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心臓核医学検査   心筋血流イメージング
QGS(Quantitative Gated SPECT)検査   RIアンジオグラフィ
心筋交感神経イメージング   心筋脂肪酸イメージング
PET    

●心臓核医学検査
  心臓核医学検査は、ラジオアイソトープを投与し微量の放射能を体外から計測することにより心臓をイメージングすることにより、心筋血流、心筋エネルギー代謝、心収縮拡張能、心臓交感神経活性などを評価する検査で、目的とするイメージに応じた核種が使用される。ただし、PET検査に用いられる核種は短半減期のため自施設内に合成用のサイクロトロンを必要とする。このため、大学病院など限られた施設でのみ施行されているのが現状である。
 
●心筋血流イメージング
  目的:心筋虚血の診断、虚血性心疾患の重症度評価、治療方針決定、血行再建術効果判定、気絶心筋・冬眠心筋の評価
  原理:心筋血流依存性に心筋に摂取される放射性医薬品を静注し、心筋集積の分布をガンマカメラやSPECTにより画像化する
  放射性医薬品の特徴:Tl-201(Kイオンと同様の挙動、Na-Kポンプによる能動輸送、物理的半減期73時間)Tc-99m標識製剤(受動拡散にて心筋に取り込まれミトコンドリア内にとどまるらしい、物理的半減期6時間で大量投与可能、肝胆集積→時間おくか食事とらせる) 撮像方法:安静、運動負荷、薬剤負荷(ジピリダモール0.14mg/kg/min×4分、ATP0.16mg/kg/min×5分、3−4分後にRI投与;ドブタミン3分毎に5-10-20-30-40γと増加させ終了1分前にRI投与)
  心筋虚血の診断:冠予備能→安静時血流に対し約4−5倍の血流増加を許容、50%以上の狭窄により徐々に低下、血流の多寡を反映した集積、虚血の有無のみならず程度の評価に不可欠
  重症度評価:可逆性灌流低下の部位・大きさ・分布→心筋虚血の重症度、広範虚血(多枝病変、主幹部・左前下行枝近位部病変)の指標→肺のTl集積増加・一過性の心拡大・び慢性の洗い出し低下
  バイアビリティ評価:再灌流療法による血流の改善で可逆的に機能回復が期待される心筋(虚血後機能不全のスタニングと慢性虚血によるハイバーネーション)、Tlは低酸素状態・スタニング・ハイバーネーションでも摂取はあまり影響されない、安静投与後の遅延像や運動負荷−再静注/24時間後後像の有用性が高い
  治療効果判定:血行再建後/薬物治療後の負荷あるいは安静心筋血流イメージング―4−6週後の施行が分かりやすい
  予後予測:心機能低下の程度(駆出分画低下や壁運動異常、心不全)、危機に曝されている心筋の状態(多枝病変、虚血の誘発の有無)、不整脈の発生などが重要な推定因子、RI的には血流欠損と再分布・血流低下の範囲と程度、Tlの肺の取り込み増加などの左心機能低下に関連する指標、負荷時の心腔の一過性拡大(広範な心内膜側血流低下を反映)―心事故発生率高い
 
●QGS(Quantitative Gated SPECT)検査
  心電図同期させることにより心周期の各時相(RR間隔を8−16分割)におけるSPECTを収集し、左心室の時間容積関係を評価する方法。ソフトウェア的に自動解析がなされ、左室壁運動評価のほか、左室拡張末期容積、左室収縮末期容積、左室駆出率などが計算され、心筋血流と心機能、壁運動が同時に評価できる。
 
●RIアンジオグラフィ
  原理:血液成分(赤血球、アルブミンなど)をTc-99mで標識し、心腔内をイメージングすることにより非侵襲的に左右心室の全体的または局所的な収縮/拡張機能を評価する方法で、心機能障害の重症度や治療効果判定、負荷に対する反応性から虚血の有無や重症度の評価ができる
  左室機能:左室容量曲線から収縮期指標―左室駆出率(LVEF)、1回拍出量(SV)、早期平均駆出速度(1/3MER)、最大駆出速度(PER)、拡張期指標―最大充満速度(PFR)、早期平均充満速度(1/3PFR)
  右室機能:左室と同様に右室容量曲線より種々のデータ、主に右室駆出率が用いられる MAAを標識したトレーサを下肢静脈内投与することにより下肢静脈から下大静脈、右心系から肺血流をイメージすることが出来る。下肢静脈血栓症や肺動脈血栓塞栓症の診断に有用である。投与されたトレーサは肺毛細血管でとどまることにより肺血流分布が描出される。楔状の血流欠損は肺動脈血栓塞栓症を、肺動脈血流分布の変化から肺高血圧症の存在が示唆される所見が得られる。
 
