国立大阪病院 外科のご案内
〜疾患別の紹介〜
呼吸器疾患(肺がん・縦隔腫瘍)

外科呼吸器部門では胸部悪性腫瘍を専門とする内科、放射線科(放射線診断、放射線治療)、臨床検査科(病理)との共同診療体制のもとに、肺癌などの胸部疾患に対する手術治療を行っています。現在の最高水準の治療を提供することはもちろんのこと、新しい診断治療を開発する努力を続けています。

■取り扱う疾患

肺癌
転移性肺腫瘍(肺以外の臓器から発生した癌の肺への転移)
縦隔腫瘍(胸腺腫、神経原性腫瘍、縦隔胚細胞性腫瘍など)
胸膜・胸壁腫瘍(悪性胸膜中皮腫など)

■呼吸器外科手術に関する当科の方針

症状、診断、病期などについては内科(肺癌)のホームページをご覧ください。
【肺癌】

T期とU期およびVAの一部の非小細胞肺癌と、病期I期の小細胞肺癌に対して手術治療が行われます。肺の切除とリンパ節の郭清が行われますが、肺葉切除が標準手術です。

隣接臓器に浸潤した進行肺癌に対しては合併切除を伴う拡大手術を行います。肺癌の進行の程度を考慮し、呼吸器グループの連携により、放射線、抗癌剤、手術を組み合わせた治療も行います。

1. 肺機能温存手術(縮小手術)について
 

肺癌の手術には肺葉切除が行われてきましたが、肺の切除量を減らし呼吸機能を温存する縮小手術(肺区域切除、肺部分切除)が広まっています。当科でも早期の小型肺癌に対しては縮小手術を積極的に採用し、癌の根治性をそこなわずに手術後も十分な生活レベルを保てるよう配慮しています。

2. 胸腔鏡手術について
 

内視鏡を併用して通常よりも小さな開胸創で肺の切除を行う胸腔鏡手術も導入し、手術侵襲と術後の痛みの軽減および美容に配慮しています。しかし、不十分な手術視野での手術で癌の根治性を損なってはなりません。ひとりひとりの患者様の病状に応じてその使用を検討いたします。また、必要な場合は小開胸創を拡大し通常の方法での手術に変更することもあります。

【転移性肺腫瘍】

他の臓器の癌から肺へ転移をきたしたものですが、もともとの癌の状況や転移の状況によって手術適応が異なります。原病の主治医の先生とよくご相談の上、紹介状とレントゲンなどの資料をお持ちいただくことをお願いいたします。

【縦隔腫瘍】

 胸腺腫、神経原性腫瘍、縦隔胚細胞性腫瘍などの外科的摘除を行っています。腫瘍の性格に応じて他科との共同診療体制により抗癌剤、放射線、手術を組み合わせた治療も行います。

【悪性胸膜中皮腫】

 最近、アスベスト(石綿)との関連で、労働災害や環境被害について注目されている病気で、診断、治療の困難とされる悪性腫瘍です。最新の医学情報に基づいて診断、治療を行います。

■呼吸器外科専門外来

 水曜日に高見康二医長(呼吸器外科専門医)、金曜日に大宮英泰医師(呼吸器外科専門医)による呼吸器外科専門外来を行っています。この他でも随時診察を行いますので地域医療連携室までご連絡ください。また、気管支鏡検査等の胸部疾患診断に関するご相談につきましては呼吸器内科とともに呼吸器外科でも承っております。


■「75才以上後期高齢者非小細胞肺癌症例の手術成績に関する前向きの多施設
  コホート研究」の実施に関する情報公開

【はじめに】

日本人口の高齢化が進む中、がん死亡原因の第1位である原発性肺がんの患者さんも高齢化が急速に進行しています。原発性肺がん、とくに非小細胞肺がんの早期の方に対しては外科療法が第一選択として推奨される治療法ですが、75才以上の後期高齢の患者さんに対する手術成績の臨床研究は十分に行われておらず、外科療法の適否や手術の方法の選択を検討するための判断材料に乏しいのが現状です。

【研究内容】

本研究では、原発性肺がん(非小細胞肺がん)に対して手術を受けられた75才以上の患者さんの経過を前向きに観察し、様々な手術成績(術後合併症の発生率や術後の全身状態の変化、術後1〜2年の経年的な生存率など)を多施設共同で検討します。
対象:当院において2014年4月から2015年3月までに原発性肺がん(非小細胞肺がん)で手術をされた方を対象に研究します。

 

方法:
 1)診療録や検査レポートから本研究に必要な臨床データを抽出し、個人が特定でき
   ないように匿名化してデータセンターに登録します。
 2)全国の施設から集められたデータを集計して、術後合併症の発生率や術後の全身
   状態の変化、術後生存率などの手術成績を検討します。
 3)手術前の全身の状態や手術の内容と手術成績との関連を検討し、手術結果に悪影
   響をおよぼす危険因子を明らかにします。


【患者さんの個人情報の管理について】

本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡ください。

【研究期間】

平成26年4月1日より平成29年3月31日までの予定です。

【医学上の貢献】

本研究によって、75才以上の高齢の肺がん患者さんに対する手術の成績や危険因子が明らかになれば、医療者のみならず患者さんにとっても適切な手術療法選択の判断材料となることが期待されます。

【研究機関】

国立病院大阪医療センター 呼吸器外科
見 康二、大宮 英泰
連絡先:〒540-0006大阪市中央区法円坂2-1-14  пF06-6942-1331、FAX:06-6943-6467

【研究事務局・代表者】

矢野 篤次郎
国立病院別府医療センター臨床研究部
連絡先:〒874−0011別府市内竃1473番地  
     пF0977−67−1111、FAX:0977−67−5766