭心症→ST変化の頻度・出現時間帯・重症度・心拍数との関連・状況を知る、◎冠攣縮性狭心症→基本的には不安定狭心症・発作時心電図による確定診断、△陳旧性心筋梗塞→日常生活における心筋虚血出現の有無・梗塞誘導部位でのST上昇との鑑別、△虚血性心筋症→心不全症状が多く原因検索や病態生理評価目的には不向き・もともとのST-T変化があり解釈困難
  判定基準:2誘導ではV1・V5近似誘導法が推奨、異型狭心症ではU,V,F,V2,V3も有用、1×1×1ルール(上記)
 
●体表面電位図
  胸壁上で心臓を囲むようにして多数(数十〜数百)の誘導点を設け、胸壁上の瞬時毎の等電位線を用いて地図状に表現→誘導部位直下の心起電力を強く反映する単極誘導心電図なので各部位での心起電力評価に威力を発揮
 
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