●心筋交感神経イメージング
  原理:I-123で標識したMIBGは交感神経末端の神経伝達物質であるノルエピネフリンと類似した構造を持ち、神経末端でのノルエピネフリンの摂取・放出にともない神経終末に取り込まれ洗い出される。
  方法:ルゴールの飲用(I-123による甲状腺への被爆の抑制)、三環系抗うつ剤や交感神経刺激剤の休薬(MIBGの集積に影響)、静注後15分の早期像・4時間後の遅延像、H/M比(心筋・縦隔比)と洗い出し率算出用のplanar像とSPECT像
  正常値:H/M=2.0−2.7(早期像)2.1−2.9(遅延像)、洗い出し率=21−30%、下壁は正常例でも分布が少なく高齢者では顕著に低下
  意義:Tlよりも広く集積低下(viable but denerved area)、心筋梗塞後の除神経された領域が心室性不整脈の焦点であることも、心内膜下には交感神経の分布が多いので心内膜下梗塞でも顕著な集積低下を来たすことも、冠攣縮性狭心症や気絶心筋など最近の強い心筋虚血発作も示唆、安静時投与にも関わらず冠動脈疾患検出感度が高い
 
●心筋脂肪酸イメージング
  原理:長鎖脂肪酸は正常心筋の主たるエネルギー源である。脂肪酸はβ酸化により代謝され心筋ATPの60−80%を供給する。逆に虚血心筋ではブドウ糖利用が亢進し脂肪酸利用は抑制される。I-123BMIPPは側鎖があるためmatabolic trappingにより心筋に保持され、心筋の脂肪酸利用状態および心筋中性脂肪プールの大きさを反映する。→安静時投与で心筋虚血を鋭敏に検出する。
  方法:静注後20−30分の早期像・2−3時間後の遅延像、撮像は主としてSPECT(投与直後からのdynamic SPECTも)
  正常:心筋集積はほぼ均一、洗い出し率は撮像時期により異なる(ため施設での正常値を算出)、集積の詳細な評価には心筋血流との対比が必要
  意義:虚血により脂肪酸代謝が容易に障害されるため集積低下が血流に比し高度となることが多い、集積低下は高度虚血を示唆し壁運動異常と良好な相関、不安定狭心症で集積低下が高頻度にみられる→血行再建の必要性を示唆、冠攣縮性狭心症における心筋虚血の既往(ischemic memory)、血流と脂肪酸代謝の乖離は回復しうる虚血心筋におおくバイアビリティ評価に有用
 
●PET
  原理:生体構成元素のポジトロン放出核種の使用で生体の生理的・生化学的な情報を画像化、SPECTに比べ感度と空間分解能が高く定量性に優れる、短半減期のため院内サイクロトロンで合成、短時間での反復検査が可能
  方法:心筋血流→O-15水(心筋細胞内自由拡散・心筋内代謝がない・細胞内トラップ時間短く画像化困難性も)・N-13アンモニア(心筋細胞内に拡散後グルタミンの形でトラップ・優れた画質の心筋血流像、心筋エネルギー代謝→F-18 FDG(心筋細胞内での糖代謝)・C-11パルミチン酸(血中遊離脂肪酸と同様の挙動・β酸化によりTCA回路で代謝・脂肪酸のβ酸化の程度の解析)、心筋酸素代謝→C-11酢酸(ミトコンドリア内でTCA回路に入りC-11 CO2となって細胞外に洗い出される・ダイナミックPETを用いてTCA回路活性を反映した心筋酸素代謝の解析)、心臓自律神経機能→F-18フルオロメタアミノロール・C-11ヒドロキシエフェドリン(心臓交感神経分布の画像化・MAOやCOMTによって代謝されないため神経機能情報は乏しい)・F-18フルオロドーパ(ドーパミンのアナログ・交感神経内で代謝・心筋放射能活性の経時的変化から心臓交感神経分布と機能解析が可能)・その他β受容体やムスカリン受容体のPETトレーサも
  意義:心筋バイアビリティ評価→F-18 FDGやC-11酢酸、虚血性心疾患→N-13アンモニア(血流の定量評価+ジピリダモール負荷で冠血流予備能)、心臓自律神経機能→心筋虚血による低下を解析
 
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